ロートル作家は魚を釣る
昔、へらぶなを釣りに行ったことがあります。結果はタニシが釣れました。
ままならないものです。
ロートル作家は魚を釣る
作戦一、
正面からちゃんと話をする
作戦二、
篭絡する
作戦三、
倒す!
「さぁここで問題です!この中でもっともスマートなのはどれでしょう…」
「たおす!」
「松さんそれは違うと思います!」
「はい、外れです。松は罰として好きな人に、向かって好きだと言ってください」
「ぬぉおお…好きだ!」
「えぇ!?」
ちょっと面白くなったので色々いってみていた。
釣りはその間も続いている。正直そう簡単ではない。
話しながらなのだから余計に釣りは難しい。
「釣りは難しいなぁ…」
「そうですねぇ…」
「だなぁ…」
三人三様というよりは全員右に習えだろうな。
正直言って魚釣りには根気が大事なものだよなぁ…。
本当釣れない…。作戦を考えるとかは正直そっちのけである。
「これが釣れないと…今夜のご飯が減ります…」
マーガレットは少し真剣だ。
あぁ、相違やそうなるんだよなぁ…俺はまぁその気になれば、
どっかで食ってくる手もあるんだけどね。
仕方ない、本気でまずは釣るか…。
「よし、話はまず今夜の食事を確保してからにしよう」
「異議なし」
「ですね…がんばります」
三人の瞳にやる気という炎が入る。
泉の中を泳ぐ魚…。その魚を目で追うのではなく、気配を追う。
この竿にはうきが無い。うきがないとどうなるのか…。
そう、合わせがしづらい。なのでそこが一番難しいんだよな。
「だが…こちらには…」
そう、女神様から頂いた能力の強化が在る。
「そうれっと!」
うまい合わせっと!ほらうまくいった。がっちり、木の破片で作った針へ、
食いついている。竿を通して魚の強さが伝わってくる。
負けるわけにはいかない。かといって力任せに引っ張れば
、当然竿は壊れてしまう。なので、見極めが大事だ。
インスタント空想術でそういう術があればいいんだけどな…。
まぁないものをねだっても仕方ない。
魚の呼吸に合わせて竿を立てたり寝かせたりする。
「ぬおっ!」
そしてようやく一匹目が釣れた。
竿のしなりや、引きの強さから分かってはいたが、まぁなんなら、
見えているので知っていたのだが、大物だった。
それを廃材で作った、水槽のようなものに入れておく。
「どうよ!」
「やるなナガラ!」
「すごいです!」
はっはっはっは、褒めて良い!
そんなことを言っていると、コツが分かり始めたのか、
二人も釣れる様になって来た。そこから先は、気のいい森の神様でも居るのか?
というぐらい入れ食いになって、あっという間に必要な分は手に入ったので、
釣竿は置くことにした。さて、いよいよ本格的に考えないとな。
いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。
『ロートル作家とおとぎの異世界』74話です。
ちょっと更新速度が遅くなるかもしれません。
最近体調が優れないので、更新とまったら申し訳ありません。
では次回へ。
米




