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ロートル作家はマーガレットの彼氏?に会う

パスタ好きで結構な頻度で良く食べます。あっさり目も良いですが、

ゴルゴンゾーラとかつかった、ごてっとしたのも好きです。

結局は炭水化物系が、好きなだけなのかもしれませんが…。

 ロートル作家はマーガレットの彼氏?に会う





 店内は普通にただの食事屋だった。


 カウンター席とテーブル席、窓にはガラスははめられていない。

 恐らくガラスは高いものなんだと思う。

 基本木造の建物しかないのだが、

 現代社会でビルビルビルばっかり、見ている人間としては、

 使い込まれたテーブルやカウンターには趣があって好感度高い。


 きっと現実の世界だったら、落ち着いた店内に少し強面だが、

 愛想の良いご主人に、リーズナブルで料理は、

 美味しいとか、書かれそうな店だな。


 だが、あれはいかん気がする…店内奥中央に、松?の盆栽と、掛け軸…。

 あぁこれがまるで、海外の胡散臭い日本食の料理屋みたいだ。



「どうです?ナガラさん落ち着くでしょ?」

「あぁ…そうね…うん、落ち着くね(アレがなければ)」



 とりあえず、顔なじみなんだろうな。

 カウンターの中のそこそこ体格のいい、はげた親父と、

 若い女の子へ声をかけると、奥のほうのテーブル席へと案内される。



「何か頼んだ方がいいのか?」

「そうですねぇ…すぐ来るだろうとは思いますが、

 おなか減りました?もしそうなら、お礼のひとつとして、

 ご馳走させていただきますよ?」


「いや(苦笑)自分で払うけどね、そうだな…何が出来るの?」


 マスターの方(ハゲ親父の方)を向いて俺は声をかける。


「そうだなぁ…いまならパンで挟む系か、パスタか、おにぎりか?

 飲みものは、水もあるし、カフェもあるし、ニホンチャもあるぞ」


 豪快な笑い声を出しそうな声で返答が返ってくる。

 ん?!ニホンチャ?日本茶か…。

 挟む系はあれか?サンドウィッチか?

 パスタがこの中では…それでいくか…。



「じゃあパスタとカフェで頼むよ、いくらだい?」

「あぁ、譲ちゃんの知り合いなんだろ?

 そうしたら全部で八銅線でいいよ、まけておくわ」


 まけられたかどうかが全く分からないが、あいよっ!と俺も手を振っておく、

 別に行儀良くする必要もないだろう。

 何となく四十才の俺が顔を出す。


 飯が出てくるまでに来ちゃったら困るなぁと思いながら、

 マーガレットの彼氏の人となりを聞いてみることにした。



「それで、マーガレットさんの彼氏って言うのはどういう人なの?

「ブフォォウッ!!」

「よいしょっ!」


 マーガレットが盛大に日本茶を吹く。いやな予感がしてたので、

 メニューでガードしたのは正解だった。

 マスターの親父がこっちをみて、あっ…とか言っていたが気にしない。



「彼氏なんだろ?」

「えぇ…まぁそうなんですが…とても良い方ですよ?昔馴染みなんです。

 私も子供のころ、彼も子供のころはやんちゃで、良く町と町の間で、

 子供同士の縄張り争いみたいなものがありまして、

 そこでよく戦っていたりしているうちに、互いに互いを認め合い、

 仲良くなったといいますか…」

「あぁ、お前すげえな!お前もな!…みたいな感じか…って、

 それ男と男の友情じゃんか?」

「ははは、最初はそんな感じだったんですよ」


 時が経つにつれ、互いの性別は、互いの感情を異なるものへと変化させていく、

 マーガレットはユーリよりしっかり出るところは出、

 引っ込むところは引っ込んでいる。


 ユーリよ睨むな…例えだ例え…。頭の中のユーリの顔が怖くなったので、

 そちらの例えは控えるようにした。


 ようは男の友情ではなくなったらしい。それで、思い切って告白したところ、

 一応、向こうも意識はしていたようで、OKを頂けたということだそうだ。

 ただ、厄介なのは親父同士…。子供がそんなだったということは、

 大人だってもちろんそうだ。しかも根が深い。

 付き合うにしろ、結ばれるにしろ、一手間も二手もかかる…。

 そんな感じなんだということだ。


「はぁそうか…なるほどなぁむごむご…美味いなコレ…」


 話を聞いている途中できた、あっさり目の山菜パスタ、ベーコンを添えてと、

 荒めにひかれたカフェをいただきながら話を聞く。

 ベーコンの塩気と謎の出汁が良い感じだな。うむ、美味いぞ主人褒めて使わす。



「本当こんなことバカバカしいんですけどね…」

「全くだよ…親父たちの頭の硬さはミスリルを超えるね…」

「あぁ…そうだなぁって…ところで、先程から居る、そちら様は誰?」



 先程から近くに居るなぁ…とは思っていたのだが、

 誰だろうと聞くか聞かないか悩んでいたんだよね。

 マーガレット気づいていないし、

 何この子、暗殺者スキルでも持ってるの?



「あぁ…すみません、つい…(ニコッ)」



 話にいつの間にか入ってきた、和服姿の青年はあごに手を当てながら、

 繭を八にして唸っていたが、俺が声をかけると、

 人懐っこい、いい笑顔を返してきた。

 どうやら彼が、マーガレットの彼氏?らしいね…。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』60話です。

ゆっくりゆっくり更新してますので、どうかよろしくお願いします。

ではまた次回で…。



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