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ロートル作家は事情を知る

気の聞いた前書きが思い浮かばない今日この頃…、

皆様はどうお過ごしですか?

自分は体が痛いです…。さて今日のナガラはどうなんでしょうね?

 ロートル作家は事情を知る






「まずは、お礼を言わないといけませんよね…。

 助けて下さって、ありがとうございます。

 私の名前は、マーガレット・ハナといます」

「あぁ…コレはご丁寧に…ハナ?」



 目の前のふわふわ金髪の女の子は、自分の名前をハナとつけていっている…。

 あれか?この町では、自分の故郷の名前を付けるのが流行っているのか?

 …んな分けないわな…。

 目の前の子は恐らく、ハナのつく、この町のお偉いさんの関係者。

 もしくは娘そのもの…しかも町長のという可能性が高いだろうな。



「っということは…君はもしかしたら町長さんの関係者?」

「はい…娘になります…」


 そうだよなぁ…そりゃそうだよなぁ…そうなるよな…。


「ちなみに、何で狙われてたのかな?」

「それが…私はこの街の外に好きな人が居るのです。

 その人に会いに行こうとしたら…」


「もしかしたら、あの黒メガネの皆さんは…関係者?」

「はい…ボディーガードの皆さんになります…」


「おうっ…まぁでも、無理矢理っぽかったしなぁ…」


 どうやら関係者に閃光浴びせて助けるという名の、

 拉致行為を行ったのは俺の方のようだ…これはよろしくない…。



「ですので…これ以上はお手伝いいただくわけには…」



 彼女からすれば、俺の勘違いとはいえ、完全に俺を巻き込んだわけだ。

 しかも、相手は町長。面倒くさくなる可能性は非常に高い話しだからな。

 そりゃ、これ以上は…と言ってくるよね。

 でもね…君の困った顔の大きさは半端ないんだよ。

 これについては正直、断ることはできないな。


 だいたいからして問題は、適切な対応をしていない町長にあるとも言える。

 こちらは善意だからなぁ…。



「あ、それは大丈夫だから気にしないで下さい(キリッ)

 こっちにも色々事情があるので、乗りかかった船なので、

 最後までお手伝いしますよ」

「いえ…ですが…うちの父はこれで面倒な人なので、

 きっとアナタにも迷惑をおかけしてしまいますので…」


 出来た娘さんだな…父親…町長少し考えないとダメだろ…。

 大方相手のことが気に食わないとか、なんかその辺の理由なんだろうけど、

 器が小さいぞ?



「まぁせめて事情くらい聞きますよ、

 それでどうするか考える…それなら良いでしょ?(キラッ)」


「そこまで仰るのであれば…助けて頂いた縁もありますし…話くらいは…。

 実は私には好きな人が居ます。向こうも同じ気持ちと聞いているので、

 相思相愛というものです。ただ、相手はハナの町のひとではなく、

 お隣の町である、ウエキの町の人なんです…」


「リア充か…」


「え?今何か仰りましたか?」

「え?あぁ…気にしないで下さい。あぁ…なるほど…。

 確か、ハナの町と、ウエキの町は余り仲が良くないと…。

 あ、ごめんね、こんな話あれですよね…」


「いえ…お気になさらず…それは本当のことなので(苦笑)」



 そうかそうか…それで、町長としてはいくら娘が可愛くても、

 いやむしろ可愛いからこそダメなのか…。



「私たち若い人間からすれば、昔の確執なんてどうでもいいのです。

 むしろ未来のことを考えたならば、そう遠くない町同士仲良くした方が、

 余程、良いのではないかと我々は思っているのです」


「まぁそうだろうな…確かウエキの町は、

 本当に目と鼻の先にあるんだよね?」


「えぇ…普通に徒歩で行き来できます…

 勇者様の時代なら怪物や魔物もでて危なかったでしょうけど、

 今なら子供でも行って帰ってこれます…」


 おや…先程から…ちらちら影が増えてきているなぁ…。

 気づかれないように、地図画面を見ると、周囲に沢山のマーカーが、

 ついている…。んーおかしいなぁ…。


「あ、話の途中でゴメンね?ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」

「はい、なんでしょう?」


「マーガレットさんがね、家を出るとき誰かに見られた?」

「いえ?今日はいつも以上に完璧に見つからないで出てきました」


「その格好は、恐らくだけど、変装も兼ねているよね?」

「えぇ…」


「でも、さっきはみつかったんだよね?」

「はい…」


「んーおかしいんだよなぁ…」

「おかしいといいますと?」



 先程から地図画面が騒がしい…。

 なんとなくだけど囲まれたかなぁ…っていう感じだ。


 俺、自体結構な速度で逃げたんだよね…。

 なんなら地図を見て、一番見つかりにくそうなところを、

 ピックアップしたわけだ。


 だが、実際は明らかに遠巻きに囲まれている。

「あのですね…マーガレットさん、つかぬ事を聞きますが、

 お父様より、もしくはその関連の方より、

 コレは絶対に肌身離さず持っていさい、お守りのような物だからね…。

 とか言われて何か、もらったものを身に着けてません?」


「えぇ…父からもらったブローチなら確かに…持っていますが?」


 おうふ…なるほどね…わかったよ…。


「なるほどねぇ…それだね…マーガレットさんね、

 残念ながら俺たちは、もう、囲まれているみたいなんだよねぇ…」

「えぇぇ!何故ですか!?」


 あ,天然系天然系か…。


「うーん…それはここを何とかできたら、教えてあげるよ…っということで…」


 建物の少し先、不自然にモノがあるところがある。

 俺はそこを指でずばぁっと指して、隠れている人物に出てくる様に促す。



「はい、そこに隠れている、メガネのひと、どうぞ?」

「なぜ、わかったのだ小僧!!」


 建物の影から(不自然な)めがねをクイッとさせて、

 出てきたのは優男風のあの男だった…。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』56話です。

是非次もよろしくお願いします。


では、また次回で…。




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