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深夜とロリ男




 マサルさんが、カッと目を見開き壁の時計を見ると、只今深夜の12時時ぐらいでございます横を見ると嫁の寝顔が見えており。


 そっとベットを抜け軽く体を動かすマサルさん、痛みとだるさはあるが大丈夫そうだ。


 異世界から自宅マンションに帰り、傷の手当をして少し仮眠を取ったら所だ、本来ならこのまま朝まで寝ていたいのだが少々しなければいけない用事がある。


 そそくさと着替え、マサルさんが忍び足で寝室を抜け出ようとしてると…………



「マサルちゃん? どこにいくの? ………… 」



「寝付けないからコンビニでも行って来る」



「そう、ちゃんと鍵は閉めて行ってね」



 この女は感が良すぎる、いつもマサルさんがバレないように隠密行動でベットを出るのに必ず起きやがる。


 嫁は即座に起きる訓練でもした、海兵隊かよと思いつつ外出。


 マサルさんは電動自転車に乗り夜の街を移動する、電動アシスト自転車と電動自転車の違いはご存知だろうか?


 電動アシスト自転車は、一般的に見る物で電気の力でモーターを回し漕ぐのをアシストをする。


 かたや電動自転車はハンドルのひねると勝手に走り出すバイクと同じなわけだ。


 中華製の電動自転車には時速40キロ近いスピードで、走る物があるマサルさんが中国の人から購入した物でもちろん一般道路を走れば、道交法違反なのだが。


 体は子供で心は大人の名探偵が乗る、自走式のスケボーを見て道交法違反だど騒ぐ輩はいない、だってアニメだから。


 同じようにマサルさんが電動自転車に乗って夜の街を走ってもOKなわけで、だって赤羽だからと言いたい。


 電動自転車のモーターを、協力なモーターに換装して、50キロオーバーなモンスター自転車でババアが商店街を爆走する。


 そんな世紀末な街だし…………


 こんな乗り物に乗る理由が実はある、ほとんど走行音がしない無音走行といっても過言ではない、隠密行動にはもってこいなのだ。


 街をしばらく走ると、日本人の苗字にしては少々変わった感じの表札がかかっている住宅街に入った。


 どの家も侵入しづらい要塞のような作りをした住宅が立ち並ぶ。


 防犯のためだけではない監視カメラがあちこちにある、マサルさんはスカーフで顔を半分隠したまま、路地を抜け住宅街に真ん中あるのが不自然すぎる家庭菜園に到着。


 地価の高いこの辺りで家庭菜園があるなんて、そう不自然なのだ。


 マサルさんが家庭菜園のそばで自転車を降り、畑のうねに手を入れて探り小型のトランクを土の中から出した。


 そのトランクを片手に、自転車に乗り猛スピードで要塞のような住宅街を抜け、顔を覆っていたスカーフを取り。


「ふぃ~ 緊張したから汗がスゴイな…………」


 この街の経済は特定の国の外国人が回してる、商店街から飲食店まで彼らの資金の元に経営されているのだ。


 そんな彼らの住む地域は敵対組織に対しての防衛に要塞のような家々や監視カメラがある。


 噂に過ぎなかったのだが、そんな彼らの住む地域の家庭菜園には、アレが埋まっている………… もしマサルさんが彼らに捕まれば命はないだろう。


 だがどうしても今のマサルさんは、必要だったのだ! ひとけの無い河川敷の街頭の下でトランクを開けて中身を見た。


「ガバメントにトルーパーかよ~ 骨董品じゃねーか…………」


 骨董品と呼ぶ拳銃の動作確認をしながらぼやくマサルさん、45口径のガバメントは1911と呼ばれ二次大戦中に使用されたモデルである。


 この街は大戦中に旧日本軍の軍事基地や軍事工場などが多くあったため軍都赤羽と呼ばれており、敗戦後は連合国軍(GHQ)が滞在していた。


GHQの命令で、この街に旧日本軍の武器を集め廃棄処理をしたのだが、武器類があまりにも多かったために道に山ずみしていた所。


 治安が悪く不安に思った住人達が数多くの銃器類を盗み、それを帰国する米軍兵士のお土産として渡し、代金代わりに信頼性のある米軍のピストルと数多く交換した経緯がある。


 これもそうした一丁なのだろう…………


 トルーパーはリボルバー式の回転拳銃で357マグナムと呼ばれる拳銃だが。


 こいつも50年以上前の物だ、入手経路は米軍にいた兵士の個人所有していた物だろうか? 予想もつかない…………


マサルさんがこうした危ない橋を渡るのにも理由がある、世界にもう一度行くためだ! 命が軽そうなあの世界で、採掘場に戻り交渉して体操着を取り返す。


 そのためには、自営手段がどうしても必要なのだ、もちろんこの銃器で誰かを傷つけるつもりは無いのだが。


 命の危機があれば撃たざるえない、死にたくはないのだ…………


 それに危険な異世界に行く理由は、体操着だけではない!


 異世界で呼んだ手記の人物に借りを返したいのだ、マサルさんが生きて帰ってこれたのも、その人物のおかげでもある。


 今も生きているかは不明だが、その人物は日本に帰りたがっていた。


 マサルさんの創造どおりなら、その人物も日本に帰れるかもしれない! マサルさんは借りを返すぐらいの善良性は持ち合わせているつもりだ。


 それに年甲斐もなく冒険がしたくなったのかもしれない。


 拳銃は手に入った、だが肝心な物が足りない弾だ! 弾が一発もない、それについても入手する当てはある…………


 マサルさんは一軒の故買商の元へと訪れた、この街に故買商は数多くいるが皆、何でも買い何でも売る! そう何でも売っている。


カビ臭い倉庫街の中で、さらにボロな建物に入るマサルさん。



「ウーさんいる~?」



「いるぞい………… マサルか」



 山積な荷物の影から、ずんぐりむっくりとしたオッサンが出てきた。


 このオッサンはヒゲもじゃで異世界にいた時に見た顔つきだ、数多くある故買商の中でこの店を選んだ理由でもある。



「ウーさん、アル中は治ったか?」



「治す気もないわい! 今日は何じゃ買い物か?」



「買い物だけど、質問もあんだよウーさんってドワーフか?」



「あちらの世界にでも行ったか?」



 ウーさんは、ウイスキーの瓶のフタを開けグビッと飲み喉が動きマサルさんの目を見て口を開いた。



「そうか…………」



「異世界でドガンってオッサンにあったんだ、ウーさんに良く似てたよ」



「ドガンか同じ氏族の者じゃ、元気にしておったか?」



「ああ………… 牢屋で元気にしてたよ…………」



 ウーさんは手に持つ酒瓶から小さなグラスに酒を注ぎマサルさんに渡した。



「そうか生きているのがわかればイイ………… 飲め…………」



「助けに行こうか? 何となく見捨てるのは気が重いしさ」



「助けに行ってくれるのか? だがワシはあちらの世界には入れないから、付いて行ってやれんぞ?」



「いいさ、どうせ異世界に行く用事があるんだ、ついでだよ気にすんな…………」



ウーさんの表情がわかりづらい口元が少し緩むのが見えた、実はウーさんも心配していたのだろう。


 マサルさんはウーさんに異世界に行ったあらましを説明してドガンに会った経緯をかいつまんで話した。



「んで必要な物は色々あんだけど(まめ)が欲しいんだよ、ガバとトルーパーだけどあるか?」



「世話になるから安くはするが金はとるぞい?」



「ああ代金はコレで払いたいんだけど」



 マサルさんはカウンターに一つの宝石を置いた、異世界で手に入れた宝石だ呪いの指輪はヤバい雰囲気がある為、売るのは保留した。


 ウーさんは、小型のルーペで宝石を鑑定しているようだ、高めに売れるといいんだが…………



「マサルや、800………… 嫌900万だそう、たりるか?」



「きゅっ 900万だって!! 十分すぎるよ!」



 予想を遥かに上回っている、マサルさんのサラリーマン時代の年収程度はある。


 マサルさんったら以前はそこそこのエリートだったのだよ! 


 しかしそんな高値で売れるなら、あんな危ない橋を渡らずに、ウーさんの店で普通に拳銃を買えばよかった…………



「マサルや、それで馬牌槍(マーパイチャン)とトルーパーの弾だけでいいのかの?」



馬牌槍(マーパイチャン)!? 中華製のコピー品じゃなくて、骨董品だけど本物のコルト社のガバメントだよ! 後はガソリン満載のタンクローリーが欲しい!」



「タンクローリー? 建物にでも突っ込んで爆破でもしたいのだろうが、ハリウッド映画の見過ぎじゃの! そうそう爆発せんわい!」



「マジかよ! 爆発させて注意を引いてる隙にドガンのいる牢屋まで行こうと思ってたんだけど無理か…………」



 マサルさんったら映画に騙されてた! 


 タンクローリーでカチコミしても爆発しないなんて、他に方法が見つからない…………


「イイものがあるぞい! C4を使えばええじゃろ、お手製のC4が倉庫の奥にあったはずじゃが…………」



「C4ってプラスチック爆弾って奴か?」



「そうじゃタンクローリーに時限式のC4を使えば、大爆発をおこすじゃろうて」



ウーさんの意見を取り入れつつ、こんな感じで買い物をした! 


 ガバメントとトルーパーの弾を100発づつにガバメント用の予備弾倉を5本、C4プラスチックを予備も含めて二つ。


 そしてガソリン満載のタンクローリーでお値段プライスレスな800万! 随分とおまけをしてくれたらしい。


 正直に言うと足りない金額は貯金を下ろして買うつもりだったが、宝石のおかげで100万程儲かってしまった! 


 タンクローリーは手に入れるまで時間がかかるとのことで、翌日の昼には準備できるそうだ。



「ウーさん! 試し撃ちに地下の射撃場を借りるぞ!」



「好きにせい…………」



 こうして、マサルさんは地下の射撃場に消えていった…………




 昨年ですが、電動自転車を購入しましたが、道交法が怖くて乗れません。

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