表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/115

ロートル作家は回想を聞いている 3

回想編です。

 ロートル作家は回想を聞いている 3






 笛の音はハジメへの合図だったの…。



「一回目の笛が鳴ったら、そこから全速力で自陣地へ戻ること。

 それが合図だからね?」

「よし、わかった!」


 作戦を聞いていた、ハジメは約束をして、強く頷いた。

 そして今、その約束をした時の笛の音が聞こえた。


「鳴ったらもどるぅうううう…」


 ハジメは約束通り、今度はくるりと方向を変えて、自陣地へ戻っていく。


「「「逃がすか!」」」


 ウエキ側のマークについていた三人が、

 それを怖気づいたものだと勘違いをして追いかける。


「隊長!ハナのハジメが急に逃げ出しました。

 今それをうちの三人が追っています!」


 ヒトシの側近の一人が現状を報告する。


「何だ?なんか変だぞ…」


 いつもと違う違和感にヒトシは一瞬躊躇する。その一瞬で十分だった。



「「「追えー!逃がすなー!」」」

「もどるぅうううう!」



 ハジメは特攻していたときと同じ速度で、自陣地へと帰ってくる。

 そして在る程度いったところで、二度目の笛が鳴った。


「いいかい?戻ってきているときに二度目の笛の音が聞こえたら、

 思いっきり前方へ高くジャンプするんだ」


「前方に高くジャンプだな?分かった!」


 もう一つの約束を思い出す。そして純粋にそれを行う。


「二度目の笛が鳴ったら…前方に高くじゃぁーんぷぅぅぅ!!」


 ダッシュをしたまま思いっきりジャンプをする。


「「「にがすなぁああああ!!」」」


 追っていた三人は、急にジャンプをしたはじめを捕まえようと、

 そこから加速を強くする。


「「いまだあぁあああ!」」


 不意にハジメのいた場所、すこし離れた所から二人の声がする。

 同時にロープがピンッと張られる。


「「「なんだとぉおおお!!」」」


 勢いのついていた三人は思いっきりロープによって体制を崩す。


「「とらえろぉおおお!」」

「「うぉおおおおおおお」」


 隠れていた他のハジメ陣勢が現れて三人をロープでぐるぐる巻きにしてしまう。

 その後も、遠距離攻撃や、ゆさぶり、カモフラージュした服を着た、

 隠密部隊によって一人ずつ、一人ずつとウエキの勢力をそいでいく。

 そして、いよいよウエキ最後の一人…。

 ヒトシとの一騎打ちになる。


 ヒトシは知略には富んでいたが、実践は差ほどではなかった。

 逆にハジメは一対一でさえあれば、そうそう負けることはなかった。


「ヒトシ…悪いが今日は勝たせてもらう!」

「言ってろ!まだ、ボクがここにいる限り、ウエキは負けていないぞ!」


「「やぁあああ!!!」」


 二人の声が木霊する!一瞬の交差…ハジメはヒトシの木の棒を、

 自分の木の棒で巻き取り、空へと飛ばす。


 そして、返す棒でヒトシの胴を打ちぬく!


「ま…まいったぁああ!!!」


 ヒトシの声が胴に当たる寸前で降参を言い渡す。

 それを聞いたハジメは寸前で棒を止めた…。


「「うおおおおおおおおぉ!!!勝ったぁああ!!」」


 ハジメから自陣の勝利が叫ばれる。

 ハジメの仲間はハジメの側に行き、今日の勝利を一緒に叫んだ。


「よしのぉおおお俺たちの勝利だ!」


 こっちを見て、叫んでいるハジメに遠くから手を振る。


「ははは、良かったねぇ…ハジメ…」


 長い間、日に当たっていたのは久しぶりだったせいもあって、

 ちょっと疲れてきていた。

 なので私は、私の近くで伝令役を務めてくれていた子に、

 私はもう時間だから帰るけど、はじめによろしく言っておいてねといって、その場を離れた。


「ふぅ…楽しかった…」


 戻った私の疲れた感じに、両親は若干慌てていたけど、

 体に別段何もないのに気づいてくれて、事なきを得た…。


「また、皆で遊ぼう…」


 私は窓の外から聞こえる、声に呟いていた…。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』78話です。

次回も是非よろしくお願いします。

ではまた次回で…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ