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ロートル作家は再び逃げ出す

お目付けって言うのは面倒な性格の人が多い気がするのだが、

相手のことを偏執的に大事にしますよね?

 ロートル作家は再び逃げ出す






「あ、サラス…」



 お嬢様ことマーガレットが眼鏡クイクイ野郎を見て、驚く。



「お嬢様…さぁ、屋敷へ帰りましょう!遊び程度であれば我々も見逃しますが、

 それ以上となると、さすがに見逃せませんので…」



 サラスと呼ばれた眼鏡クイクイ野郎は、一瞬困ったような顔をして、

 ため息をついてから、屋敷へ帰るように促してくる。



「あぁ…お付の人でしたか…」

「いかにも、サラスというが?小僧そろそろ、お嬢を返していただけないだろうか?」



 マーガレットと話していたときは真逆の顔をして、凄みを利かせてくる。

 裏表の激しい人なのか、それとも逆に素直なのか…。

 判断に困るところではある。



「ん?お嬢様の用事が済めばいつでも返してというか、帰ると思うけど?」

「あぁ…?!人さらいが調子乗ってるとぶちのめすぞ?」


 青筋立てながらマジ切れするサラス。


「いやぁ…凄い悪役っぽひとですね?」

「えぇ…サラスはどうも天然でこうでして…だから良く間違えられるんです…」

 マーガレットはサラスを見て、困った顔を浮かべている。


「あぁ?何?お嬢様とお話ししちゃってるの?誰に断ってるの?君は?!」


「本当悪役っぽいですよ?それじゃ俺が間違えても何もいえないですよ?」

「はい…すみません…」


「なぜお嬢が謝るのです!?」



 俺の的確なツッコミにマーガレットが申し訳なさそうに謝ってくる。

 その姿を見て、サラスが慌てている。



「ん?簡単でしょ…マーガレットさんからしたら、

 無関係な俺を勘違いで、巻き込ませてしまった挙句。

 その従者たる者が、結果的には自分を助けてくれた人に、

 失礼なことを言っていれば…」


「はい…本当に…こういう事情だから難しいといったのです…」

「なるほどねぇ…コリャ過保護にも程があるね…」


「え?私のことで、お嬢様がこのこぞ…者とに謝っているのですか?」


 俺と主人たるお嬢様、マーガレットとの会話が、

 まさか自分のこととは思っていなかったのか、

 ようやく気づいて慌てだすサラス。


「とはいえ、マーガレットさん…あなた本当に困っているのでしょ?

 俺は内緒ですが、困った人を助けてまわるように、

 神様に言われているんですよ…」

「え?」


「あ、頭がおかしいとかじゃないですよ?本当に…ご神託なんです」


 こう言っておくと、頭のおかしい子扱いされないことが分かっているので、

 こう言っているんだが、そこは嘘偽りがない本当のことだからな。



「なので、その気があるのならば、神様の名にかけて、

 願いをかなえてあげますよ?」

「…もし、本当に叶えてくださるなら…馬鹿げた話ですが、

 私をウエキの町へ連れて行ってください…」


「お嬢!!それはお父上が…」


 慌てて止めようとするが、そこから先は言わせない。


「OK!お嬢様…マーガレット、その願い引き受けた!」



 俺は親指を立て、にやっと笑うと、マーガレットをお姫様だっこして、

 力いっぱい空へジャンプした。


「こういう方法もあるんだぜぇぇ…『風』」


 俺は空想術の風を利用し、力任せにジャンプした後、

 俺とマーガレットを風にのせ、ハナの町の上空へと浮かび上がる。

 俺はマーガレットのお望み通り、風に乗りながら、

 ウエキの町へと向かっていった。

 途中後ろの方から、『お嬢!!!』という、心配怒りの混ざった声が、

 聞こえた気がするが気のせいだろう…。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』57話になります。

どうかよろしくお願いします。

ではまた次回で…。




5/10

前書き訂正

5/21

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