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ロートル作家は村長に歓迎された?

可愛い子には強いジジーです。

孫が嫁に行くまでは死ねない!そんな決心がにじみ出ています。

それが爺道!なんてことを考えながら、睡眠不足と戦っています。

 ロートル作家は村長に歓迎された?






 ん?今なんか一瞬…、出てた気がするな…。

 なんだろな…、後で確認しよう…うん。



「まさかの展開に俺はビックリダヨ!」

「あはは、ごめんなさい。すっかり言っている、つもりだったみたい」



 ユーリは屋敷の入り口のドアノブに手をかけて言う。


 屋敷の大きさは、この村で一般的な家の大きさに例えるなら、

 だいたい3倍くらいだろうか。


 入り口となるドアは屋敷の真ん中くらいにあって、

 左右対称で左右にそれぞれ部屋6つ分くらいかな? 

 屋敷の横には馬小屋もあって、馬がたまにこっちをチラ見してくる。



「他の家に比べるとやはりかなり大きいね」

「おじいちゃんの家というより、お父さんにお母さん、

 それに弟2人、みんなで住んでいるからなのよ。

 言うほど広くは無いと思うわ」



 ユーリは肩を少し竦めながら、でも嬉しそうに言っている。

 やっぱ嬉しかったのかな?家を褒められたのは。



「お爺様、ただいまー」



 暫くすると、屋敷の奥の方から、落ち着いた感じの、

 年配の男性の声が聞こえてくる。



「ユーリかい?今行くからちょっと待っておれ…」



 そして奥から出てきたのは、モノクルをかけた筋骨隆々の

 今でも、熊くらいには余裕で勝てそうな、じーさんだった。

 あ、これ落ち着いてるんじゃないわ…闘気吐き出しそうだもの。



「おや?そこの男の子はユーリのボーイフレンドかい?」

「ちょ…ちょっとお爺様…?!いや…そういうのではなく…。

 ないってわけでもなく…?!そうではなく…」





「ん?本当にボーイフレンドなのかのぉ…(ギラッ)」





 あ、ほら、ほらユーリ?!お爺様が、目の奥から、殺気にも似た、

 強い光を放ってます…よ?! 


 口元に良く見ると、シュゥウとでもいいそうな、白いものが出てますよ。

 殺気も感じるしな…あぁ、このじーさんヤバイやつだな…。


「あ、はじめまして!俺…いや、私は旅をしているナガラといいます。

 ユーリさんとは、ほんの先ほど、山で知り合ったばかりです(キリッ)」






「ほう…山で何をしておったんじゃろうかの?」






「お爺さま…私は薬草を取りに行っていて、たまたま、

 ナガラ…さ・ん・が、大いのししに教われそうだったところを、

 助けて下さっただけです!」



「ほう?助けた?この…ん…?!見た目細っこいのがか?」



 じーさん本気モードで絡んでこられますか…。

 まさか色々ありましたが、結局、空想術で何とかしました!とか、

 言うわけにもいかないよな…。

 この術、ここ来てから村で使ってる人全く見てないしな。

 俺がどうしたものか…と悩んでいると、ユーリが助け舟を入れる。




「そ…、そうよ、お爺様!こちらのナガラさんに、

 大いのししに襲われていたところを助けてもらったの!命の恩人なの!」




「ほう…大いのししに…な…。ふむ…まぁ良いわ!」




 俺のことを上から下までじっくりチェックしたあと、

 スタジオへお返しくださることもなく、じーさんチェックが終わると、

 俺のだいぶ、小さくなった肩を、思いっきりバンバンやって、

 何かを確かめられたみたいだ。



「それほど強そうには見えないのじゃがな…」


 イマノで何かわかりましたか?俺わかりませんが…。


「もう!お爺様!助けてもらったのは事実ですよ!」

「おお、そうかそうか…すまなかったのぉ『ナガラさん』といったかのぉ…。

 すまんの、ユーリはホレ、わしの娘に似て器量が良いからのぉ…」

「ははは…そうですね…(ユーリの母親まだ見てないけどな!)」

「変な虫でもついたのであれば、即、こ…いや…、

 任せるに値するか、試さないといかんからのぉ…。

 まぁすまんかったの!」


 ヤベエヨこのじじー…今、完全に殺すって言おうとしただろ…。孫スキーか…?

 いやまぁ爺バカ万歳なわけだ…本当危ねぇよ…。

 そもそも、このジジーいくつなんだ?普通に殺気出すなよな…!


「やだわ、お爺様?変な虫なんてこの辺りは居ないでしょ?

 あ、でも…さっき、ナガラ…さんも虫がいたって言ってたから、

 いるのかも?!それで何の虫?」


 うん、ユーリ…それはきっと意味が違う虫だよ…。

 キミのジジーいや、素敵なお爺様は、明らかに、初対面の俺にさえ、

 ものすごいプレッシャーかけてたからね。


 しかし、すごいなこのジジー…なんって言う筋肉だ…(汗)



「ははは、ユーリ…さん。多分違うと思うよ…ねぇ…村長さん」

「ハハハハ。かもしれんのぉ…ナガラ、さ・ん…のぉ…のぉ?」



 うん…怖いよ…この爺さん怖いわ!まぁ上手く合わせておくか…。



「ところでナガラ…さん!お主いくつじゃ?」

「15歳です!」

「ほぅ…そうか…15で旅人か…ほぅ…」



 年の話しを聞かれたとき、ついでに旅人であることも言ったのだが、

 ちょっと反応がこちらの旅人と違う気がした。



「ね…お爺様ナガラ…さんはすごいでしょ?この年で旅人だなんて…」

「そうじゃのぉ…」


「だからね…お爺様、ね? お願い、ナガラさんをしばらくね…、

 うちに泊めてあげてほしいの」

「ん?ユーリの頼みなら構わんよ?ナガラさ・ん・は、

 色々分かっているようだしの」


「え?ありがとう!お爺様大好き!」

「うむ、好きにせぇ!孫の恩人ならそれなりに扱おうかの。

 まぁゆっくりするがいい!」



 結局、ユーリが、お願い力を全開にして、『必殺!孫娘の上目でのお願い』

 を孫バカなじーさんに、オミマイしてやり、 

 それを食らったじーさんは思ったよりもあっさり了承した…?

 っていうことでいいのか?


 まぁ、いい…この村での拠点を手に入れたぞ。




「ありがとうございます!」




 間髪入れずに礼を言う。

 じーさんは、まぁ準備もかかるだろう、

 暫く好きにしろと手をひらひら振って奥へ行ってしまった。


 ユーリは『よかったね』と笑顔を満面に浮かべて、

 つい、勢いづいて俺の手を握ってしまう。



「あ、ごめんなさい!」

「いえいえ、本当感謝です」



 じーさんの気配が一瞬すごく濃くなったが、

 慌てて離れてくれたのがよかったのか、

 すぐに落ち着いた空気に戻った。ジジーすごいなマジで…。


 どこかでファンファーレと電子音が響いた気がした。


『ハジメ村での拠点を手に入れた』

『強敵なる協力者:オージとの関係が深まった』



いつもご覧頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』16話でございます。

ようやく拠点を手に入れました。ありがたいことです。


感想、評価、誤字脱字、是非よろしくお願いします。

明日はもしかすると17話をあげられないかもしれません。そうしたら31日となると思います。

どうかよろしくお願いします。



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