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どこにも分類できない作品集

要するに、要してない

作者: 矢田こうじ

 最近会社の人と議論になることがありまして、熱くなっているその人の意見を聞いていた時


「要は〜」

「要するに〜」


 を、とても多用されていました。

 そしてその発言の殆どが「要約していない」わけです。


 つまり「要するに」は私の言葉をぶった切るナタのように使われている、ただの枕詞なんだな、と思いながら聞いていました。


 よほど便利なのか、時折くるどこかの営業さんも多用しています。要してないわけだから、こっちがイライラするわけですね。


「で、端的(・・)に何が言いたいのですか?」


 とついに先日言ってしまいました。

 嫌な奴だなあ。俺。

 でも、まあ、こういう方は、当然気づくわけでもなく、


「え、だからつまり、要はですね」


 と、もう一度同じ話(・・・・・・・)をするわけです。なにが言いたいのか、と聞いているのに、


「え」+「だからつまり」+「要は」+再度説明。


 ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、会話がずれた上に、カチンとくる4コンボをもらった矢田はビキビキ来ていました。同席者には伝わったようです。

 お勤めの会社は、大きな会社ですので、私は追い返したい気持ちをこらえて聞いていました。

 この時はとても疲れました。


 これを書く前にふっと気になって調べてみると、やはり、要はと言って要約してない、という方は多いみたいで、なるほど、と読んでいたのですが、心理的に、と続く言葉で「自信のある方がよく使われる」と書いてあって、とても引っかかりました。


 少なくとも、私の「要する人々」像は


 "今話すことを自信を持って語れない、理論武装する事が苦手な方"


 という印象が強いのです。

 いかがですか?

 ただ、要は、と言って要約する人は別です。


 本来なら実際に話題を要するので、私の話に先んじて、端的に説明をし、だからこうでしょ、という風に進める事が目的なわけです。

 その後が建設的なのか、叩き潰すのかは状況次第なわけで、ここでは、気にしません。


 それが、"そういうつもりで使っている事そのもの"がステータスのようになっている気がしてならないのです。そういうつもりで使えない人だったとしても、です。

 また、私の印象では、例えば前述の方でも得意分野であれば、あのキーワードが減るわけです。要さなくても話せるんです。すでに要約された説明なので。


 何が言いたいのかというと「要するに」は、意味をなさない言葉の1つではないか、と思います。

 地味に悪く有名になっているフレーズで、多用すればするほど、ご自身の価値を下げかねない、と。



 まあ、要するに、使うな、という事です。

こういう事を気づき、考え始めると、使わなくなりました。

もしかしたら違うフレーズで50歩100歩な事をしているかもしれないのですが、この言葉は目立ち過ぎている、と思うのです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「要するに」「つまり」「結局」などの『無意味な使用』は頭の悪い話し方の代表格ですね。  私も自分の文章に発見すると、あわてて修正しています。 (小説では本来の意味が薄くても間をとる程度に使う…
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