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ロートル作家はオージとこの周辺について話す

観光ガイドブックがなければ、世界のことは誰かに聞いた方が早い。

もちろん嘘も混ざるかもしれませんが、何もないよりはましでしょう。

  ロートル作家はオージとこの周辺について話す






「ふん、そこにでも座るといい…」



 テーブルが一つ、横にベッド、脳筋かと思っていたら本棚もしっかりある。

 壁には大きな地図が貼ってある。



「この地図は…」

「この世界の地図じゃ…」



 コレはこの世界なのか…どうやらこの世界は群島みたいだ。

 4つの島のまた中に、4つの島があって、その真ん中に城がある。


「ん?疑っておるのか?コレは正真正銘わしが若い頃に旅をして、

 得たものだから本物じゃ!」

「えぇ?!旅をしていた??」

「あぁ、その通りじゃ!まぁあまり詳しいことは言えぬのだが、

 実際にわしが訪れたことがある所だからの」


 驚いた…オージは昔旅をしていたらしい。



「まぁわしも旅人じゃったからな…」



 地図の横にある、一振りの剣を見て目を細めて、

 昔を思い返しているようにする。

 まぁ只者じゃないないだろうなぁ…とは、

 思っていたがまさかね…いやぁ…驚いたよ…。



 オージの話は女神様の話を少し縮小したような話だった。


 オージはとりあえずハナサカという、この村のある国の話からはじめた。




 ハナサカ…首都、ハナサカ、他に有名なのはハナの町、ウエキの町、

 色々あって。ここハジメ村




 ハジメ村は勇者が降り立った、もしくは最初に訪れて、

 最後に寄った村として有名。

 まだ何も知らなかった勇者に、この国のことや当時の情勢、

 寝床や食事を提供したといわれている。


 お礼として、見たこともない、植物の種や風呂もそう、その他の文化、

 あと健康法などを教えたらしい。これは恐らくあのラジオ体操のことだろう…。


 名前に関しては勇者が適当に言っていたようだ。なので、英語だの、

 名前の逆さ読みだの色々混ざっているようだ。


 ハジメ村から道成に真っ直ぐ行くと、街道に出る。

 その街道を更に先まで行くと、ハナの町。

 ハナの町を越えるとウエキの町となり、大きな川とが見えてきたら、

 それを渡った先の、 大きく高い壁の向こう、そこがハナサカ。

 ハナサカの中に入った後、十字路を真っ直ぐ行くと聖域。

 東西に行くと別の国へと行けるらしい。


 ただ一人で行くには少々遠いだろうし、そういうときは行商人たちと行けば、

 馬車もあるし、お金はかかるが安全に行けるそうだ。


 そういえば、女神に渡された袋の中に、この世界の貨幣なのかは知らないが、

 綺麗な、おはじきみたいな石が袋の中に入っている。



「オージさん…ちなみに聞きたいのですが、コレは、町でも使えますか?」

「ん?あぁ、それは共通通貨と言われているものじゃな」

「共通通貨?」


「そうじゃ、ようはどこの国でもどの町でも、この世界でなら使えると、

 約束されているものじゃな」

「なるほど…」


「この金色の線の入っているものが、金線。それでこの銀色のものが、銀線。

 最後にこの銅色のものが、銅線じゃな銅線の下には青線というものもあるの」



 色々聞いてみると恐らく、金線は1万円、銀線は千円、銅線は百円

 青線は十円というところだろうか…。他に大金線といって、

 商人くらいしか使わないが、十万円に相当するものもあるということだ。


 俺の渡されていたのは、金線5枚、銀線40枚、銅線80枚、が入っていた。

 恐らく銀線5枚くらいで次の町までは連れて行ってくれるだろうということだ。


「そうそう、ナガラお主は、あまりこの国のことや、

 世界のことを知らないようじゃの…。

 なら折角だから、世界のことはその目で見て、耳で聞いて、

 肌で感じてくればよかろう。 まぁ、どこに行っても聞けるだろうが、

 とりあえずは勇者様の話をしておくかの」


 勇者は『ハナサカ』のポチと『マサカリ』のクマ、

『タロウ』のモモと『タケトリ』のカグヤで、世界を救うために、

 大鬼を退治に出かけた。


 ポチは正直者で植物を操ることができる。

 クマは地面を揺らしたり怒らせたりすることができる。

 モモはお供の三匹のちからを纏うころのできる剣の達人

 カグヤは怪我を治す力を持ち、頭がよく美人。

 この四人のお供と鬼が島へと向かう。


 鬼は勇者を見て、戦いを挑むが、勇者自身も、

 伝説の装備を手に入れており、強かった。


 勇者はあと最後の一撃というところで、

 鬼に逃げられそうになるのだが、皆の持っていた、

 勾玉が光って要石となって大鬼を留める。


 その後は、体を5つに分けてそれぞれの聖域に、

 封印したという話だった。


 島四つだがな…アレか真ん中の城も数に入ってるのか??

 どうも勇者様は本当に居て、中々大層な事をしたらしい。



 その後、勇者は、ハジメの村に訪れると暫く過ごした後、

 山へ向かうと姿を消した。

 神様の国に帰ったのではないか?と言われているというところから、

 勇者はやはり転移者で、恐らく元の世界に帰ったんだろうな。


 俺もそうなって最終的には帰らないとな…。鬼担当が待ってるからなぁ…。

 あぁ、怖い怖い…。



「んー、勇者様って本当に居たということ?」

「ああ、おったよ…それに昔は魔物も普通に出ておった…」


「へぇ…」

「信じられぬのも無理はないが、事実じゃからの…。

 今は本当に平和な世界になったものじゃよ。勇者様には感謝しても仕切れぬわ」



 なにやらオージは昔を懐かしむよういに、優しくちょっと寂しそうな、

 遠い目をして話す。



「まぁそんなものかの…。ほれ、コレは地図の写しじゃ、コレだけでも、

 結構な価値のものじゃが、お主にくれてやるわい」

「え??いいの??」

「ふん、いらぬのなら返してもらうが?」

「いやいやいや…要りますよ、ええ本当に必要です」

「ふん!ほれ、わしの用はここまでじゃ…ユーリが待っているだろうから、

 はよ行ってやれ…ほれ、これも忘れぬようにな」


 用は終わったとばかりに、机の上の共通通貨を袋に入れて、

 こちらへ投げてくる。

「おっととと…。オージさんありがとう!勉強になりました!」


 俺は素直に頭を下げて礼を言って、オージの部屋を後にした。

 さて…居間でユーリが待っているか…どうしたものかな…。

いつもご覧になって頂き、ありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』32話です。

次回もよろしくお願いします。



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