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ロートル作家はひとっ風呂浴びる

お風呂はいいですねぇ…子供のころはお風呂のない家も多く、

良く銭湯に行ってました。そういえば女湯に入らなくなったのは、

同級生の女の子とばったり会ってからでしたね。


あぁいけないんだな…となんとなく思ったからでしたが…。

 ロートル作家はひとっ風呂浴びる






 風呂場は子供が数人で入っても十分な広さがある。

 湯船も大きめに作られていて、手前が洗い場、その奥に湯船がある。

 洗い場にはカランの様な物があり、左右それぞれ、

 押すとお湯と水が出るようになっている。


 ちなみに、桶は木製なのだが、何故か焼印でケロ○ンと書いてあった。

 勇者は遊び心満載だったのだろうか…。

 あ、あと良く銭湯においてある、あの椅子もあったな。


 脱衣所は湯船のある所とは別に設けてあり、二人に両脇をホールドされ、

 連れて行かれたかと思えば、そこからは自由に行動し始め、

 すぐに二人は服を脱いで、お風呂場へ駆け出して行く。



「あ、おい!転ぶなよ!」

「「平気平気!!」」



 本来の年齢のせいもある為だろうか、つい口調が強くなってしまった。

 それに対して二人は、別段気にする様子もなく、こちらを向いて手を振って、

 そのまま洗い場へ入っていった。


 本当に転びそうになったら、二人の事を、

 流石に全力で助けないとな…などと考えていると、

 二人は転ばずに無事に洗い場に到着したようだ。


 自分も服を脱いで、脱衣所に置いてあった、洗面道具を持つと風呂場へと向った。

 洗面道具の中身は、タオル、石鹸、恐らくシャンプー?が用意されていた。

 シャンプーって…どうやって考えたんだろうか…。

 これも勇者様関連だろうか…。


 風呂場に入ると、二人は既に頭を泡だらけにしており、

 髪形を変えるように伸ばしたり、尖らせたりして楽しんでいる。

 あぁ、やったなー…昔…ふと幼い頃の事が浮かぶ。

 無邪気は癒しだな…うん。


 二人の横に俺も座り、カランからお湯と水を交互に出して、

 丁度良い温度にしてから体にかける。



「ふぃー…」

「「ふぃー」」



 思わず声が漏れる。


 それを見ていた二人が頭を泡だらけのまま、体に同じように、

 体にお湯をかけて真似をする。

 俺は思わずおかしくなって、笑った後二人の頭の泡を流してやり、

 自分も体を頭と体を洗って、湯船へと向う。



「お兄ちゃん、お話しお話」

「お話し、お話し…お約束した」



 エルルとイルクが湯船に入っていると、先ほどの約束を思い出したのか

 俺にせがんでくる。風呂に入りながら簡単に話せる話か…。

 何がいいだろうな…。

 そうだ…御伽噺の国なのだろう?

 なら、そこは逆に止めておいた方がいいわけだ。

 万が一どこぞの勇者様の話と被ったら面倒くさくなる。

 それなら童話の方ならどうだ?恐らくそれなら、流石に被らないで済むだろう。


 そう、考えた俺は、少々大げさにした『あかずきん』を話すことにした。

 盛り上げたり脚色したりした俺の話は、二人には大好評だった。


 特に、本来猟師が普通に助けてくれて終わる話なのだが、

 大ボスの狼に、奪われ腹に収められた、おばあさんを助けるため、

 あかずきんと、イケメン猟師がタッグを組む。

 頭巾と不思議なポンチョを身に着けたあかずきんは、

 狼の手下である魔物をバッタバッタと倒していく。

 やがて、二人は大ボス狼の洞窟に到着し、

 最後はまだ消化されずに生き残っていた、おばあさんを助け、

 大ボス狼の腹に誘導式爆弾を詰め込み、

 三人が洞窟から離れた頃を見計らって、洞窟ごと爆破!


 めでたしめでたしというわけだ。


 ちなみに猟師はイケメンで、実は領主の息子で、領主の家に伝わる魔法の銃を持ち、

 あかずきんをサポートしていた。

 最後は告白をあかずきんにするも、まだ恋愛には興味はないと一蹴されて、終わる。

 この辺はギャグ要素を入れておいた。


「あかずきん強い!」

「イケメン猟師の武器スゴイ!!」


 少々長湯になったが、二人は大感激していた。

 今度ごっこ遊びで、イルクはあかずきんを、エルルは猟師をやると言い出し、

 お前ら?それは逆じゃないのか?まさか、イルクは男の娘属性か…?

 と、ちょっと心配になったのは別の話だ。


 風呂を出ると洗い場には、何時の間にか来ていたのだろうか、

 メイリさんが三人分の着替えを置いてくれていたようだ。

 二人はまだ俺の話に興奮冷めやらぬ感じであったが、とりあえず、

 居間へと戻ることにした。

いつもご覧になって頂き誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』30話になります。

思えば遠くに来たものです…30日連続更新…。

このままいければいいんですけどね…。

では、また次回で会いましょう。



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