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アングラミュート 銀の弾丸  作者: 土野 絋
鬼であるが故
9/24

鬼ころし

いや、あれっすよ。

今回のタイトルはキッチンにあった日本酒見てつけたわけじゃないですよ、はい。

「リンド!作戦もなしに飛び込まないで!!」


「どうせテレシアがやることはひとつなのです!!」


場違いなテンションで乱入してきたリンドともう1人。


黒髪で長髪、高身長のテレシアと言う名の女。

リンドが栗色の髪にショートヘアなので、並ぶと対称的な画になる。


「お二人さん、何しに来たのかな?」


低く渋いハラリの声が響く。


「ある子の未来と国を救いに来たのです。」


リンドはそう言うとテレシアの背中をぽんと叩く。


「本当はやりたくないんですけど……。」


右眼の眼帯に手をかける。


「1時間だけ……命に危険はありません。」


「手はず通りか……。」


ハラリはそう呟いた。


眼帯の下には、紫色の瞳。

吸い込まれるような渦を描いて……動いて……?


ハラリや機動隊、ヴァルナはその目を見て眠るように倒れた。





「あ、ヴァルナさんに目を逸らすように言うの忘れてた。」


「くそあほが運びやすくなったと考えればいいのです。」


腰に手をやり、話すリンドには何処かミトラのような面影が見える。


「頼もしいわ、そう言って貰えると。」


「それではテレシアがくそあほを運んでください。」


「まぁそうなるわよね……。」



「待って頂けますか、そこの神霊兵殿。」


振り返ると、1人の機動隊。


「誰です……。」


リンドが応答する。


「しがない機動隊の1人です。」


この男……!!


「リンド!!この男は人間じゃない!!」


「え?」


「ご名答、それでは……。神性解放。」


「神ですって?!」


「お終いとは突然です。そんなものです。」


そう言って男は姿を消した。


「来るっ!!」


「テレシア!眼を使うのです!!」


「分かった!」


ヴァルナを降ろし、眼帯を外す。


気配が無い……?

神性なら在るだけで感覚があるはず……。


「リンド、気をつけ……ぐッ!!」


足を切られた……!!


「テレシア!」


「近づかないで!」


気配が無いっていう能力か?!


「透明になれるのか、気配を消せる能力なのか分からないけど。迂闊には動いちゃいけない。」


「テレシア……血が……」


血が止まらない……。

血液の抗凝固剤でも刃に塗っていたのか。


「リンド、たぶん次を食らったら……。」


考えたくない……。


「無駄話って言うのは……。」


リンドの背後に男がぬらりと現れる。


「!!」


やっぱり気配が無い!


「無駄だから無駄話って言うんですよ。」


「リンドッ!!」


リンドが握っていた十字ナックルで剣撃を受ける。


「私はくそあほのように迂闊じゃない……。」


左手は剣を止めたまま、右手を引く。


「のッ……ですッッ!!」


リンドの右手は精確に顎を打ち抜く。


「神霊式拳術、私だけのもの。ミトラ様が私に授けてくれた剣術をアレンジした拳術なのです……!!」


こいつは驚いた……。


男は多分そう言った。


もう顎は砕けてしまってほとんど喋れていないから。


「テレシア!眼を!!」


私は走り寄り目を覗く。

その男は眠るように倒れた。


「何とか……なった……。」


安堵したが、強烈な目眩に襲われた。


「テレシア、止血を早くしなくては……。」


血を失いすぎた……。


「ただでさえテレシアの眼は血を使うのに……申し訳ないです……。」


「いや、この国の為なら……。」


まだきっとヴァルナさんは知らない。

私達もミトラ様の葬儀の日に知ったのだから。





「あらら、やられたよアイツ。」


メガネの上から作業用ゴーグルを付けた女が呟いた。


「仕事しろ。」


ラリーはため息混じりに呟く。


「へいへい……、つーか神性持ちで人間に負けるとか弱すぎじゃね?」


そう言いながら女はスコープを覗き込む。

手に持っているのは女の身長の2倍ある大型弩砲(バリスタ)


「ここから大体5キロ強くらいの距離か……。ま、余裕だな。」


神性解放。


女はそう心に呟いて、スコープから目を離す。


「スコープなんかいらね。距離図る以外じゃ使えねーし。」


女の眼が、まるでターゲットのマークのような十字模様に変わる。


「精確に心臓を吹き飛ばしてやるよ……!」


ドシュン……!!


撃ち出された矢羽の付いた槍は大人の身長程ある。


弧を描き、その槍はヴァルナの心臓を撃ち抜いた。






「ここはどこだよ……。」


ヴァルナは白い世界の中で意識を覚ました。


「やぁ、ダーリン!」


白い軍服のコートを着た女。


「お前……ミトラか……?」



嘘です……。

日本酒見てつけましたごめんなさい。


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