ポチ
ポチのお話です。
わたしはポチ。
ポチという名前は別に珍しくない。
犬人族の子はたいていポチってつけられることが多いから。
理由はもちろん勇者様の一番目の仲間だったポチ様の名前だから。
私の家はポチ様のちょっけい?しそん?とかいうののひとつらしい。
ポチ様のちょっけいといわれている家は全部で4つあったみたい。
4つはいつもどの家が本当のポチ様のしそんなのかで喧嘩してたみたい。
わたしの父様と母様はあまりそういうことに興味がなかったみたいで、けんかしないようにねってよく言っていたし、私はポチ様と違って少し茶色い子だからきっと違うんだろうって思てったし。でも憧れるのは別にダメなことじゃないよね?
でもあの日急にお家の周りにたくさんの人が来て、わたしのお家を燃やして、こわして、
お父様も母様もしんじゃった。しつじさんだったせばすちゃんさんが私を抱えてお家を飛び出して、街の下の方ににげた。
しばらくはせばすちゃんさんがゴハンくれたりしてたんだけど、せばすちゃんももうお爺さんだったから、この間しんじゃった。
「お嬢様……本当に申し訳ありません。この爺めをお許しください」
「せばす?」
「おひとりにしてしまい申し訳ありません……私のカバンの中にまだ少し蓄えもありますから、早めにこれをもって他所の街へとお逃げください」
「せばす??」
「あぁ……もうだめですなぁ……本当ポチ様もうしわけありません……」
街の下で住んでいる人は死んじゃうと街の外で燃やされて土にされるみたい。せばすちゃんは土になっちゃった。お父様と母様はどうなったかわからない。お家のあったところは燃えて何にもなくなっちゃったから、多分土になっちゃったんだと思う。
わたしはひとりぼっちになっちゃった。
わたしは街の子たちを見てて、お金を貰わないとご飯が食べられないことを知ってたから、たまに外からくる人を案内してお金をもらってた。
たまに悪い人が来るので怖かったけど、せばすちゃんさんがちっちゃい頃から教えてくれてた、ごしんじゅつ?があったから大丈夫だった。それでもたいていのひとはお金をくれたりご飯をくれるので、大丈夫。あまり余計なことを言うと怒る人も多いので、とりあえず返事だけは元気よくしておけば大丈夫。
「あい!」
「そうなんだ」
大抵の人はこんな感じで少し微笑んでくれて、ご飯やらお金やらくれる。だから余計なことは言わない。ちょっとおばかっぽいけどそれがしょせいじゅつとか言うのだと思う。
「お前誰?」
「え?ポチ……??」
「お、おう……」
「あ~なんだ……食うか?」
「食う!」
今回の人はとてもいい人だなぁ。犬人族はほんとうはご主人様というのを見つけて、そのご主人様と一緒に居て幸せにくらすものなのだよとお父様が言っていたなあ。
串焼き美味しかったなぁ……。お風呂気持ちよかったなぁ、お水はちょっとアレだけど。
この人はとっても優しい人だなぁ……。ポチのご主人様になってくれないかなぁ……。服も嬉しかったなぁ……。
ずっとこの人といれたらいいなぁ……。ぐぅ……ぐぅ……。
ちょろっとゆるっとまた書いております。
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