表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天夜神界威譚   作者: あまつや
14/15

諍い



「命で支払ってもらうかラ」

イクリプスの返答にやおらと室内が殺気立つ。



「ハハ、冗談ですよね?」

オリヴィアの渇いた笑いが虚しく響く。

無論、彼女にもその答えは不要であった。



「フフフ。どうかしラ?」

オリヴィアとは対象的にイクリプスの艶めいた笑みが、剣呑な空気を包む。



場はすでに、

争いが起きるか否か、ではない。

いつ仕掛けるか、である。



そうなるのか、とオリヴィアが逡巡する。

目に写る、音に聞こえる物は全て戦の糧となる。

ここで狼狽え、困惑するには彼女は魔王を歩み過ぎた。



キン、と重苦しい一重の金属音。



天夜童子の刀とオリヴィアの剣が重なる。

その鬼の狂気を孕んだ悍ましい笑みは、先の無表情の者とは別人である。



「悪いねぁ、王さんや。きさんは悪鬼の匂いねや」

恐らく対話の意味はない、と巡らせる。

戦それ自体に意味を持たせる修羅の言だ。

鍔迫る魔剣に力を込める。

シェーンと白詰を見やる。

文字通りではなく、剣を置いている。


この二方に戦いの意思はない。

いや正しくは無くなった、であろうか。


オリヴィアは横目で流し見る。



「お前、この前やったばかりだろ。まったく」

白詰の狐耳が力なくへたり込む。

「まぁまぁ今回は天ちゃんが連れてきたんだし、それによっぽど特別なんじゃなイ?」

「だろうけどよ〜」

二人は酒盛りを再開していた。



呑気なものだ、と少し苛立つ。

不思議とこの状況に疑問は少ない。

それは冥獄の魔瘴がそうさせるのか。

「すいません。少し跡形もなくなるかもです。」

オリヴィアは返事も聞かず、魔力を爆ぜさせる。


彼女の口角も少し、ほんの少しだけ上を向いているのは、きっと自身にも気づかないだろう。

いや、気付かぬフリかもしれないが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ