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ロリとホームランハンバーグ


 銭湯から上がり入口前で、待ちぼうけのマサルさんです、何故女性の風呂は長いのでしょうかね。


 タバコを吸いながら、待つこと10分…………



「お待たせ~ マサルちゃん!」



「パパお待たせなのよ~!」



「遅いってお前ら!」



 嫁が女性は、髪を乾かすのに時間がかかるとか何とか、言い訳をしているが、そんな言い訳を世の中の理解ある男性は納得するだろう。


 マサルさんは少々違う、湯船から上がってから脱衣所で、お喋りをしてダラダラしているから遅いのだと思う。


 まあいいマサルさんは、お腹が減ってイライラしているのだ、早く夕飯が食べたい物だ。


 帰りに、夕飯の材料を買うため、商店街に寄り食料品店でお買い物。


 料理がそこそこな腕の、嫁に今晩の献立を聞こうと、嫁を見たら。


 日が暮れて、呪いの効果が薄まり、嫁は大人の姿をしていた…………


 マサルさん、調味料を陳列している棚から醬油(しょうゆ)の瓶を掴み取り一気飲み!



「マサルちゃん! ノン! ダメ! いくらショックでも醬油(しょうゆ)の一気飲みはいけないわよー!」



「やかましいー! 放せリサ! グビグビ!」



「明日の朝になれば、私またロリっ子になるからー!」



「グビ!? そうだった、マサルさん危うく死ぬ所だったわ」



 醤油の瓶のフタを閉め、飲んだ量は3分の一だからセーフ認定して、買わずに陳列棚に戻した。


 娘のアエルの姿を見ると、何やら難して考え込んでいる。


 まあそうだろう、父が醬油を一気飲みして、母が大人になっているのだ。


父の秘蔵コレクションである、女児服を着ている母は、パツンパツンを軽く超えSMのボンテージファッションのようになっている。


 そんな様子を見ていた嫁のリサが娘に優しく(さと)す。



「アエルちゃん? いい女の条件を知っているかな?」



「知らないのよママ」



「いい女は昼間は少女で、夜はアダルティーになる物なの」



「アエルも、いい女になれる?」



「大丈夫よちゃんとその内に、いい女になれるから」



 おや? 娘が納得している、相変わらず嫁は適当なウソが上手い、こんな適当なウソは女特有の悪癖だが、以外に子育てに向いているのか?


 だが、問題はそこではない…………



「おら~! リサ服脱げ! マサルさんのコレクションが、伸びてるだろーが!」



「ひゃいっ! 無理! 無理だって! ここはお店の中だよ!」



「やかましい! リサの裸にそこまで価値はないから、安心して脱げやコラ!」



 マサルさんと嫁がもみ合ってる内に嫁が切れちゃいましたわ!


 食料品店の向かいにある、肉屋まで行き女将さんに泣きついてる。



「女将さん聞いて! 私の裸に価値が無いですって」



「聞いてたよリサちゃん! これを持ってお行き!」



 嫁が、女将さんから、2リットルのペットボトル程もある、冷凍牛ブロック肉を受け取ると



「マサルちゃん! 覚悟はいい?」



「リサっ!? 辞めるんだ、その肉凍っててカチカチじゃねえか」



「じゃ~謝るの?」



「マサルさんは、一度口にした事は曲げない性質(たち)でね」



 さて、どうするか? いつものように黙って、嫁にボコられるか? 今日からは娘が見ているのだ。


 一方的ボコにされるのは少々カッコ悪い。



 嫁が凄い勢いで、距離を詰めて来る!


 マサルさんは先手を取って、嫁のオパーイを掴んで乳首でも刺激して、アヘアヘにしてやろうと手を前に伸ばすのだが。



「リサが消えた!?」



「ここよマサルちゃん!」



「何だと?」



 目の前で、消えたはずの嫁がマサルさんの頭の上で、ジョジョ立ちのポーズ! マサルさんは自分の指を見ると空間転移の指輪が無い!


 先程のもみ合いの時取られたのだろう、嫁もやるもんだ!



「だが甘いぞリサ! マサルさんの頭の上ジョジョ立ちでは、攻撃できまい!」



「ふふふっ 私は、おとりよマサルちゃん!」



「まっまさか!」



 そのタイミングで、ズドン! とマサルさんのアゴを突き上げる衝撃がきた!



「アエルか!?」



「パパゴメンなのよ」



 下を見ると、娘のアエルが冷凍のブタのブロック肉で、マサルさんのアゴをアッパーカットしたのだ!



 そうである、嫁が牛の冷凍肉を、受け取り、娘までがブタの冷凍肉のブロックを持っていたなんて…………



 牛ブタ合いびき…………



「今日はハンバーグにするつもりだなーー!!」



「正解よマサルちゃん!」



 マサルさんは今日、麺類な気分だったのだが仕方あるまい、マサルさんは敗北したのだ。


 今日は潔く負けを認め、ハンバーグを食べようではないか!



そんなわけで本日の夕飯は、お子さんにも大人気のハンバーグ。


 自宅マンションに、帰ったマサルさん達は早速ハンバーグの準備、牛ブタの合いびきでパテを作り。


 隠し味に、強い子の飲み物ミロを小さじ一杯、これでフライパンに火を入れて焼くかって?


 ハンバーグはここからが本番である、ブルーシート、キャッチャーグローブ、バットを準備して外にでる。


 道路の街燈(がいとう)明かりの下で、地面にブルーシートを敷き、嫁がグローブを嵌めキャッチャーボックスにスタンバイ!


 マサルさんは、ハンバーグのパテをイイ感じの大きさにして、ピッチングの準備はOK!



「おーいアエル、早くバッターボックスに立って準備しなさい!」



「パパ? アエルは何をすればいいの?」



「何ってハンバーグだろ? ああ~そうかゴメンな! アエルは知らないよな」



 娘はこちらの世界に来て、まだ右も左もわからない状態だが、あまりにも馴染んでいたので忘れそうになりがちなのだが。


 そんな様子を見ていた帰宅途中のサラリーマンが声をかけてきた。



「懐かしいですな~ ホームランハンバーグですか」



「そうそう! ホームランハンバーグ何だけど、娘は知らないんだよ~」



「最近の子は知らない子が多いですね、どれ、私が一つお手本を見せましょうか」



「頼めるかリーマンさん!」


 リーマンさんは、アエルからバットを受け取ると、バッターボックスに立った。


 キャッチャーの嫁が指で、くぱぁ~っとしてカーブのサインを送って来た。


 どうみても、あのリーマンは素人ではない、小細工抜きのストレートだろとサインを返し。


 マサルさんはハンバーグのパテを、力一杯キャッチャーのリサへと投げた。


 リーマンの目がキラリと光り、ハンバーグのパテをジャストミート!


 ハンバーグのパテは、そのままブルーシートにポトリと落ちた。


嫁が落ちたパテを拾い、肉質を確認している。



「イイ感じになってる! リーマンさん、ありがとうございました!」



「いえいえ、とんでもない! お嬢ちゃんもわかったかな?」



「リーマンのオジサン、ありがとうなのよ」



 その後も軽く、リーマンにバッティングコーチをしてもらい、準備OKなアエル。



「パパ~ いつでもいいのよ~」



「よ~しパパ本気で投げちゃうぞ~!」



「マサルちゃん! 軽くよ! 軽く投げるのよ」



 わかっている、単なる冗談だ、幼い娘相手に本気で投げるわけがない、だけど一球だけ本気で投げるつもりでいる。


 父親の偉大さを教えこむ良いチャンスなので…………


 マサルさんお得意の左のサイドスロー! 120キロは出ていそうだ、アエルはどんな反応するか楽しみである。


 アエルはリーマン直伝の振り子打法で、まさかのジャストミート!



「天才だ! ウチの娘は天才だぞ~!! ハンバーグの業界のスター誕生だー!」



 マサルさんは、アエルにかけ寄り抱き上げて、魂のシャウト!


アエルがジャストミートしたハンバーグパテは強めのインパクトを与えることで。


ハンバーグ内の空気が抜け、熟成の加速、旨味成分のアミノ酸が増えて極上のハンバーグになる、少々衛生面が気になるが。


 じっくりと火を入れれば大丈夫だ。


 マサルさんの二球目の送球も、三球目もアエルはビタリとタイミングを合わせ、きっちりとバッターの仕事をこなす。


 こいつは天性の才能だ、ホームランハンバーグに生まれながらに愛された少女だとマサルさんは思った。


 夕飯も終わり、嫁と娘がベットの中で規則正しい寝息を立てている、そんな寝顔を見てからマサルさんは。


 マサルさんは部屋をそっと抜け出る時に嫁のリサが声をかけてきた。



「マサルちゃん、行くの?」



「ああ、次もなるべく早く帰る…………」



 マサルさんは、こんな大事な日々が一日でも続くように、異世界に出かけて行った。


 

今は無き、洋食屋が考案したホームランハンバーグ、今から15年程前には、確かに存在していた幻の料理です衛生面や倫理観から消えて行きましたが、るりをも、一度か二度見た記憶があります。

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