ロートル作家は助けた子から事情を聞く 1
困っている人は助けないとね?
ロートル作家は助けた子から事情を聞く 1
「はいもういいですよ、目を開けてもOKです」
「あ、はい…」
見事なお姫様抱っこから無事に女の子を下ろして、
さしあげることとする。
「で…だ…君を連れて逃げてしまったわけなのだが…
どんな事情なのかな?もし俺でよければ力になるけど?」
「え…ですが…」
まぁ、そりゃそうだ、つい最近運命的な出会い(正面衝突でぶつかる)
をしたとはいえ、赤の他人。
一般的に考えるなら危険指数の高い状態だろ?
なので躊躇するのが正解なわけだ。だが、俺には、神様からもらった、
少しもてるという必殺技がある。逃がさない…(キラッ)
「あぁ…気にしないで下さい。人助けが俺の趣味なんですよ。
うちは代々、お節介が大好きなものだから…(キラッ…からのニコッ)」
さぁ神より賜りしこの力、避けられるものなら避けてみよぉおお…。
なんか悪役みたいだから、コレはやめておくか?
「くすっ…面白い人ですねあなたは(安心の笑顔)」
一瞬目を大きく丸くしていたが、俺の人畜無害微笑により、
女の子はくすくす笑いだす。
はい、つかみはOKです!
「あはは、でも本当人助け趣味は嘘じゃないんだよ?
だいたいこの町に来て会った初めての人が(門番は除く)、
正面衝突でぶつかってくるなんて、ただの運命じゃないでしょ?
あ、惚れるとかそういうのではなくね?
コレはもう縁があるとしか考えられないわけですよ」
「まぁ…そういう見方も確かにありますね…」
俺の人助けしたいアピールと裏表を見せない笑顔に押されて、
女の子はお願いをしてもいいのかな?という感じになってきている。
よし後一押しだ!
「まぁ、役に立つかどうかは別として、まぁまずは困っているのであれば、
その内容を話してみてはどうだろうか?
もしかしたらいいアイデアが浮かぶかもしれないよ?」
「うーん…でも…ごめ…」
「大丈夫ですよ!一切ご迷惑じゃありません(キリッ)
人助けは死んだ爺さんからの遺言で、我が家の家訓ですから」
さぁここでダメ押しを…。
「袖刷りあうのも他生の縁!モノはためしのお、
試しサイズです!さぁどうぞ!」
「あはは、強引な人ですねぇ(クスクス)。
助けてくれた恩人さんですし、じゃあお話だけなら…」
<ピロリロリン♪>
『謎の子と絆が結ばれました』
よっしゃあぁっ!何とか最初の関門を突破した。
後はゆっくり聞きながら、この女の子の悩みをどうにかするだけだ…。
大丈夫俺ならできる!
「実は…」
そういうと、女の子はゆっくりと話し始めた…。
いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。
『ロートル作家とおとぎの異世界』55話です。
ほそーくながーく、頑張っていますので、よろしくお願いします。
ではまた次回で…。
米




