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ロリとオカズ

けものフレンズ………… いいやん




虚ろな目をしたマサルさん、異世界に裏切られた気分でございます。



「普通、モンスターを倒したらピコーン! とかテッテレー! とかあってしかるべきだろうが…………」



 ブツブツと文句を言いながら山を下山していると、木々のせいで見えなかったのだろうか、山の下の景色を見ると、すり鉢状の地形があり集落が見える。


 窪地という事は鉱山か採掘場でもあるのだろう。


 中でも目を引く建物がある、遠目で見てもずいぶんと立派な屋敷が見える、山を下山するにつけ景色が段々ハッキリ見えてきた。


 やはり見えてきたのは、鉱山であり地形からして露天掘りをしているようだ、ふんどし姿の人夫たちが人力で採掘してるのが見て取れる。



「おいおい、随分と原始的じゃないの?」



 よく頭の悪いラノベで、中世ぐらいの文明だなんてセリフがあるが、長い人類の歴史のなかで中世なんておおよそ千年程しかないのだ。


 ラノベはどんだけ中世が好きなんだよ! 義務教育受けてんのかよ! 


と言いたいが、あえて言おう…………



「中世ぐらいの文明じゃね?」



 さらに、集落が近づくにつれ建物を見て文化形態を予想すると、ハッキリと言えるわ…………



「スッゲー中世だわ、そりゃもう中世でアレな感じで中世だな」



 集落の入口の門付近には、皮鎧姿の門番が見える。


 そりゃもう門番に言うセリフは決まってる。



「記憶喪失でチートだわ~」



「捕まえろ」



「おっおい!? 何で捕まえるんだよ? 記憶喪失だって言ってんだろ! 保護とか 暖かい言葉が? 痛っ! 痛い! 縛るな!」



「騒ぐな…………」



 カイゼルヒゲ男が門番に偉そうに命令して、マサルさんは今捕まってます。


 ファーストコンタクトが間違ってたのだろうか? 仮に間違っていても普通は話ぐらい聞くだろと、マサルさんが抗議の声を上げながら、オールドタイプな鉄格子の牢屋に入れられた。


 あの山から見えた、大きな屋敷の地下牢に入居したのはいいが、このワンルームジメジメして臭いのだ、室内には水桶があるだけ。


 これで敷金礼金を取ったら、大家をぶっ殺すとこである。


 とりあえず落ちついて、状況整理しよう………… 


今マサルさんは地下牢にいる、ウムそうだな、とりあえず短パンのポケットのを確認してよう! 


 飲み屋街で体操着に着替えた後、逃走する時に持ち出した携帯と財布がある。


 まずは嫁に電話だな………… 繋がるかな? 試しに嫁の番号にコールボタン。



「おっ? 繋がった、俺だよ俺! マサルさんだけど、今ね地下牢にいるんだわ! んっ? そうそう地下牢」



「マサルちゃん? またお酒飲んだ? 酒癖が悪いから外ではビール一杯までって約束したよね?」



「ちゃうねん! 体操着を着て異世界に来たら、地下牢に入れられたんだよ!」



 電話を切られた…………



「ガッテムゥーーー!!!」



「さっきからウルサイぞ新入り」



 ふと気が付くと向かいの牢屋から、鉄格子越しにヒゲもじゃなオッサンがマサルさんへと声をかけた。


 その男は、ずんぐりむっくりとした体形で、たまに街で見かけるタイプのオッサンである。



「新入り、奴隷狩りにでも会って捕まったのか?」



「何それコワイっ!? マサルさん異世界人だから関係ないし何も知らねぇ~んだよ~」



ヒゲもじゃは、目をカッっと見開きこちらを観察している、ジロジロ見られて感じ悪いと思うマサルさん。



「ジロジロ見んなよヒゲもじゃ」



「すまんの、つい珍しくてな………… ワシの名はドガンじゃドワーフ族の鍛冶師をしておった…………」



「ウソ臭いなドワーフだって? オッサンみたいな感じの人って、マサルさんの地元でたまに見るぞ?」



 うん確かに、街でたまに見る系統の顔付、体形、ヒゲだ知り合いにも似た感じのオッサンがいる。



「マサルとやら、この世界には数十年に一人か二人は異世界から迷い人が来るのじゃ、また逆もしかりこの世界からお主らの世界に迷いこむ者がおると言わてる、じゃからお主が住む街にドワーフがいても不思議ではないわい」



「ほほう~ んでココはどこなんだよ? マサルさんはいつ帰えれるんだ?」



「帰れるかどうかの質問には難しいと答えようかの、すでにお前も奴隷じゃしの、ココは奴隷採掘場じゃ」



「!? マジ? 強制労働って奴か?」



「そうじゃの…………」



 何それ!? マサルさん再就職おめでとうなのか? 


 冗談じゃない、マサルさんにはもっとインテリジェンスな仕事が似合ってるのだ、家にも帰れないとか家庭の危機どころの話じゃない!



「キーファー 種返せーー!!」



「黙らんか奴隷ーー!!」



 牢獄の見張り番がダッシュで来て、鉄格子を掴んでるマサルさんの手を警棒のような物でぶっ叩いた、何て乱暴な奴なんだチンパンかよ。


 見張り番が立ち去ると、ヒゲもじゃが小声で声をかけてきた。



「あまり騒ぎをおこすなマサルとやら、あまり反抗的だと欲望の石板で欲望を吸われ感情を無くすぞ…………」



「欲望の石板?」



「そうじゃ、欲望の石板に触れるとその者が一番望んでる欲望を吸われ従順な奴隷にされるのじゃ…………」



 何て非常識な物があるんだ!? 女が好きなら女が好きという欲望を吸われるわけか?


 確かにその人が望む一番の欲望を吸われたなら、生きる気力を無くし無気力になり従順な奴隷になりかねない。



「自由がない奴隷か…………」



「そうじゃ、不自由で個人の所持品一つ許可されない地獄じゃ…………」



 所持品も無いのか、財布はどうでもいいが携帯はマサルさんが脱出するためのただ一つの希望だ、没収されないように部屋のすみにある水桶の裏にでも隠すか。


 マサルさんったら、散々騒いだから欲望を吸われるんだろうか?


 マサルさんの欲望………… JSフォー………… バビルちゃん………… 



「バビルちゃん…………」



 マサルさんは自分の着ている服を見た、バビルちゃんの体操着だバビルちゃんのいい香りがほんのりとしてる、マサルさんったらこんな時なのに、オチンロンがふっくらしてきた。


 オチンロンからエキストラバージンオイルを放出したくなってきたわ!



「おい、ヒゲもじゃ!」



「なっなんじゃ? 服など脱いで??」



「五分でいいから、向こう向いてろ!」



 ヒゲもじゃは何事かと考えこんでいる、空気が読めないダメなヒゲもじゃだな。



「空気を読みたまえ! オネイニィーがしたいから後ろを向いていたまえと言ってるんだ!」



「!?」



「!?じゃない、後ろを向いて壁のシミでも数えていたまえ!」



 ヒゲもじゃは、青い顔をしながらガタガタと震えだした。



「見張り番さーん! 見張り番さーん! ワシ! ワシ! オカズにされる早く助けてくれーー!!」



「おいコラっ! 誰がお前のような汚いもじゃをオカズにするかーー!!」



「また貴様かー! 貴様、向かいの牢の汚いドワーフでオネイニィーとか変態か! 貴様のような奴隷は、欲望の石板で強制してやる服を着てサッサと来い」



 マサルさん大ピンチ…………








次回更新はまた明日になります。

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