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ロートル作家は戦闘中 4 

まだまだまだ暑いですねぇ……。

 ロートル作家は戦闘中 4 






 年を食ったとはいえ、ハジメはハジメなのだろう。

 強引とも言えるその戦い方は正直穴だらけなのだが、今は少しだけ消耗してくれていると助かるのだけどな。


 ハジメ:風船花残り二つ

 フトシ残り二つ


 ハジメに押されながらも、フトシは何とか自分の役目をこなしている。フトシの役目はハジメを消耗させること。それが俺の出したミッションだ。可能な限り貼り付け、可能な限り押し返せ。ハジメがまさか丸太より強いとは思わなかったが、太はかなりがんばっている。ガリに関しては残念だったが、そこまで期待もしていないのでよしとする。


 俺は禿げマスターとヒトシの牽制をしつつ、ハジメの様子を見ていた。

 ハジメの足運びや、動きになんとなく見覚えがあった。


<あぁ、アレ相撲か……>


 よく見ればハジメはすり足で進んでいるし、相手の腰の辺りをしっかり持っている。フトシは倒されないようにただ踏ん張っているだけだ。あれじゃぁもう少しでダメになるな……。


 ヒトシとマスターが動かないのがすごく気になるのだが、いまはとりあえず松に助言を与えなければいけないな。しかしどこで、相撲なんて知ったんだ? あれか? 勇者か? などと考えていると禿が動いた。


 おうおう、なかなかの速度で動くぞあの禿。

 動く寸前ヒトシと何か話していたからこれはヒトシの作戦か?

 真っ直ぐこちらに来ているのか、アレはちょっと厄介だな。


 仕方ない、松にはこっちで指示を出すか。俺はポケットから笛を出して長く強めに笛を吹いた。

 これは今回の戦いにおいて緊急時に指示を出すための方法として決めておいたものだ。


 実はこの方法は、ヨシノさんも使っていたものなのだが、今回はヨシノさんのものを全て逆にした。ヨシノさんのときは小さく吹けば、攻め。長く吹けば後退としていたそうなので、その逆だ。なので長く吹いてやった。ヒトシはそれを聞き、動こうとするがそれでは少し遅い。遅い飢えに的外れだ。それに加えて俺は、ヨイチ用に決めていた合図も出した。それは、暗号だ。


「明日は雨が降るぞ!!」


 かなりでかい声で突然叫ぶ。それを聞いたヨイチは、緑の布をかぶって身を隠していた草原から、禿げマスター目掛けて横からぶつかる。

 その手にはこの世界の植物から取れる、蛍光塗料が塗られており、それは、この戦いの特殊な役目、隠密の能力の発揮にもなる。


「ナガラ僕やったよ!」

「でかした! ヨイチ」


 隠密に触られたものはその場である一定時間動けなくなる。そして俺にはその程度でも余裕があれば十分。ほんの少しだけ足に力を入れて、ダッシュをかけるそして通りすがりざまに禿の風船花を全滅させる。


「くっ……しまった!」


 禿が悔やむが少し遅い。こちらとしてもヨイチの居場所がばれるという痛手を負ったが、とりえず二人実力者を落とせたのは美味しい。


「ナガラ、僕やれたよ!」

「あぁ……ここからは隠密というより忍だな。その力でクロメガネを行動不能にして来い」


 ヨイチはもう隠れる意味がなくなったことからか、後は全力でフトシ達の傍に居るクロメガネを押さえに行った。


「さて、後はあそこでしまったという顔をしている策士さんを、どうにかしないとな……」


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』97話です。

あと3話で、100話ですね…。


ではまた次回で……。




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