ロリと捕食者
竹馬の友との楽しい語らいと酒宴のはずが、いつの間にか大乱闘!
それも仕方がないと言えるでしょう、だって皆んなダメ人間だもの…………
乱闘も静まってなお、傷だらけの体でお互いを罵りあっておりましたが。
この居酒屋の常連である、街の情報通ことネズミさんが、たまたま客でいたため仲裁に入ってくれまして何とか喧嘩は収まりそうです…………
ネズミさんは、嫌そうな顔をしながらマサルさん達の顔を見回し。
「お前ら、何が喧嘩の原因なんだ?」
「ネズミさん聞いてくれよ! 突然このバカ共がマサルさんを殴って!」
「違うでござる! ヤッさんの愚か者が拙者を殴ったゆえ…………」
「ウルサイわい! 皆んな死ねばええんやー! アホ! カス! ボケ!」
三人共、自分の正当性をネズミさんに訴えるが、難しいをして額にシワを寄せ口を開く
「お前らメンドクサイ………… 仲直りして他所で飲んで来い! ほらっコレやるから」
「それは、何でござるかネズミどの?」
「相席居酒屋の半額券割引券だよ」
「よくわからんが? 半額はええで~しかし!」
ネズミさんの、くれた券は相席居酒屋と言い見知らぬ男女が一つの席に相席して酒を飲むシステムらしい。
ようは合コンのような物らしい。
男性陣が女性陣に奢っても半額券があるため通常に飲むよりお得だとか。
そんな券を頂いてもマサルさん達はロリなゆえ、いらないのだが…………
マサルさんが悪いと思いつつ、その券はいらない、ノン! と告げるために口を開いたのだが。
「あの~ ネズミさん、マサルさん達はロリだから………… そんな合コンチケットみたいな物はいらないんだよね…………」
「情けない! ロリは別にいいんだよ! ネズミのオジサンが言いたいのは! グローバルでスタンダードな付き合いができないと大人として、ダメだっていいたいの!」
結局、熱意あふれるネズミさんの意味不明な説得を受け、仲直りして仕方なく相席居酒屋に行く事を承知したロリ三人組なのだが。
そんな合コンみたいな経験が皆無な彼らは少し怯みぎみだ。
「こんな物にビビるなんて、しょうがないロリ共だ! ネズミのオジサンのテクを聞いとけ!」
ネズミさんは、ビビるマサルさん達に合コンのイロハを教えてくれるようだ!
女性が初対面で話しかけやすい男性の特徴
【1】目が合ったら軽く笑顔を見せて、自分から挨拶する。
【2】話すときに、相手の目をしっかり見て話す。
【3】つまらない話をされても、興味深そうにちゃんと聞く。
【4】女性の話に対して、否定的なことは言わない。
【5】ギャクを言ったらしっかりツッコむなど、ノリを良く。
【6】髪型はシンプルで小ギレイな感じにする。
【7】自分からなるべく話かけ、気を使う。
「以上の七つだ! 憶えたかー ロリ共!」
大人しくネズミさんから、レクチャーを受けているロリ三人であるがマサルさんが質問とばかりに手を上げた。
「ネズミさん~ 質問! 項目の6である髪型だけど、ブーちゃんの長髪はもっさいと思うけどokなのか?」
「いい質問だマサルちゃん! ブーちゃんの髪は伸び放題で少し見苦しいから、手先が器用なヤッさんが少しカットしてやれ!」
「了解や! 少しだけなら切ったるで~しかし」
マサルさんが居酒屋の厨房に行き、調理器具のハサミを借りて来てヤッさんに渡した。
「おーいヤッさん! このハサミでいいか~?」
「おお~これで十分やで~」
「では、この長髪のままで、少しスッキリした感じにカットをお願いするでござる!」
「まかしとき~」
ブーちゃんの首の周りに新聞紙を巻き、カットを始めるヤッさん! 居酒屋の店主は嫌そうな顔をしているが。
ここで乱闘騒ぎを起こされるよりましなので黙認している。
確かにヤッさんのハサミ使いを見ていると、なるほど器用だとマサルさんは思った、ブーちゃんの髪が10分程で随分スッキリしている。
「こんな物やろ! 後は、揉み上げやけどどうするブーちゃん?」
「揉み上げ? …………とりあえず揉んどいて欲しいでござる…………」
「こうか? こうやろ? こんなんがええのんか~!!」
「オフウッ! そうでござる………… もっと強く揉むでござるよ………… イイでござる、イイでござるよ~ ヤッさん~~~~!!」
揉み上げを揉むヤッさん、揉み上げを揉まれるブーちゃん、こいつらは一体何をしてるんだ?? マサルさんは付いていけないぞ…………
「よっしゃ! これでフィニッシュやーーー!!」
「ブヒーーーーーー!!! ハァ………… ハァ………… ハァ………… 」
「そろそろ行くぞお前ら…………」
そんなわけで、相席居酒屋に向かったロリ三人は、人生初の合コンもどきを体験する事になる…………
小汚い雑居ビルの、エレベーターに乗り5階で降りると到着です! ウィ~ンと自動ドアが開き、店内に入ロリ三人! 店員の勧めるままにテーブル席に座ると。
カマキリ顔の女に、カピパラ顔の女、機関車トー〇ス顔の女………… それら女性三人組が待機状態だ、捕食者のような目つきが少々気にはなるが?
気のせいだろうか?…………
「え~と、マサルさんだ…………」
「ヤッさんやで…………」
「ぶっ ぶーちゃんでござる…………」
マサルさん達は、緊張しながらも自己紹介はできた! とりあえずはokだよな…………
「ミッチェルで~す!」
「フランワーズです!」
「機関車トー〇スでございます!」
ウンウン、カマキリにカピパラにトー〇スね! マサルさん憶えたぞ!
しかしアレだマサルさんはこんな経験がないから緊張している、横を見ればいつものアホ二人が見えてホットするな…………
少しホットしていたら、突然ゾクっと来るような視線を感じた…………
トー〇スがマサルさんを見ていやらしく自分の唇を舐めまわしている!! 捕食されそうだ! JRの職員さんでも呼んだ方がいいのか?
イヤ!? ちゃんとマサルさんは都電が好きだから、機関車の人はチョットって感じでお断りするか??
ブーちゃんスマン! 身代わりになってくれ…………
「おいブーちゃん、確か教育番組が好きだったよな? トー〇スみたいな女がいるぞ! アタックしろよ………」
「トー〇スは、顔が怖いゆえ好きではないでござる…………」
「同感や! トー〇スは怖いわ~」
oh... 身代わり失敗! 確かにトー〇スは怖い、でもね何かマサルさんったら身の危険を感じるんだよ。
カピパラが野菜スティックを、カリカリとかじりながら質問してきた流れを変えるいいチャンスだ!
「三人は普段何してる人なの~?」
「ロリだ…………」
「ロリでござる…………」
「ロリやで…………」
マサルさん達のロリだからお断りの言葉を聞いても、彼女らは、なお捕食者の目をしている! いくら鈍いマサルさん達でもこれだけはわかる。
このままでは、マサルさん達は食べられてしまうと…………
トー〇スが、ホッケの開きを手づかみで食べている原始人かよ! マサルさんと目が会うとトー〇スが手づかみで食べていた。
ホッケをマサルさんに食べろと言わんばかりにほっぺにグイグイ押し付けてくる。
女子力アピールだろうか…………?
マサルさんがホッケを拒否してると、トー〇スは突然にマサルさんの目を見つめ、爆弾発言をした。
「マサル好き…………」
「!? ノン! お断りだ」
(マサル好き…………)
こいつ直接脳内に…………!
突然、好きとか言い出して怖いよ! この女、完全にマサルさんをお持ち帰りする気だ!
ヤバいと思いヤッさんとブーちゃんに助けを求めようと、二人を見るとガタガタと震えていた、残りの二人もすでにヤッさんとブーちゃんをロックオンしているもよう。
やはり、こんな合コンまがいの店に来るのではなかったと、マサルさんが後悔していると。
女達は作戦タイムだと言い出して、女子トイレに消えて行った…………
「逃げるチャンスは今しかないでーーー!!!」
「そうでござる!! マサル殿!早く逃げるでござ~る!!」
「おう! チョイ待て…………」
マサルさんは、素早くポケットの中にあった瞬間接着剤を取り出し、女子トイレのドアノブとドアの隙間を瞬間接着剤を流し込みカチカチに接着した。
マサルさんと嫁のお出かけ中に、嫁がよくハイヒールを壊すので瞬間接着剤を常時ポケットにいれてるのだ!
まさかこんな事に使う日がくるとは。
だってアイツら怖すぎんだろ、マサルさん達がロリだとカミングアウトしてもグイグイ来るんだもん、追って来れないように対処して当然だろう…………
ヤッさんとがバンとテーブルに一万円を叩き付け!
「逃げるでーーしかしーーー!!」
「走るぞお前ら~!」
「合点承知の助でござ~る!」
ロリ三人はもの凄い速さで走りだした! その時背後からドアを粉砕する音がしてマサルさん達は振り向いた、ウソだろ…………
「ヤバい! ヤバい! 急げおまえらーー!」
モンスターをを封印したはずなのに、復活が早すぎるだろ! 再び走りだしたロリ三人は、ビルの外に出てさらに走るのだが女達はまだ追って来る。
長い距離を走っていたため、少し遅れだしたブーちゃんは不幸な事に小石に足を取られ転倒した!
「ブヒー!!」
「ブーちゃん!?」
「アカーン! 振り向いたら食われるで~ しかし~!」
転倒したぶーちゃんに、モンスターのような女達が群がるのが見える、マサルさんとヤッさんはブーちゃんという尊い犠牲があって何とか逃げきれた…………
GOOD LUCK!! ブーちゃん…………
甥っ子が悪さをした時は、機関車トー〇スが来るぞと言うと泣き叫んで怯えます、トー〇スは確かに怖いですよね。