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ロートル作家は戦闘中 6

 ロートル作家は戦闘中 6





 松にはちょっとした作戦を伝えてある。

 それは即席で作った泥地帯で戦えということ。

 お義父様に君の知恵の部分と、腕力の部分を同時に見せられる格好の場所だということ。

 その辺りをここ数日ずっと言い含めておいた。


 ヒトシはいまだ静観中。クロメガネは徐々にヨイチとガリによって、追い詰められている。

 フトシは補給と休憩を終えて、ハジメの居る場所へと向かっている。俺はヒトシとにらめっこだ。

 このままヒトシとにらめっこでよいと思っている。なにせ向うの大将はハジメだ。この戦いはハジメかマーガレットの風船花が全部割られた時点で終了なのだからな。


 松はハジメに対して、相撲ではなくもうひとつの格闘技、柔道で対抗させている。別に俺は柔道の達人でもなんでもないが、知識としてどういうものなのかくらいは知っている。なのでコツのみ教えた。元々運動神経は良いほうなので数日で松はフトシくらいなら投げられるようになっていた。ハジメに通用するかはわからないが、無駄ではないだろう。


 現にハジメの突進を少しずつずらしながら、遅くさせている。

 このままゆっくりと泥地帯に入れば、止められるかもしれない。



「ほう、面白い動きをするじゃないか、小僧!」

「私は小僧ではないです。松といいますのでこの機会に覚えてください!」

「ふん、知るか!」


 いい感じでやれてるなぁと俺が見ていると、別のほうで、クロメガネBとの決着がついたようだ。


「さぁ、お義父さん、仲間もこちらにくるようですが、大丈夫ですか?」

「小僧たちが何人来ようが関係ないわ!」

「そうですか……っと」

「むっ!?」


 ハジメを揺らす形がだんだん円を描くようになってきて、少しだけだがハジメが体をとられそうになる。だが足をしっかりと踏ん張りそれに耐える。


 解説席や観客席で、歓声があがる。


「おーっと! 今確かにハジメ町長の体が一瞬だけですが、おおきくぐらつきましたね」

「えぇ、確かにうちの息子が、うちの息子がやりましたね」

「ユキさん、うちの息子って二回のアピールは……」

「えぇ、ヒトシさんと私の息子の松があのハジメさんを……すばらしいことです!」


 息子の快挙に、驚きも思いも隠さずにユキが喜んでいる。

 少々照れくさく感じるのだが、松も今は気を抜けるときではないのはわかっている。

 だからこそ息を強く吐き出し、ハジメの体を崩すことに専念している。



 あと少しで、泥地帯だ。ここにくれば松の勝機も上がるというもの。ハジメの足腰の強さがあるとはいえ、泥の中。松にさせた特訓の中に泥の中で動くというのもあったのだ。

 さぁ、そろそろ決着が…。

いつもご覧になって頂き、誠にありがとうございます。

『ロートル作家とおとぎの異世界』99話です。

いよいよ次回で100話。

思えば長くなったものです。

ではまた次回で……




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