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ロートル作家は褒める

子供のダイブは、結構、危険性の高いものだと記憶している。

当たり所が悪ければ悶絶必死もありうる。相対したときは十分に気をつけなければいけません。

ロートル作家は褒める





朝飯を食べ終わり、人心地ついた頃。

ユーリに頼んで村を案内してもらうことにした。

ここに着たばかりの時に着ていた服は、意外にファンタジーっぽい格好だった。

皮の胸当てに、同じ様に獣の皮で作られたズボン。頭には皮製の帽子、

腰には短剣っぽいものがあるが、殺傷能力はそこまでなさそうだ。

あくまで、作業用がメインといった感じだ。

それに、例のトンでもボックスの入った、肩掛けのかばん。

あの、女神様が言うには、俺以外には、開けられないらしい。

正直カタチを持たせているだけなので、イメージが出来れば、

何もない状態でもものは出せるとか、説明に書いてあった。


一応ステータス画面を開き、地図を出しておく。

色々試しているときに、思いついていたのだが、

画面は、どうやら任意の大きさに出来るようだ。

地図でざっと困った顔のマークを見ておく。



「コレは便利だな…」



折角なので、軽くベッドの布団などを直して、

ユーリの待つ玄関まで急いでいった。



「「やーだ…一緒に行きたいー」」

「だめだってば…これからお姉ちゃんとナガラと2人で、

村を歩くんだから…」



どうやら、二人は俺とユーリの様子を見ていて、

どこかに行くと感じ取ったのだろう。

一緒に生きたいと駄々をこねているようだ。

ユーリは玄関先で一緒に行きたがる妹と弟に、留守番をするように言っている。

それを眺めている屋敷の玄関から出てきた俺を見つけたようだ。



「あ、ナガラのお兄ちゃん!」



エルルがユーリの脇を抜けて、走ってきていい角度でダイブしてくる。



「おっと、ととと」



なかなかの勢いで素敵なダイブをかましてくるので、慌てて抱きとめる。

正直俺のステータスからしたら溶融なんだが、怪我でもさせたらまずいだろ?



「ボクもー」



ズルいぞ!と、ばかりに弟のイルクも突っ込んでくる。

そしてコレも結構いい角度だ、

中々の凶悪さだったが、あっさりキャッチしておく。



「あぁ!二人ともずる…いや、ダメでしょナガラに迷惑になるでしょ!」



まさかと思うが…ユーリ?突っ込んでくる気では、なかったのだよね?

まさかな…。まぁとりあえず気にしないで下さいと手を振っておく。



「ねぇ…ナガラのお兄ちゃん…?エルルも一緒に言っちゃダメ?」



いわゆるショートボブの髪型に大きな瞳。

ひざ下くらいの薄いパステル調の青色のスカート。

上は淡い桜色のチュニックを着ている。

ありていに言えばこの子も、十分に美少女だろうな。

相違や年齢聞いてなかったな…6歳とか7歳くらいだろうか…。


その子が上目遣いで、顔の前で手を組んで、

首を少しかしげて、お願いをしてきている。

もう、コレが好きな世界の人にとっては、

きっとたまらない光景だろうな。


まぁ残念ながら俺はそっちの世界の住人ではないがな。



「あ!ボクも、ボクも…ナガラのお兄ちゃん!お願いします!」



こちらは、弟のイルク。

耳を出すように、切りそろえられたフワッとした髪。

男の子というよりは、男の娘のような可愛い顔立ちをしている。

少し華奢な体つきは、お姉さん方の、守ってあげたい気持ちを

十分に発揮させそうだ。


七分丈のズボンに、一般的な木綿のような素材の青系の色のシャツ。

その上から何かの皮なのだろうか、緑色のベストを着ている

イルクも妹と同じ様に、上目遣いでこちらを見て、お願いをしてきている。

コレもその手の世界の方には、やはりご馳走だろう…な…。


あぁ、先に言っておくが、こちらの属性もないぞ。



「イルクまで…」



ユーリは少し困ったように、2人を見ている。



「ははは、いいじゃないですか。折角だからみんなで…ね」

「でも…邪魔になりませんか?」

「いえいえ、折角だから色々二人にも教えてもらいたいですし」

「そう…?ナガラがそういうのなら…」



おや…少し残念そうだな…これは絆の方に影響が出てしまうのだろうか…。

少し褒めておくか…。



「いやぁ、それにしても二人もセンスのいいけど、ユーリも素敵だね!」

「え?」



よしよし、食いついてきたな…。






「いやぁ、素敵だなって、アレ?嫌だった?嫌だったらゴメンね」

「嫌なんてそんな!」


「そのチュニックは、あの山から見えた花の色と同じで、

とても綺麗だよ。胸元の花柄のブローチも素朴で俺は好きだな…。

あとは案内して、動きまわることも想定してるのかな?

色々配慮があっていいね!うん!全体的に素敵だと思うよ」

「あ…ありがとう…っ」






顔を恥ずかしいのか、真っ赤にして喜んでくれている。

言っておくが、別にお世辞だけを並べたつもりはないぞ。

実際素朴で爽やかだな、と思ったのは本当のことだ。


さて一通り褒め終わったところで、ようやく、

村の案内を受けられることとなったようだ。

いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』20話となります。

ようやく、人助け開始です。この後前の話に少し追加したりなどするかもしれません。

よろしければ読み直しなど頂ければ幸いです。


感想とこの下にある、評価を是非お願いします。

あと誤字脱字もよろしくお願いします。

ではまた。次回で…。




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