ロートル作家はハナサカの都の話を聞く
ハナサカとは、果たしてどんな所なのでしょうか。
とりあえず、まだまだ情報収集です。
ロートル作家はハナサカの都の話を聞く
お茶は美味い…。
さていよいよハナサカの都の事を聞くわけだが、
分かっているのは、ようは城がある、ピンクの花の咲く木がある。
どうも城にはおとぎ族が居るみたいだ。エツゴヤの本店?本拠地?がある。
この辺の町の何十倍も人が居る?
そこに行けばとりあえず、俺の旅も、
ひと段落はしそうだということ…くらいか?
「さて、お待ち鐘のなのかな?ハナサカの都の話だね?」
「はい、よろしくお願いします」
「そうだなぁ…まず、ハナサカは都だということからだね」
「都ということは?」
「この国の一番偉い人が住んでいる所ということになるね」
「そういえばこの国はここは王制ですか?」
「また難しい言葉を知っているんだね?!そうだなぁ…
王制というよりは王様がいる。政治は皆でやりましょうとなっているが、
正しいかな…。これは勇者様がそう言ったからなんだけどね」
なんだろうな…多数決とかで決めるのかな?
「ただ実際は少し違うかな…。もちろん最初のころはそうだったんだけどね。
その辺はもう少し後で話そうか」
王様はいるが王制じゃない?政治に関しては、皆でやろうということは、
王様は議長みたいな役割なのかな?実際は違うということは、
結局強い権力を、今は王様が持っているし行使しているということかな?
「さて、何個かある町は、それぞれ村長や町長が代理人として、
治めているわけだ。それで定期的に、ハナサカへと報告や、
税金を納めたりしているわけなのさ。
税率に関しては、都から来る、それぞれの公務官が、
村や町の状況を確認をして決めているんだよ」
「え?っということはその公務官によって、
全部決められてしまうということですか?
それはちょっと…危険な気がしますね…」
正直今の話はかなり危ない。
公務官も人なわけだから、ここで機嫌を損ねればきっと、
不利にされる気がするんだよな。
っということは、汚職っぽいことになりやすいと思うんだよな…。
ほら、良く話に出てくるだろ?悪徳何某って奴だな。
「そうだね、本当にナガラは頭がいいね、回転も速い。
本当その年で、たいしたものだ!
もちろんそういう話が、全くないわけではないんだが、
昔そういう話が出たときに、ずいぶん昔の話だけどね、
ポチ様は大変お嘆きになってね…ソレから先は、ポチ様が認めるものしか、
公務官にはなれなくなったんだよ」
「へぇ…そのポチ様という方が、今の王様にあたるんですか?」
「んー、そこはね…当たっているともいえるし、当たってないともいえるね。
ポチ様がいらっしゃったのは100年近く前だからね。
今の王族はその血筋にあたる方々だと聞いているよ」
ん?聞いている?一郎さんでも細かいところは知らないのか?
いや…まぁ王族の話を細かく知っている商人だとして、
それを俺に洗いざらい言うわけ無いか…。
ちょっとこっちから、アプローチをかけてみるか。
「ん?聞いているということは、実際はどうか分からない部分が、
あるとかですか?それに方々という事は、血筋はいくつかあるということですね?
継ぐ為には、恐らく何かしらの資格か、何かに認められることが条件そうですね?」
俺がいくつかあげていくと、それを聞いている一郎さんの顔が、
一瞬険しくなる。あ、つっこみすぎたか?
「あ、言っておきますが、あくまでこれは予想で想像ですからね?
俺はハナサカのことは良く知りませんし、
この頭の回転力も、正直なところ神様からの加護のようなものですから、
そんなに警戒しないで下さいよ。そんな顔して見られたら困りますよ」
「あ、すまないすまない。そうか!そういえば、
ナガラは神託を受けているのだったね。すっかり忘れていたよ、申し訳ない。
しかしすごいな…まるで、どこかで、見てきたような予想だったので、
一瞬、実は王家の関係者なんじゃないか?と少し思ってしまったよ。
こっちこそ逆に驚かさないで欲しいな」
「ははは、よしてください。俺はただの旅人ですよ。
ただちょっと、神様に好かれているというだけです。
権力だの、王様だのには正直興味は無いですね。
あぁでも、その優しそうなポチ様?には興味はありますけどね」
肩を竦めて俺は、少し大げさに嫌そうな顔をしてたりと、軽い百面相をする。
相手がこちらを怖いと感じるのは、こちらが相手にとって、
何者なのかが分からないから、情報が乏しいままだと、
勝手な解釈や思い込み先入観で、こちらの印象が形作られてしまう。
そのまま放っておけば、こちらにとって良い状態ではないだろうしな…。
ここは、スマイルスマイルだよな…スマイルは大事だよ、うん。
「まぁ…。僕も言える事と言えない事もあるからね、
そこはカンベンしてくれると助かるよ。
それに、こういうことは外で警戒もせずに話すことでもないしね」
一郎の顔の険しさが取れ、いつもの笑顔に戻っていく。
何なら少し申し訳なさそうにされた。
な?加護、それと神様、この二つのキーワードはなんだかんだ、
万国共通なもんなんだよ。
これである程度までなら本気を出せるな。
こちとらロートルとはいえ、一応作家の端くれだからね。
ある程度聞けば予想もつくものさ。
「ポチ様については、ハナサカにポチ様の偉業を称える、
館があるからそこで観てみるといいよ。
ポチ様は勇者様とこの世界を平和にした一人だからね」
「そういうものがあるんですね…。
え?ポチ様は勇者様の従者、仲間だったんですか??」
「そうだよ?ほら、犬のケモミミ族の従者が居たと、
物語にも出てくるだろ?」
「あ、いや…まだその物語きちんと読めていないんですよ」
「あぁそうだったか…さすがにここで物語を全部披露してたら、
時間が足りないからね…そのへんはハナの町とかでも手に入る本だから、
自分で読んでくれると助かるし、この世界では基本知識みたいなものだから、
便利だと思うよ」
「はい、じゃあ手に入れて読んでみますね」
「うん、それがいいよ。さて次は概観の話だね。
それに中が区分けされているので、旅で寄るなら注意しないといけないからね。
その辺りの話をしようか…」
区分け?いける範囲が決まっているということか?
なんか、さっきから聞いていると、ポチ様が居た頃と今とでは、
ずいぶん変わってしまっているようだ。
何か聞いている感じだと、ポチ様はそういうのを、
すごく嫌いそうな気がするんだけどな…。
まぁ、今は今ということかも知れないしな。
ここもしっかり聞いておくことにするかな…。
いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。
『ロートル作家とおとぎの異世界』48話です。
まだあと少しは情報収集パートになります。
次回もまたよろしくお願いします。
米




