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ロートル作家は不敵な笑みを浮かべる

いつかは親の元を離れなければいけませんし、親も子供のことを放さなければいけないと、

自分などは思うのですが…。

 ロートル作家は不敵な笑みを浮かべる






 町の外のちょっとした原っぱのような感じから、

 俺たちは少し奥に入った。

 二人を連れて町の外へ出て、ある程度カモフラージュの、

 出来そうなところを探し、これから話をするための拠点と、

 ある大事な役割の為にテントを展開した。



「町の外で話すのかな?」

「まぁここならすぐ町に戻れますから…安全ですよね?」


 松とマーガレットの二人が辺りをキョロキョロと、

 見回しながら周囲を警戒している。


「外で話すのもなんだしな、三人くらいなら大丈夫だろうからさ」

 俺はそういって付与具を地面に置くと、テントを元に戻す言葉を唱える




『開!』




 テントは見る見る間に開いていき、目の前で完成した。


「こ、これは…」


 松が言葉を失って棒立ちになっている。


「ね?ナガラさんって本当に凄いのよ…」


 マーガレットも始めてみる付与具に少々驚き気味に苦笑している。


「はいはい、折角いい場所を見つけて出したのだから、

 中に入ってもらっていいかな?」


 俺は二人に中へ入るように促していく。


「「お邪魔します」」



 礼儀正しいな。まぁいい、俺もあとから入っていくこととする。

 入った後、獣などが入ってこられても困るので、とりあえずは入り口に、

 インスタント空想術『固』で固定しておく。



「おぉ、結構広いんだな…」

「そうですね…しかも暑くも寒くも無いですね」

「まぁまぁ、とりあえず座ってくれないか?」



 二人がそれぞれの、感想を言い合う。

 ちょっとしたショックを受けている二人に、座るよう伝え、

 これからの作戦を話すことにした。



「それで君達の願いなんだけど、しっかりとまず、

 双方の父親に認識をさせないといけないと思うんだよ」


「認識をさせる?」


「松さん、そう、認識だよ。二人がいかにしっかりと考えているのか、

 どれだけ真剣に付き合っているのか、ソレをまず教えないといけない」


「えぇそうですね!」

「あぁ、そうだな!」


 二人は本当、息もぴったりだな。


「よし、二人はどんな困難もしっかり超えられるね?

 何せ愛し合ってるんだからね!」


「はい!」

「もちろんだ!」


 言質はもらったぜ、お二人さん…。


「嘘偽りは無いね?二人ならどんな困難も乗り越えられるんだね?

 俺の神様に嘘偽りなく誓えるかい?」


 さぁ最終的な答えを出してもらうよ?




「「もちろん誓う!!」」




 二人は頬を真っ赤にしながらお互いの手を強く握り合い、強く宣言した。

 ははは、言ったね?それじゃぁお待ちかねの答え合わせですよと。


「ははは、うん、よく分かったよ!」

「そうか!ナガラさん!」


「あぁ…よく分かったよ…二人は俺の神様にも誓ったしね、

 もう撤回は出来ないよ?」

「え?」


 俺が不敵な笑みを浮かべて二人を見ていると、

 マーガレットが不安そうな声を出す。

 出しているが関係ない。二人は宣言したのだから。


「では、二人にはまず家出をしてもらいまーす」

「「えぇ?!」」


 嫌だなぁ…まだまだ序の口ですよこんなの…。

 完全防音(中から外へ)のテントに二人の驚きの声が木霊した。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』63話です。

今回もどうかよろしくお願いいたします。

また次回で…





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