オレンジジュースとアイスコーヒー
オリヴィアの放った雑な魔力波は周囲を見果てぬ平地に変えた。
周囲に在るは剣戟を重ねる天夜童子と聖魔オリヴィア、そして手ずからの椅子とグラスのみを守った白詰・月蝕の魔女のみである。
「…確かに、天の字で正解かもな」
白詰が残り少ない酒を名残惜しそうに煽る。
「…そうネ。私や白ちゃんがヤりあって楽しいタイプじゃないわネ」
「というか、思いっきり白ちゃんと同じタイプじゃなイ」
白詰とは対象的に、イクリプスは残りを一気に空ける。
文字通り天を仰ぐと、中空に浮き魔剣を振るうオリヴィアとその周囲を飛び回り刀を重ねる天夜童子がある。
「あの、周りを全く気にしない辺りが特に…ネ」
ーーーーーーーーー
攻撃があたらない?
剣は受けられるが、魔弾はまるで手応えがない。
速さ…だけではない。
何度か命中した感触はあったが無傷すらの話ではない。
あの霧の様なものか…
「魔王さんさ、楽しいかいねや」
突如目の前に黒い靄が現れ刹那、天夜を形作る。
その悍ましい魔瘴を放つ刀を受け止め、同時に思考を巡らせる。
霧ではない。実態がある物じゃない。
…何処となく時間の違和を感じる。
概念位相?
闇…いやもっと、
「答えはでそうかね?」
眼前に迫ると同時に背後に現れる。
身体は半自動で反応する。
「…」
「無視かねや。つれないねや」
それほど狂気の笑みを浮かべてよく、言う。
背後をいなすが更に同時に腹部への刺突。
それも、払う。
順を表せばそうなるが、ほぼ同時に3箇所への斬撃。どういう速度だ。
「今のを凌ぐか」
「えぇ、なんとかですけど」
「なられば次で最後といこうさ。頼むで死んでくれるなや」




