ロートル作家は証明書を置いてくる 1
あとは若い二人だけにしましょう…。
ロートル作家は家で証明書をおいてくる 1
既成事実の一つも作ってくれると助かるんだけどねぇ…。
まぁ、そこ迄の期待はしないでおこう。
その描写はR15ではアウトだからな。
さて、まずは近場のということで、地図画面を開いて一番大きな家を探す。
大抵はそこが長と付く奴の家だからな。
あぁ…あったあった、ここだな?
町の中央、本当にど真ん中に、結構大きめの屋敷が在る。
まずはそこから行く事にする。
「
そのまえに…。
『コピーアンドペースト』で先程書いてもらった、用紙を複製しておくか…。
正直この世界の人間に、コピーかどうかなんて分かるんかねぇ…?
どうやらこのコピーアンドペーストは、同じものをもう一つ作る術らしいからね。
インクの臭いもするし…これはさすがに無理だろ…。
この町の見張りのようなものは余り居ないようだ、無用心だな意外に。
魔物が居なくなっているということもあり、
そういやハジメ村でも二人しか見張りついてなかったからな。
一応柵だの壁だのあるから、いいのかな?
夜ということもあり、灯りも少ない。
インスタント空想術の付与されている、灯りがあるようだが、
それでも沢山は設置されていない。
俺は『陽炎』をかけて死角を抜けるようにして、ウエキの町長の家に近づく。
頭の中で某スパイモノの音楽などをかけて望んでいるのだが、
正直そこまでの要素は一切ないな…残念だ。
屋敷の周囲を見渡す、意外に見張り少ない。
二~三人が夜警に立っているくらいだ。
息子の居なくなったのはそんなに心配じゃないのかな?
罠かなぁ…なら面倒だなぁ…。
いっそ、そこの夜警をしている一人の肩をトントンして、
手紙を挟んでいくかなぁ…。
結構格好良いしな…まぁそれいいじゃない?
俺の頭の中の会議で、いいだろう…ということなので、すぐ決行した。
見張りをしている、男の後ろにすっと回りこむ、
一瞬こちらを向くが、見つからない。そこまでの手誰じゃないんだろうな。
カタルだったら、もしかしたら見つかったんじゃないだろうか。
おかしいな?!という顔をして元に戻ろうとしたところで、
そっと紙を背中に、『固』で貼り付けてしまう。
そのあと、即効でその場を離れる。
いたずらっぽいけど、あれ俺が取るまでは取れないしな、
結構有効的な方法じゃなかろうか
流石に、これで見つからないとか、読まないとかはないだろう…。
一仕事終えたことでもあるし、見つかってしまう前に、
もう一つの仕事を片付けないとな。
まぁ…買出しなんだけどね。
遅くなったとはいえまだ早い方、店はいくつか開いていた。
リンゴに似たもの、みかんに似たもの、パンやなんかそういった食料を、
三袋くらい買って持って出て行く、途中心配されたが
「あ、力はあるほうなので、気にせず」
と適当に言ってここも急いで離れる。
町長の息がかかっていないとは言えないしな。
後は急いでもどってやるかと、町の外のテントの側まで、
『陽炎』をかけたまま移動する。
結構疲れたが、それでも空想値残りはまだまだ余裕だ。
到着してテントを前触れもなく空けてみる。
あぁ、うん少しイタズラしたかっただけだ。
「やぁ…ただい…邪魔した?」
白々しく俺が入っていくと、ものすごい勢いで二人が、
端と端に離れたので、一応確認をしてみた。
「い…いえ!大丈夫です!!」
「そうだ!大丈夫だ!」
何が大丈夫なんだろうか…。
まぁいいか…俺は二人に食料を渡し、ウエキの町の方にはちゃんと、
家出をした旨を書いたものを、渡したと伝える。
「あとはマーガレットの家の方だけだな…。
まぁアレはあそこにおいていけば大丈夫な気もするんだが…。
きっと優秀な、あの、サラスさんが見つけてくれると思うんだよな…」
「あぁ…そうかもしれません…」
マーガレットも思うところがあったらしい。
「さて、それじゃぁひとっ走り行ってくるんで、既成事実も程ほどにな?
風呂は入れないからあんまり激しいのは…」
「わ!わかった!もう早く行ってくれ、そんな破廉恥なことはしない!」
「ははは、じゃあ、まぁそれでも食っててくれ、
オグリノとかあるし、まぁ大丈夫だろ?じゃあな!」
真っ赤になっている二人をからかって、買って来た食糧を渡す。
再び『固』を、あと、編集でテントの周辺に警報をかけてから、
派手に逃げてきたあの町、ハナへと急いで戻っていくことにした。
いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。
『ロートル作家とおとぎの異世界』65話です。
次回も是非よろしくお願いします。
では次回で…。
米




