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ロートル作家はハナサカの区画の話を聞く『商人区画』

情報収集パートです…。

だいぶ長くなっていますね…。

 ロートル作家はハナサカの区画の話を聞く『商人区画』






「商人の区画は文字通り、商人たちが店を出したり、取引をしたりしている区画。

 観光客の持っている証明書はここまではくることができるよ」



 あぁそのまんまかやっぱり。とはいえここでつまらない顔をするのもなんだから、少しあわせてみるか…。



「取引というと、その区画内だけでしか手に入らない物とかもあるんですか?」

「そうだね、ここの区画では安全に取引が出来るよう配慮されているので、

 まともな希少品などはここで取引されていたりするね」


 ほう…まともじゃないものもあるって言うことね…。

 ご禁制の品物ってヤツだろうか…それとも…。



「あ、まともじゃないものについては、ここでは触れないよ?」

「あはは、俺の顔は聞きたそうにしてました?」


「気になっている様子だったからね」

「まともじゃない段階で触れるつもりはないですよ」


「そうだね、その方がいいよ」



 まぁ…最悪どうしても必要になったら、その時は考えないといけないが、

 その時はその時だろう…。


「ちなみに、ここに僕らの拠点である、エツゴヤ商会本部(本店)もあるよ。

 この間、オージさんからナガラがもらったような、付与具もいくつかあるから、

 是非、都にきた際には顔を出してくれると嬉しいよ。

 その時は一郎の紹介できたといえば、話が楽に済むはずだよ。

 もちろん七郎の…でもいいけどね」


「一郎の名前が出るならそれでいい…はず」



 急に自分の名前が出て、慌てて一郎を立てるように七郎様が言う。



「じゃあその時は、二人の名前を出すことにしますね」

「いや…」

「あぁ、それはいいね。ソレはいいアイデアだよ」


 俺のグッドアイデアに七郎様が驚くが、一郎は面白そうに笑っている。


「食べ物も少しだけ変わっていたり、民の区画よりは豪勢だったりもするかな…。

 その分、値段は張るけどね」


「なるほどグルメなお客様もしっかり集客しているわけですか」

「そう、食は国境すら越えるといわれているからね」


 そういや、関西方面で餃子の何某とかいう店の宣伝でも言ってたな。

 食は万里をだっけか?そう考えればまぁそうだよな。


「まぁ商人区画に関しては、真新しい特別な話とかはないなぁ…。

 あぁ、でもナガラは人助けをしないといけないんだっけ?

 もしかしたら人助けの話はあるかもしれないね。

 猫の手でもいいから借りたいと、本気で言いながら、

 猫のケモノミミ族を雇っていた店もあったからなぁ…」


「文字通りなんですね、ただ…もしも、俺の予想が当たっていれば、

 性質も猫そのものの性質が濃いのならば、その猫のケモノミミ族達は、

 非常に飽きっぽいような気もするんですけどね」


「ははは、気づいたね?そうなんだよ、正直そっち方面はやっぱりね…、

 その代わり、飲食店に変えたらね、これが大当たりしたらしいんだよ」

「あぁ…なんとなくわかりました…」


 ガールズバーみたいなもんだろうなぁ…おさわりはダメよな。

 けっして猫カフェとは違うだろうな…本誌的には似ているのか?

 本能に忠実に相手を振り回しながら、人気を得ている猫のケモノミミ族の、

 女性が目に浮かぶよ…これで男性だったらどうしよう…。

「ははは、ならいっそ、羊のケモノミミ族の男性の、

 執事喫茶なんていいかもしれないですね」


 ふわっと浮かんだ光景を目に浮かべながら俺はくすくす笑ってしまう。

 羊の執事…駄洒落だな。


 スーツに良く似た執事服に身を包んだ、イケメンの羊のケモノミミ族の男性が、

 恭しくお辞儀をしながら、訪れた女性たちをエスコートする。

 もちろん提供するのはお茶とお菓子。アルコールなんてもってのほかだ。



『おかえりなさいませ、お嬢様』

『いってらっしゃいませ、お嬢様』



 あとは必要な言葉を喋る以外はニコニコしていればいい

 。客層がどうなるかわからないけど、受けると思うな。

 そんな光景を際止めに浮かべていると、ソレを聞いていた一郎が目を輝かせて、

 俺のその言葉をメモしていた。



「いいねぇ…ナガラ…そのアイデアもらってもいいかい?もし当たったら、

 ちゃんと御礼はするからね」

「一郎…目が怖い」



 食いつきの半端じゃない一郎を見て、七郎様は引き気味だ。



「いやいや、さすがはナガラだね。実に面白いよ!」

「お礼ですか、それは楽しみですね。

 あ、飲み物はお茶類だけに限りますよ?アルコールとか刺激の強いものは、

 一切合切ダメです。あくまで優雅に、貴族のソレも上級の貴族様のように、

 振舞うのが条件なんです。なんでしたら、衣装も用意したらいいと思います。

 ナリキリも大事な要素だと思うので…」


「なるほどなるほど…雰囲気を大切にするわけだね…。

 執事をつけて、ゆったりとした空気を味わうわけだ…」


 一郎のメモの速度が尋常じゃない速さだ。



「いやぁ…猫のケモノミミ族の店が大当たりしている友人が居たからね、

 こちらも是非何かで巻き返してやろうと思っていたのだけど…いいねぇ…」



 一郎の悪い部分の顔を見え隠れしているが、まぁ見ないふりも大事だよな。

 そういうの大事だよ。ただこのままだと、他の区画の話しが、

 聞けなくなりそうなので、とりあえずは話を元に戻すことにした。



「ははは、喜んでもらえて何よりです。ところで…他の区画の話も、

 是非聞かせてもらえますか?」

「あ、おお、ごめんごめん、そうだね…。

 いやぁ我ながら商売のアイデアの話ともなると、ついね…。

 そうそう、区画の話だね、いいよ、それじゃあ…次は裕福の区画か…」


 どうやら脱線していたルートは元に戻せたようだ。

 ただ、なんとなくだが…区画の話が一通り終わった後、

 また、この話に戻りそうな気がするのは俺の気のせいなんだろうか…。

いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』51話です。

少し前に利き腕の手首を傷めてしまい、少々執筆が大変になっています。

でもなんとか毎日更新できるように…がんばろう…。

では、また次回で…。



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