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ロートル作家はハナの町に到着する

一郎さんと別れ、ハナの町で一人で頑張ります。

 ロートル作家はハナの町に到着する






 翌日は十時くらいまで、寝ていたらしい。


 一郎も七郎も、俺が出てくるまでは起こさないように、

 伝えておいたと教えてくれた。

 随分気を使わせてしまったなぁ…と思っていたら、

 一郎もなかなか起きてこれなかったらしい。

 途中で寝た七郎だけが良い頃合で起きたとか…。


 護衛の旅人である、カタルとリーフも護衛主が起きてこないので、

 そのまま近場で待機していたらしい。


 遅めの朝飯を皆でとり、『閉』テントを片付けて、いざ出発となったわけだ。

 ハナの町迄はざっと後、四~五時間ほどらしい。


 街道を歩く人の姿がだいぶ多くなった。

 道の具合も良くなり、歩きやすい。

 昼もだいぶ高くなった頃、少しは離れたところに、

 茨で囲まれた柵が見えてきた。



「ナガラ、あれがハナの町だよ」

「あれが…」



 感動に浸ろうとしたら、ステータス画面が強制的に開かれて、うるさくなる。

 どうやら、メッセージが入っているようだ。

 って今は見れないだろう…。

 空気を読め、女神様…。

 大丈夫か?神様、仲間の間で、『あの子、本当…空気読めないのよねぇ…』

 とか言われてないか?なんか妙な心配してしまうぞ俺は…。



「じゃぁそろそろお別れだね、とりあえず町の入り口で、

 衛兵さんにオージさんの書簡を見せれば、問題なく入れると思うからね?」

「はい!また是非どこか出会えたらその時は一緒に旅をしてやってください」


「こちらこそさ、また有意義な話をしようじゃないか」

「七郎さんもまた会えたら是非!」

「あ…、うん…わかった…」


「七郎の部下の話ついでに考えておいてね」

「それは…」

「はい!」

「あ…」



 一郎と七郎との別れを済ます。この二人とはまた会う気がする。

 だから絆をつくった。一郎への絆は随分高くなった。

 五十はなかなかだろうと思っている。

 七郎とも色々頑張って三十だ。見えない努力が身を結んだんだな…。

 感動も一入である。



「ナガラ!良い旅をな!」

「気をつけないとダメよ?危険には近づかないようにね」

「お二人もお元気で、またどこか旅の空で会ったらご教授願いますね」


 カタルとリーフは二人についていくわけだから、ここでお別れだよな。

 まぁお別れといっても、一日は一郎たちは商品の仕入れもあるため、

 同じ町にはいるらしいんだけどね。まぁそこはけじめだろうな。


 その後、門番にオージの書簡を見せて、中へ入れてもらう。



「旅に来た理由はなんだ?」

「世を広く渡り、見聞を広めるためです」



 そして書簡を見せ、にこっと笑う。



「そうか!若いのに偉いな!この書簡確かに、

ハジメ村のオージのものだな。分かった通ってよし!」

「ありがとうございます!」


「あ、少年よ!」

「はい?」


「花は好きか?」

「もちろん、大好きです!」


「良い滞在を!」


 グラッツェグラッツェとニコニコ笑顔を消さないように、門をくぐる。

 確かに一面が花、花、花、どこもかしこも花だらけだ。

 窓にも庭にも道の端にも花だ。まさにハナの町だ…。

 そして一郎からのアドバイスがすぐに生きた。

 一郎ありがとう!


 門番が奥へ引っ込んだのを見計らって、ちらっとステータス画面を見る。


 見た感じ今のところここには、俺しか居ない。

 誰か見ている様子もないようなので、ササっとマップを見てみる。

 以前のハジメ村と同じく、まだ建物の名前などは入っていないし、

 細かい内容ももちろんのっていない。

 マップにはハナの町と書かれている。

 今、俺がいるのは出入口の門のようだ、マップには案の定、

 困った顔のマークが沢山記されている。



「ん?なんだこれ…」



 ものすごい勢いでこちらへ向かってくる困った顔のマークがある。



「これ…なんだ?ってこっちきてる?!」



 やばい!避けないと…。あ、遅かった…目の前には既に人が居た…。

 ステータス画面に気を取られていて、気づかなかった…。

なので、精一杯声を出して止めてみることにした。



「危ない危ない!」

「ど…どいてくださいぃぃぃぃ」



 俺はその声の主と正面衝突をする。



「いてててて…」

「あぁ、申し訳ありません…でも、今は謝っている場合では…」



 急いで立ち去ろうとする相手。目は自分が今きた後ろの方をちらちら見ている。



「なに?なんか困ってるの??」



 顔のマークで分かってるんだが、一応聞く。



「え?!いや、でも見知らぬ方に助力を頼むのは…」

 おろおろしだす、相手…よく見れば城のワンピースに、

 金髪のふわふわロングの女の子だった。



「困っているなら力になるけど?」

「いや…でも…」


『そうですね…こちらも変な邪魔が入ると困るんですがね…』


 ん?何だこのインテリ優男風ヤクザは。



「あぁ…遅かったです…」

「さぁ…どうぞこちらへ…」



 よく見るとぶつかった女の子は男の方をみて、怯えている様に見える。

 男の方は、めがねをクイッとあげ、女の子の方へ手を差し出しながら、


「知らない方に迷惑をかけるのは、どうかと思いますよ…」


 やれやれといった感じで、面倒くさそうに言っている。


 あぁ…こりゃテンプレか…っということは…。

 俺はこの後、巻き込まれるであろう、面倒ごとが軽いことを願いながら、

 お役目だからな…と、二人の間に立つ事にした…。


いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』53話です。

ハナの町にようやく到着です。このあとどうなるんでしょうかねぇ…。

では次回にまた…。




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