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ロートル作家は風呂場を作る

風呂は大事だなぁと思います。あるとなしとでは疲れに対しても、だいぶ変わりますよね。

 ロートル作家は風呂場を作る






 お互い朝は早かったようだ。


 旅の時の癖もついたようで、結構早起きをしていた。

 飯は木の実や果物に泉の魚といったものを、

 森にご迷惑をおかけしない程度に、頂いている。

 その他に以前、町で買った食料品の残りもあったので、特に問題は無い。


 そういえば、女神からもらった薬は『仮死薬』だった。

 最悪これを使って、二人を仮死状態にし、互いの父親の仲を、

 取り持つ作戦に使えとのことだった。

 えぐいやら王道なのやら、判断には困るところだ。

 なるべくそういう危ないのは避けたいなぁ…と思っているのだが。

 いざとなったらそれも手段として考えないとなぁ…。



「おはよう、松!」

「おはよう、ナガラ!」



 ガッと腕を組んだりしてみる。かなり仲良くなったな…。



「今日明日くらいで住める程度のものはできそうだね」

「あぁ…っとはいえ無理をして怪我でもしたら、面白くないので、慎重にやるつもりさ」



 木材は既に整形されて使いやすくなっており、必要な部分には、

 俺がこっそり『固』をかけたりしている。

 だいぶいいものは出来上がっているはずだ。



「マーガレットはまだ寝ているのかい?」

「あぁ…やっぱ慣れない生活と作業で疲れているのだと思うんだ」



 お嬢様ではあるので、いくら活発な方でも大変なのだろう。



「まぁ無理しない程度にね」

「ありがとうナガラ」



 松は朝飯を簡単に済ませると、作業に入り始めていた。

 慣れない手つきで、材料を組んでいっている。


 俺は、昨日の夜思いついた風呂場を作ろうと思っている。

 松にちょっと森を散策してくるといって、台車を引きながら、森へと向かう。

 泉の側を離れて材木を用意する。


 その中のよさ気なものを整形して、湯船にしていく準備をする。

 インスタント空想術は確かに便利だ。

 出来上がったものは、台車に積んで泉まで持っていく。

 もちろん目隠しなども必要なので、小さな掘っ立て小屋みたいなものも作る。

 俺の製作技能が唸りを挙げる。

 泉の水をくみ上げ(実際は空想術で移したのだが)、湯船にはる。

 湯船にはやけどしないように位置に気をつけて、『火』で熱した石を入れてある。

 少なくともこれで汗くらいは、流せるんじゃないだろうか。


 風呂の残り湯については、まだ考える余地があるものの

 まぁ、まずは風呂の完成だな…。


 小屋はものすごい手抜きで、ほとんどを空想術に頼ってしまった。

 いくらか多めに空想力を使用しておくと、固定の力や、

 固定している期間を伸ばしたりできるようだ。


 昨日、家の方はだいぶ多めに使っているので、

 数年くらいもつんじゃないだろうか…。わからんけど。


 風呂場は、ちゃんと、女性も安心しては折れる程度には、見えないようにしてある。

 一応小屋の体裁は保てているはずだ。


「松ー!」


 少し離れているところに居た、松を呼び、

 これでマーガレットと松や俺も風呂には入れるぞといっておく。


「おぉ!これはいい…風呂に入りたかったんだよ…」

「まぁ順番的には綺麗な湯にマーガレットからいれてやったらいいよ」


 とりあえず風呂の準備が出来たことにより、俺たちの生活が、

 だいぶ上がったのは間違いではないと思う…。

いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』72話になります。

よろしくお願いします。

ではまた次回で…。




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