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ダンゴルフェン登場

 ここは、ダンゴムシの聖地「ダンゴゴ」


虫々は農地を耕し、店を開き、自然とともに


自然に感謝し、平和に生きていた。


ある霧のかかった日の夜の事


ダンゴゴ城を警備していたダンゴムシ兵が霧の中に虫影を見つけた。


「そこの方、もう城は閉めている。御用があるのなら明日の朝にしてくれないか?」


すると、その虫影が急にダンゴムシ兵の目の前に忍び寄り


「いいんだ。閉まった門はこじ開ける!」


「何!?」


ザク!鈍い音が響き渡る


ダンゴムシ兵の腹部から大量に流血していた。


何かで刺されたのだった


「グ、ガーー!」


「鍵は貰って行くぞ」


騒ぎを聞きつけた、他のダンゴムシ兵たちが


集まってきた。


「ちい、来たな小さなダンゴ共がよォ」


「何者!?」


「ふん、こいつを殺した殺虫虫ってとこだよ」


殺虫虫の隣には先ほど殺したダンゴムシ兵がいた


「こいつ…、アンリをよくも!かかれ!」


一斉にダンゴムシ兵たちが飛びかかる


「うおおおおあ!」


「やれやれ、命は大切にするもんだぜ」


飛びかかった先には殺虫虫がいない


「くっそ、どこいった」


「上だよ」


一斉に見上げるダンゴムシ兵


そこには、ハングライダーに乗って空を飛ぶ殺虫虫がいた


「今日の風は俺に吹いているねぇ」


そういって、栓を抜いた手榴弾を下に投げた


「まずい、逃げろ!」


バッグオオオオン!


爆発音とともに火が燃え盛る


その風に乗り殺虫虫はダンゴゴ城内部にむかった



一方ダンゴゴ城内には


ダンゴムシの中でいうとめっちゃかわいい


ダンゴゴゴ姫が眠りに就こうとしていた


すると、そこに突然ダンゴムシ執事のダンゴッホが入ってきた


「ダンゴゴゴゴ姫!侵入者です!!」


眠たそうに起きるダンゴゴゴ姫


「”ゴ”が一個多いわよ」


「今は緊急事態です!さあ、早く地下室へ!」


ダンゴゴゴ姫の手を握ってダンゴッホが寝室を抜け


地下に行く階段を目指し廊下を走る


「はあ、兵士が何匹もやられております。せめて、姫…」


ドガン!


その時大きな音とともに天井が抜けて殺虫虫が目の前に現れた


「ハッハハ、どこに向かってんだ?教えてくれねえか?」


「きさま、よくもダンゴゴゴゴ姫は渡さぬ」


「そうはいかねえな。ダンゴグィゴ姫はさらってくぜ~」


そういって、殺虫虫の汚い長い舌を出してベロンベロンした


「軽くかんでんじゃないわよ!あと、”ゴ”一個多い!」


「姫!こらえてください」


ベロンベロンしていた舌をしまい殺虫虫は話した


「威勢がいいこった!なんか言いにくい名前なんだよな」


「人の名前にケチつけないでよ!」


「まあ、御託はいいや、まずそこの執事どきな!」


そういって、執事を窓の外に蹴り飛ばした


パリーーンと窓が割れる


「ダンゴゴゴゴ姫ーー!」


そういって、窓の外からダンゴッホが落ちていく


「いや、一個多い!」


「さあ、ダンゲゥゴギ姫!一緒に行こうか~」


殺虫虫がダンゴゴゴ姫に近づいてくる


「噛みすぎだし、イヤーー!」


「ヒャッホーー」


殺虫虫がダンゴゴゴ姫にとびかかる


すると、執事が割った窓とは反対方向の窓から


突然、ダンゴムシの中では格好いい方のダンゴムシが


パリーンと窓を割って登場し、殺虫虫にタックルをあびせた


「ぐわあ!」


殺虫虫はふっとんだ!


「ダンゴギャッフェ姫!大丈夫ですか!?」


「あなたは、ダンゴムシの英雄ダンゴルフェン!!」


「ダンゲギャッハイ姫が危ないと聞きつけすぐにかけつけました」


「別に無理に名前を呼ばなくて結構よ。ねえ、そんなに呼びにくい?」


殺虫虫がゆっくりと起き上がる


「くくく、きさまが、あのダンゴムシの英雄ダンゴルフェン」


「きさまは、このダンゴゴに邪悪をもたらすと言われるカマキリ族のカマキリリリ」


「ほお、あなたのような有名虫に私の名前を知ってもらえて光栄だなぁ


いかにも、私はカマキリリリだ」


「このダンゴゴの地に何の用だ!?」


「ダンゴゴじゃなくてそこのダンギャギャギャ姫に用があるのさ」


「ふん、ダンギャイポフォンペン姫は、渡さぬに決まっているだろが!!」


「だから、奪い取るんだろうケッケケ」


にらみ合う両者


ダンゴルフェンは舌を噛みすぎて血が出ていた


ダンゴゴゴ姫は


「なぜ、カマキリリリは言えてダンゴゴゴは言えないんだろう」


と思ったとさ

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