表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/115

ロートル作家は頭から植え込みに刺さる

昔、雨の日に自転車に乗ってて、目の前の女の子を避けるために、急ブレーキをかけて止まったところ、

そのまま自転車から飛んでいき、植え込みに頭から刺さったことがあります。

慌てて起き上がり、女の子の無事を確認したところ、

優しく『あ、大丈夫です…気にしないでください…』と恥ずかしそうに去っていかれました。

決して、哀れみをかけられただけではないと信じているのですが…。

どうでしょうか…。


『慣性の法則』恐るべし…ですね…。

 ロートル作家は頭から植え込みに刺さる






 何だか最後に、消えそうで切ない声を聞いた気がするが…、

 あまり覚えていない。

 まぁ…あの女神様も少しは、俺のことを心配してくれているのかな…。


 それよりも、これは…なんだ…?!


 俺はこのどうしようもない、瞬間的に悲しみと悔しさで一杯になった。

 何が悲しくてこんな状況にならねばならない…。

 今の俺の置かれている状況について、あの女神様に一言苦言を申しあげたい!!






「何で頭から刺さっとるんだあぁぁぁぁ!!」






 低い背丈の木が植えてある、植え込みのようなところに…。






 <マンガか?!ベタか!!>






 気を取り直して、むくりと起き上がる。髪の毛には葉っぱが数枚…。

 まぁ…異世界だしな…誰にも幸い見られていなかったしな…。


 まぁ!いいだろう…許そう。

 これでも、俺は寛大だからな…。


 しかし本当酷いな…。


 勇者扱いで呼ばれて異世界ついて、一発目が植え込みに頭からだよ。

 いいボケかましてくれじゃないのよ…悪意を感じるね。

 それとも女神は天然もの…か…?



 ありえそうで怖いな…(ブルブル)



 ぐだぐだやってるのもなんなので、まずは周囲を見回すこととする。

 おかれている状況を正しく送球に把握し次の行動に移すべくだ。



「こりゃあ…ここは山だな…しかも意外に上のほうにいるのか…。

 標高はそこまでの山ではないな…」



 周囲の雰囲気や、見える景色から、今居る場所をある程度特定していく。

 そんなに高くないとはいえ、遠くに見える景色はちゃんと小さく見える。


 空は澄んでいて高いな…。これは空気が綺麗だってことだな。

 昔、北海道で見た空にちょっと似てるな。


 鳥の声に風の音…。



「この風…少し、なぃ…んっんっ…コホンコホン…」



 厨二の影に捕まりそうになったのを慌てて振り払う。

 他の誰かに聞かれていなかったか、辺りを警戒する。


 誰にも聞かれてなかったようだ…危ない危ない…。厨二恐るべし…。


 その後、少し冷静になってきたところで、

 周囲の探索に出かけることとする。

 今いる場所は山の頂上まであと少しといったような場所らしい。


 自分のいた場所はその少し開けた場所だったようだ。

 遠くで川だろうか…水の音が聞こえる。



「飲み水よーし!!」



 不安な部分をごまかす様に少し大きめの声で叫んだ。

 さながら、昔テレビで見た探検隊コントのように。

 少々オーバー目に演技をして、水源があることを再確認する。


 まぁ…まだ水源は目視していないがな…。

 今日のことだけで言えばm最悪の場合、野宿ということも、

 視野に入れなければ…な。


 今、分かっている状況だけでも、とりあえずは死なないで済みそうだ。

 川があれば魚もいるだろうし、探せば木の実や果物もあるかもしれないしな。


 蛋白質も恐らくあるだろう…。

 今の俺では、手に入るかわからないが、

 手段として考えるのは悪くないことだろう。


 とりあえず今はすることもわからないので、より周囲を見渡すため。

 それと、あと…頂上に行ってみたい欲求に何故かかられて、

 俺はより上へと向かうことにした///。


 …向かうことにした…のだが…。


『はやっ!?』 


 ほんの少し試すように体を動かしたら、まあ…これが軽いこと、軽いこと。


 チート万歳だな本当に…!


 なんだか、少し体が若返ったんじゃないかと思ったくらいだ。

 結局ものの十分もかからずに頂上へ到着した。


 昨今の運動不足の自分したら、天と地ほど差のある体だ。

 やっぱ…異世界…最高だわ…!


 チートは素晴らしい…ブラボーだ!


 そうそう、頂上ついたらあれだろ…?あれしなきゃいかんよな?!


 山の天辺から見る景色は本当にすばらしかった…。

 それほど遠くない所に村がある、見た感じそんなに大きくはないのかな?

 おそらく、山を降りたらまずはあそこを目指すべきだろう。


 それとかなり先になるのだが、薄ピンク色の集合体のようなものが見える。

 ありゃなんだ?木か?桜?まさかな…。


 まぁ、そこまで真っ直ぐとは言えないが、

 道もしっかりとあるみたいだし、

 アレは多分街道の先の場所なんだろうな…。


 さて、当面の目標はあのピンク色の群生地へと行くことにするかな…。


 それに、空想力とかあの辺とか、神器とか…。

 まだまだ、かなり気になるところもある…っとはいえだ、

 ここは異世界モノの基本として、

 まずは『最初の村で村の住民たちと仲良くなる』だろうな。


 とりあえず、今後の指標みたいなものも、

 ある程度は決まった…。ここいらでアレをするか…。

 山の上にきたらまずアレだろう…?


 そして、大声で叫んだ。






「やっほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

(ほおぉぉ…ほおぉぉぉ…しゃうっ!)」

『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』







 うんうん…これだよな…。

 最後になんか素手で、相手の肉体をスライスできそうな、

 謎の格闘術を使う人のような、

 ヤマビコが、あった気がするが…アレは気のせいだな…。

 さもなきゃ神のイタズラだな。



「ははは、山の上ではやっぱ『やっほぉぉぉぉぉ』で、

『きゃぁぁぁ…』だよな…」



 …ん?!きゃぁ?!



 その声にびっくりした俺は、慌てて頂上から下を見てみる。

 その理由はすぐに理由はわかった。


 あれ?!あそこで髪を肩口の辺りで切り揃えてあり、

 典型的な村娘の格好をした、結構可愛い女の子が大きな猪に、

 追いかけられてるじゃないか!!


「これはやばいぞ…ふぅ…やれやれ…。

 これが最初のミッションって所かな…?」


 これから急いで向かう先に聞こえる『ぶもぉぉぉぉ!!』と、

 鳴く大猪らしい声と、逃げ回る女の子の悲鳴のする場所へ向かう。


 異世界へ送られるときに女神様が言っていた…。

『困っている人を助ける』をするべく、

 頂上から斜面を急いで降りていった…。

皆様、いつも『ロートル作家とおとぎの異世界』を読んでくださってありがとうございます。


 ようやく、異世界へ到着です。

異世界の出来上がっていく情報とかは、いずれ近いうちに、別ページにででも、

まとめていこうと思っています。

今回もいかがでしたでしょうか?気に入っていただけるところはありましたか?

では次回は10部目になります。今後もこのペースでいければいいな…(無理は承知…)と

思っています。


 誤字脱字、感想などありましたら、ぜひ感想欄にお願いします。

評価も是非宜しくお願いします。ではまた次回で…。


4/29

少し修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ