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 ロートル作家は再び本婆の家へ行く

実にこの作品は数十文年ぶりの作品になるのですが、皆様にはどう映っているのでしょうか。

気にかかるところです。

子供の頃図書館に良く通っており、その時に図書館を見たときは、不思議というよりは、

少し怖いなぁと思ったものです。

 ロートル作家は再び本婆の家へ行く





 この間と同じように、その家はそこにあった。

 この村になら、どこにでも在りそうな小さな家で、

 畑と畑の間にある、道の先にその家はある。



「あぁ、あったあった!」



 この家に近づくにつれ、いつもと違う感覚に少しなるのは何故だろう。

 一つしかないドアには、綺麗な青い鳥の羽が飾られている。

 扉の前に立ち、ドアをノックしようと手を出したら、声をかけられた。



「何様か?」



 おや?と思い、誰か居るのか?と、周りを探すが誰もいない。

 畑で作物がちょっと風に揺れているくらいしか見えない。

 空耳か?

 おかしいと思うも、もうう一度ノックをしようとしてみる。



「お主、聞こえぬのか?!だから何様か?と聞いているのだ」



 ん?声は前から聞こえる。俺の前だ…俺の前は扉だが?



「何様かと聞かれても困る。むしろ俺がここの主に呼ばれたのだが?」

「ん?そうか主に呼ばれているのか?どれ、少し調べさせてもらうぞ?」



 声はやはり目の前から聞こえていた。俺が訝しげに扉を見ていると。

 突然、扉に老人の顔が現れる。

 口から大きな舌が出てきて、俺は顔を思いっきり舐められた。

 下は本当に大きく、喰われるんじゃないかと、一瞬だけ思ったほどだ。



「うぉっぷ、何すんだこいつ!」



 あまりのことに驚いて動けずに悪態をつく。



「ん?何…気にするな…ほうほう…そうかそうか…お主が、

 ナガラという者か?」

「ん?確かにナガラは俺の名前だが…お前は何なんだ?」



 周囲に人がいないせいもあるのか、この気持ちの悪い状況に、

 イラッとしたせいか、つい口調が強く、荒くなってしまう。


「はっはっは、そう気分を害するな。お主がナガラであるのであれば

 、この先に行くが良い。もしも嘘をついているのであれば、

 中へは入れまいからな」


 扉の老人はそういうと奥へと消えていき、入り口の扉が静かに開いた。


 扉をくぐると、何か気持ちの悪い感じがした。なんだろう…

 体中を隅々まで一気に調べ上げられたような。


 そして、何かふわっとした気がしたかと思うと、俺は家の中にいた。

 家の中?まぁそうなのだろう。


 家の中は、外観とはまるっきり違っていた。

 手が届かないほどの高さの天井…。

 幾つあるか、分からないほどの数の本棚。

 本棚の先に、また本棚があり、先はちょっと見えない。


 俺がいるのは、入り口に、あたるのだろうか…。

 こちらから見て、右少し奥にはカウンターがあり、

 何だか観たことのない生き物?…がいる。


 そうだな…例えるなら、細い藁の人形みたいなものが、

 カウンタの中でワラワラと何かをしている。


 あまりの光景に、ボーっとしていると、

 俺の腕に何かが触れてきて、 チョイチョイっとやってくる。


 おや?と思い目をやるとそこには、司書と書かれた、

 プレートをつけた兎のぬいぐるみが居た。


「わぁっ!お前、何?」


 兎のぬいぐるみはこちらを見て、やれやれ…といったポーズをとると、

 もう一度、俺の腕を軽く引っ張ると、すぐそばの椅子へ座るように、

 指のない丸いままの手で示す。実にファンシーな光景だ。



「座れというのか?…」



 兎のぬいぐるみは、コキュコキュっという音を出しながら何度か頷く。

 とりあえず敵意はなさそうだし…まぁ、いいか…と席に着く。


 席に着くと、どこからか手紙を一通渡してくる



「読めってことか?」



 手紙を開けた途端にテレポートとかないだろうな?

 あと、封筒開けたら毒が吹き出すとかないよな?

 まぁ…あのですぅのドルシーさんがそこまではしないかな…

 わからないけどな。


 手紙を開けようと、封筒に強く触れた瞬間に、

 ポンという音とともに封筒は一瞬煙に包まれた。


 うおっ!なんだこれ!やっぱ危ないよ本当。


 煙は次第に収まり、煙のあったところに『再生』という文字が、

 現れていた。



「ん?まさか…」



 兎のぬいぐるみの司書…長くて面倒だから、うさ司書にしよう。

 うさ司書が文字のあるあたりをトントンしている。


「触ればいいのか?」

「コキュコキュ」


 俺が『再生』に触れると、キュルルルルルルという音とともに、

 ドルシーの声が聞こえてきた。

いつもご覧になって頂き、ありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』25話です。

よろしくお願いします。



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