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ロートル作家はのどかな村へ向かっている

昔、子供の頃です。

大人の足ならば、5分も経たずにつくことのできる公園へ、よく行ってました。

公園で少し遊んだ後は両親や従姉妹の姉の待つ家へ急いで帰りました。

小さな冒険と暖かい家…何だかいいですね…。

 ロートル作家は…のどかな村へ向かっている






 往年の名俳優の演じている刑事が、犯人に撃たれて叫んでいたような、

 俺の叫びについては、ユーリはあまり深く聞いてこなかった。

 色々思うところはあるようだが…。


 どうりでな…お嬢さんとか呼んでいたら、そりゃ変な顔するわけだよ。

 アレじゃあ、年下もしくは、同年代のお子様がオマセな事でも、

 言っているようなものだものな…。



「落ち着いた?」



 若干の後悔と、恥ずかしさを感じていると、不意に声がそばから聞こえる。

 少々俯き気味に歩いている俺のことを、ユーリが少し心配そうに覗きこんできた。



「おぉ!…ああ…うん。色々驚いたけどね…ははは、大丈夫さ…」

「なら…良いのだけど…」



 自分に言い聞かせるように言ってみる。そんなに心配をするほどじゃないさ。




『シンパイナイサー!』




 ただ、即効で生まれた黒歴史に…困惑しているだけだからな。

 オレダイジョウブモンダイナイ…大丈夫大丈夫。


 さて、動揺覚めやらぬ…だが。

 そういやココに飛ばされる前に女神様が見せていた、

 ステータス画面はどうやってみるんだろう…。


 よくあるやつだと…念じるとかだが…。むむむむ…あ、出た…。

 意外に素直な設定だな。ほうほう、それで確か…コレを触ればいいんだな…。


【ステータス】をタッチする…。


 ん?ちょっと空想値減ってるな。まぁ何回かやったものな…。

 どうやらアレが空想術で間違いなさそうだ…。

 なら『真』はどうなるんだろうかな…。



 空想値:120⇒100



 他には…何かないかな…。



「ねえ…何してるの??」

「おうぅふっ!」



 ビックリして変な声が出る。しまった…つい夢中になって、

 隠れてやるの忘れた。 よし、ここは自然な感じでごまかそう…。



「あ、ごめんごめんちょっと虫が飛んでて、うん虫が邪魔だったんだ」

「虫?!いた?んーそう?なんか、さっきの大いのししとのアレで、

 変な所とかぶつけたりして、混乱してるわけではないのよね?」



  ユーリが、ものすごく心配そうに覗き込んでくる。

 どうやら彼女の中ではオレに自分の為に無理をさせたような、

 イメージが強いようだ。


 その事で、気にかけてくれているのだろう…。いい子だな。

 まぁ好きにやったことだから、気にしないで欲しいものだが。



「ごめんごめん、心配かけて」



 顔の前でごめんごめん…とやっておく。

 少しウィンクなどをしておくのも吉だな。



「ならいいけど…本当に怪我とかしてたら絶対言ってね!

 もしも…って言うことになったら嫌だし」

「ははは、大丈夫大丈夫。助けたのは俺の意思だし、

 うちの家訓で女性には優しくするべし!というのがあってね…」


「そうなの…いい家訓だと思う、それ」

「それに可愛い子がいのししに襲われていて、

 それを助けないなんてありえないだろう?」


「え??…あ、可愛い…?」

「ん?可愛いと思うよ…」



 俺は、ごく普通に相手を褒め、実際の世界での家訓を出して言う。

 これもある意味家訓といえば家訓。


 言った後、さも当然であるといわんばかりに、

 少し大げさに手を広げてユーリの前に立つ。


 マドマァアゼル~♪とでも言いだしそうな、

 優しくキラッと輝く微笑みも忘れない。

 意外にマダムに受けのいい仕草なんだけどね。


 ユーリは顔を真っ赤にして、『なら仕方ないわよね…うん…』と、

 真っ赤なまま真っ直ぐ、少し早歩きになって進んでいく。



「あ、ユーリさん?おや?ちょっと待ってくれないか…」



 何とかごまかせただろうか…。

 なんだか途中でもしかしたらフラグを立てた気もするが…まぁいいだろう…。


 そうそう、『ステータス』あれだな…考えるだけでなんとかならないのか?

 どっかの世界の勇者もそうやってたよな…ああいうのって、

 便利機能って言うか、通常機能じゃないのか?


 ならばと…ぐうぅっと眉間のあたりに力を入れて…。

 ひらけ…ひらけ!ひらけよぉ…!とか思ってみる。


『イマジネーション・タッチモードへ移行しますか? YES/NO』


 ホラ、チャント開いたあぁぁ!通常機能万歳!




「おおう!」





 つい、嬉しくて声が出てしまう。

 アレだな、略して『イマタチ』にしておこう…。


「なに?なに?どうしたの?やっぱ痛いの?」

「いや大丈夫だ!問題ない(キリッ)」


 俺、また声が出てたのか…。

 危ないな、もうただの変な人だよこれじゃ…。

 あ、いまは変な少年か…どうもワタシガ、ヘンナ…。

 いや、やめておこう。


 まぁいい…、ユーリさんも前を向いて歩き始めたことだし。

 歩調も先ほどほど早歩きじゃない。


 さてと…今のうちに、もう一回やっとくか…と、

 思ってやってみたら、今度はすぐ出た。


『イマジネーションモード(リンク:説明:意識するだけで操作が可能になる)』


 まあ…そりゃそうだよな!そうこなくちゃな!(キリッ)

 今度は声を出さないように、周囲を見るフリなどをしながら、

 イメージする…そう思うのだ。


<イマジネーションモード:ON>

<確認したいタスクを開いてください>


 自分の中で見えている、メニュー画面のようなものを、イメージの中で探る。

 ステータス、ステータスと…。

 頭の中でクリック音に近い音がなって、ステータスがひらく。


 体の状態、空想力値、体力の残量。持ち物、スキル…。

 メッセージ…?ん?メッセージ??とりあえず開く…。


 添付ファイルはなし。

 添付ファイルがあった場合には良く注意してあけましょうね…。

 出来ればあけない!わかったかな?






『はーい。長良さんの女神様です(キラッ)』







 ん…カッ!…閉じたくなったが、先を見る。




『閉じようと思ったでしょ?ダメだからね!

 毎回、届いていたらちゃんと読んでね。

 まずは…異世界到着おめでとうございます!

 若返っていて、ビックリしたでしょ?フフフ…』



 ンガッ!ちょっと…ほんのちょっと、イラっとしたけど、頑張る…。

 俺、大人だからね…。



『さて…恐らく最初のミッション的なものを、クリアしたところだと思います。

 …っということで、『ステータス画面』の追加機能と絆について説明をします』



 まだ、機能ついてるのか、これ…。とりあえず覚えないとな。

 ああ、でも今ココではさすがに無理か…宿屋とかでやるか…。

 そんな風に考えていると、ユーリに声をかけられる。



「ねぇ~ちょっとナガラ?ナガラ?聞いてる?」

「おおう…えっとなんだっけ?つい見とれてたから(景色)」

「え…なんて?」

「ん?みとれてたと言ったんだけど?(景色を)」

「ん!? ちょっと…。あはは…うん、もう…ほらもうすぐ村だよ」



 おや~なんだ…ユーリの顔が、またちょっと赤くなっている気がする。

 俺は何か言ったのかな?わからん…まぁ気にすることもないだろう。

 ただ、なんだか、若干モジモジとして髪をいじっていたりしているな。


 そういえば…ユーリのこと、じっくりみていなかったな。

 あ、言っておくがロリコンではない!コレは決定事項である!

 リアル村娘なんて、そうそう、見れるものじゃないだろう?


 髪は茶色で肩まで?もしかしたらもうチョイ長いのかな?

 今は帽子をかぶって、髪は帽子の中に入れているらしい。

 元気の良さそうな、可愛い女の子だ。

 手に持っている籠には、命からがらで持ってきた、

 草ときのこ?かな…が入っている。


 さすがに、『ステータス』や『メッセージ』については、

 ユーリが傍にいる状態ではちょっと難しいかな?

 変な少年だと思われそうだしな。



 そんなわけで、イラっと…いやアリガタイ、

(だ)女神様のメッセージは見れないな。


 あぁ…残念だ…まことに遺憾だ…。


 今夜は村の宿屋にでも泊めてもらうしかないよな…。

 夜が危ないのは、ある意味。お約束上では基本だからな。

 無理良くない…。


「ほら!アレがわたしの村…ハジメの村よ」


 だいぶ近くに見えてきた村。

 夕方も近づき山の向こうに沈む夕日に鳥の影。

 村には灯りがゆっくり灯っていくのが見える。


 なんだか少し優しく感じる…ああ、コレが最初の村なのか。

 …なんかな…いいなコレ…。


 

いつも『ロートル作家とおとぎの異世界』ご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

ようやく村ですね…。ヒロイン候補になるかどうかはまだわかりませんが、村娘のユーリさん。

可愛い目の設定にしたいと思ってます。(イラストとかきたらいいな…募集するのはいいですよね?ね?)


感想、評価、誤字脱字、色々お待ちしております。

だんだん書くペースがきつくなってきました。

まだ頑張れればいいな…ただ、もしかしたら、3/30はお休みするかもしれません…。

可能な限り頑張りたいですが…。


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