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ロートル作家は策を練る

そういえば家出らしい家出はしたことないな…とふと思いますが、

危険も伴うことですからね、余りお勧めできるものでもありませんね。

 ロートル作家は策を練る






「ど…どういうことです?」


 マーガレットが不安そうに再度聞き返してくる。


「どうもこうもないよ?家出してもらうのさ」


 俺は、何を言ってるの君たち?と言わんばかりに、さもそれが当然、

 当たり前であると言う感じで、返答する。



「で…でも…宿屋は恐らくもう…」

「そ、そうだよね…泊まる所も無いのは確かだ」



 不安になでもなったのか、二人はあーでもないこーでもないと言い始める。

 ほらなぁ…まぁ覚悟とか言ってもこんなもんですよ?


「え?君たち二人で困難を乗り越えられるのでしょ?

 どんな困難でも。さっき俺の神様に誓ったじゃないか」


「「あ…」」


 二人の声がいい感じに詰ってハモる。

 まぁいきなり言われればね、驚くのも無理は無いけどな。



「あぁ、不安なんだろ?分かるよ、分かる!ただこのくらいの事を、

 しないと君たちの父親は分からないと思うよ」

「だ…だが…」


 それでも無駄な抵抗をしようとする松。もちろん許さないがね。


「あ、泊まる所だっけ?特別にこのテントを期間中だけ貸してあげるよ。

 このテントは優れものでね、旅の途中でもらった大事な付与具なんだ。

 温度はいつも快適、雨風、獣の体当たりだって、耐えられる優れものだよ。

 これがあれば野宿だってへっちゃら安心だよ(ニコッ)」


「うっ…」


 はい一人陥落。


「あ、でも食料が…」


 マーガレットを松が見て、それだ!みたいな顔をする。


「あぁ…食料ね、大丈夫それも問題ない、それは俺が特別に差し入れてあげるよ。

 まぁかならず食べたいものをとはいかないけどね、

 それでも飢える事は無いよ、風呂とかは、さっきそう遠くないところに、

 泉を見つけたので、それで。多少のサバイバルくらい無いとつまらないだろ?

 何せ、結婚は人生において伴侶とともに歩む、サバイバルだからね。

 君達、二人の動き次第で楽園にも地獄にも変わるさ。

 これはその予行練習だと思ってくれ」


「あ、はい…(照)」


 マーガレットも、はい…陥落。ちょろいです。


「結婚を約束している二人に仕切りはいらないよね?

 うんうん、反論は無いね?ただこのままだと、誘拐だと思われかねないよな?」


「あぁ…確かにそうなるな…」

「確かに…」


 二人とも諦めた顔で頷く。

 ははは、良かったじゃないか、婚前交渉も、し放題だぞ。

 するかどうかは任せるが。



「なので、これに二人で署名をしてもらいます」


 俺はカバン、例のボックスから紙を取り出して、

 スラスラと神器のペンで文章を書く。


『父上たちへ、私たちは二人の仲を、許してくれるまでは家に、

 帰らないことに決めました。私たちは家出をします。        』


「では、これの空欄に自分の名前を書いてくれるかな?」


「は、はい!」


 マーガレットが先陣を切る。


「わ…わかった!」


 次に松が署名をする。


「よし、ではこれを二人の父親に俺が届けておく。

 これで君たちは自由だ!おめでとう!

 まぁ、まずは俺の保存食を置いておくので、それでも食べておいてくれ、

 夜遅くなったら、もうちょっといい食い物を持ってくるよ。

 ここは秘密の入り口からも離れているし、なかなか見つかりにくいと思うからね、

 まぁ今後のことでも良く話し合っておくといいよ」


 俺は二人にカバンから保存食と水を取り出し渡しておく。


「では、また夜遅くにね!」


 俺は二人を残し、テント周辺にカモフラージュを施したあと、

 ウエキの町へと買出しに出かけることにした…。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』64話となります。

どうか今後ともよろしくお願いいたします。

ではまた次回で





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