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第9話 お勉強

  「ラフィ、君に聞きたい事があるんだけど」


  「何よ?くだらなかったら殴るわよ?」


  俺達は今何もせずダラダラとしている。

  午前中は村を見て回ったが、それも終わってしまい、昼からはゴロゴロと寝転がっていた。


  「あのさ・・・なんで俺が聞きたい事があるって言うと殴るの前提なのさ?」


  「だって、今忙しいし」


  「ゴロゴロしてるだけじゃねーか!?それで忙しかったら走るだけで過労死するわ!!」


  俺は怒鳴ったが、彼女は相変わらずベッドの上でゴロゴロしている。

  キュッと引き締まった形の良いお尻が見える。


  (尻神様だ・・・)


  俺は彼女のお尻を拝んだ。


  「私だって考え事くらいすんのよ!話があるなら早くしなさいよ!!」


  さっきまでのしおらしさは何処に行ったのか、今では平常運転だ・・・。


  「・・・この世界の国ってどうなってんのかなって思ってさ・・・」


  俺はこの世界について何も知らない。

  この先、帰る術を探すためには旅に出る必要があるかも知れない。

  その為には情報が必要だ。


  「国?情勢とかだったら父様かルーカスに聞いた方が良いわよ?」


  彼女は起き上がり、ベッドの上で胡座をかいた。

  スパッツ越しに臀部が丸見えだ・・・。


  「ラフィさんや・・・座るのは良いけど、もっと女の子らしくした方が良いんじゃないかな?」


  俺は指を差して指摘した。


  「別に良いじゃない!気になるなら見なけりゃ良いのよ!!・・・私は見られても困らないわよ?貴方だし・・・」


  彼女はそう言うと赤面した。


  「恥ずかしがる所そこ!?」


  「あーもう!解ったわよ!!座り直せば良いんでしょ!?まったく・・・細かすぎんのよ・・・。で、何が聞きたいのよ?」

  

  彼女は座り直し、改めて尋ねてきた。


  「別に簡単で良いんだよ。どんな国が何ヶ国位あるとか、その国の特徴とかさ!」


  「そうね・・・取り敢えず、この村があるのは人間が収めてる国よ。帝政国家ルグレシア・・・現皇帝は22代目になるらしいわ。この世界では一番人口が多い国になるわね。数に物を言わせて、他の国を圧倒してるわ・・・」


  彼女は淡々と語り出した。


  「君達は何で人間の国に?」


  「父様が国を捨てたのよ・・・母様と結婚するためにね・・・」


  「あ・・・ごめん・・・」


  「別に気にしてないわ・・・堅苦しい所らしいから、むしろ良かったわよ」


  俺が謝ると、笑いながら返してきた。


  「次は私達エルフの国・・・精霊都市ウインダム・・・。規模はこの世界では一番小さいわね。それは他の種族を出来るだけ入れないようにしてるかららしいわ。精霊信仰が盛んで、かなり敬虔な信徒ばかりって話よ。父様は、そこの王族の親戚筋よ・・・。都市なのに国だなんて笑っちゃうわよね!?」


  「そんなに笑わんでも・・・向こうの世界にもあったよ?マルタ騎士団て言うんだけど、騎士団なのに国として認められてたよ」


  「何よそれ・・・貴方の居た世界って何でも有りなの・・・?」


  呆れた様に言われた・・・。


  「で、他には?」


  「あぁ、ごめん。次はそうね・・・。獣人族の国ね!戦闘国家ミクラスって国なんだけど、まんま戦闘民族の集まりよ!主な資源は傭兵って言う位の戦馬鹿の集団ね!国の名前がよく変わるから覚えるのが面倒臭いのよね・・・」


  「何で変わんのさ?」


  俺は不思議に思い聞き返した。


  「その時に一番強い奴が王になるからよ!今は猫人族(キャットピープル)の男って話だけど、滅茶苦茶強いらしいわよ?元々その種族は、俊敏な動きで敵を翻弄し、一撃必殺で倒すらしいんだけど、現王は並居る他種族を力任せに従えたらしいわ・・・。付いたあだ名は百獣の王ね・・・」


  (ライオンかな?)


  俺は苦笑して彼女の話を聞いた。


  「国としては次が最後ね!ドワーフの国、工業国家ドライセル!ドワーフばっかりだから、工業が盛んで物が溢れてるわよ!一度だけ父様に連れて行って貰ったけど、面白い国だったわよ!!」


  「この世界ではエルフとドワーフって仲良いの?俺の世界の物語では仲が悪いって設定だったんだけど・・・」


  「こっちでもそうよ?ただ、父様とこの村の人達は別ね!最初はドワーフに負けていられないって言って飲み比べとかしてたらしいんだけど、一緒に飲んでたら仲良くなったらしいわ・・・」


  「あぁ・・・何か簡単に想像出来るのがあの人らしいね・・・」


  俺達は肩を竦めた。


  「国としてはって言ってたけど、他にもあるの?」


  「あるにはあるけど、数が少ないから国として成り立ってないわね。代表的なのは、竜人族がそうね!彼等は龍神信仰なんだけど、数が少なくてね・・・。力ではこの世界でダントツで一番なんだけど、あまり表立った行動はしないわ。もし彼等が2〜3人戦に参加すれば、戦局が覆るくらいには強いらしいわよ・・・。あとは、海人族は数こそ多いけどまとまりが無いわね!あと、小人族は種としても弱い存在だから、淘汰されてるわね・・・。他には天族ってのも居るとは聞いてるけど、彼等はこの世界の中心にある霊峰からは出てこないから、全くと言っていいくらい情報が出てこないわ・・・。まぁ、ざっとこんな感じよ!解ったかしら!?」


  彼女はやり遂げた顔をしている。


  「ありがとうございました!いやぁ、ラフィ先生の講義は勉強になりましたよ!肩を揉みましょうか?それとも胸を揉んで大きくするお手伝いを致しましょうか?」


        ドゴッ!!


  「そう言うのは、時と場所を弁えなさい!殴るわよ!?」


  「すでに殴ってます・・・」


  俺は彼女に殴られ、部屋の入り口付近まで吹っ飛んだ・・・。


  (時と場所を弁えたら良いんだろうか・・・?)


  俺はそんな事を考えながら気絶した。

  

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