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ロートル作家は悩む

若いころは湯水のようにネタが湧き上がってくるものです。

年を食っても経験で何とかなるとか言うものですが、いやはやどうして…

若さっていいですね…。


 ロートル作家は悩む






「あ~死にたい…死んで異世界行きたい」







 俺はとにかく無性に叫びたくなり、そんな事を

 恥ずかしげもなく叫んでいた。


 目は若干うつろ、少しお座成りに伸ばしたままの髪。

 最近少し白髪も混ざってきた気がする。

 老化というのは誰にも平等に訪れるものなのだな。


 服装は、近くにあるスーパーで買っている。

 ここは洋服等も売っていてお安いので重宝している。

 いまの俺はそこで買ったTシャツに、 チノパンという格好だ。

 正直オシャレからは、大分遠くに身を置いている。

 服に金を使うくらいなら、本に金を使いたいからなんだがな。

 今迄お月明日ことが何度かあるのだが、

 そちらの女性方には、なかなかご理解いただけないことも多く、

 俺としては悲しいものだ。


 住居兼、作業場として借りているのは1DKの部屋、

 15階建ての12階。

 本当は最上階に住みたかったんだけどな。

 残念ながら空いてなかったので、いまの部屋にした。

 荷物は意外に少なく、必要最低の物だけが置いてある。


 その部屋中に恥ずかしい願望がこだまする。

 お隣さんには大変申し訳ないのだが、

 もうこれが包み隠さない、自分の願望なのだから仕方ない。

 諦めていただきたいところだ。


 さて…自己紹介が遅れたな。

 俺の名前は『高山・宏一』という。

 携帯小説サイトで 齢15にして、満場一致、難関不落のPV数を誇っていた。

 処女作はコミック化、アニメ化、売れた部数はん十万部という。

 かつて超売れっ子作家…だった奴だ…。

 まぁ…あれだ…だったな…だ、わかるだろ?


 どっかの誰かが言っていたな…。

 1回売れるのは誰にでもチャンスはあるものだ、問題は2回目だと。

 ああ、そうさ俺は1回だけの一発屋だよ。

 今はそのときの残りかすで何とか凌いでいる。

 しかも40過ぎの泣かず飛ばすのロートル作家としてな。



「あ~もう本当お願いします。ドウカカミサマ~ワタシを

 異世界へツレテッテ…」



 さて現実は甘くない。

 まぁダメ作家といえど、多少の仕事はあるもので、今日はその仕事の締め切りの日だ。

 締め切りは悪魔の日。いっそこの身を捧げてどうにかなるものならば、

 どうにかして欲しいくらいだ。


<<ブブブブ…>>


 さっきから振動するたびにスマホに名前が出ている。

 もう何回目だろうか…。


 出ている名前は『担当』この世界で2番目か3番目には怖い単語だ。

 ちなみに、1番目は『没』で2番目は『締め切り』であることは確定している。

 いや『SHIMEKIRI』は悪魔の言葉だから1番か?


 怖いから出ない…出たくない…嫌です。

 そしていつものパターン通りなら、そろそろあのお方がやってくるはずだ。


<<ドンドンドンドンドンドン>>


 ああ、チャイム鳴らないようにしましたものね…。


<<ガチャガチャガチャ…カチャ>>


 鍵閉めてありますよ?ん?


 やがて、閉めているはずの鍵が開くと、それは名状しがたき顔で現れた…。

更新頻度はそれほど高くはないかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

誤字脱字、おや?と思うようなところがありましたら感想欄にお願いします。


慣れないのでちょこちょこ書き直したりしてます。

数字の部分修正しました。

主人公の格好などの描写を少し増やしました。

少し表現を変えたり、数字を全てアラビア表記にしたりしてみました。

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