表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/20

20、混沌の彼方

 すっかり仲良くなったぼくとソニアは、幸せをかみしめてパパリの宿泊所に泊まっていた。

「それで、王子さまに謁見なんて、できるの? チート」

 ソニアが聞くが、ぼくにも自信はなく、

「知り合いだし、剣を授かったということは、ぼくは、王子さまの騎士の一人ということになるのではないかな」

「ふうん、チートって、なり行きまかせだからねえ」

 そんなこんなで、ぼくは、王宮に行き、王子さまとの謁見を申し出た。自分がチートという者で、王子に聖剣サンジュバを授けられた者であることを告げた。

 取り次ぎの係の者は、怪訝な顔をして、

「一応、お伺いだけ立てて見ますが、おそらく、王子が会われる可能性は低いと思われます」

 と答えた。

 平民のぼくに、王子が会ってくれるとは限らないのだけれど。

 ぼくとソニアは待った。

 王子の私的な知り合いだといってあるけど、それで王子にぼくが誰か通じるだろうか。


 しばらくして、朝から夕方まで待ったぼくらに、取り次ぎの者が声をかけた。

「お会いになるそうです」

 と厳粛な雰囲気でいった。

 すると、王宮の奥から王子があの日の格好でやってきた。

 ぼくはすっかり豪華な服装になっているけど、わかるだろうか。

「チートだな」

 王子が押し殺した声でぼくに話しかけた。

「はい、王子さま。以前、聖剣を受けとった者です。その聖剣で、悪魔と竜を退治してきました」

「あははははははっ」

 王子が大笑いした。

 喜んでいるのか、バカにしているのか。この大笑いは何だ?

 ぼくが訝しがっていると、王子がぼくに近づいた。

「悪魔と竜を退治したから、王子であるこのわたしに会いに来たのか」

「そうです」

「くくくくっ」

「何がおかしいのですか、王子さま」

 あははははっ、と王子はまた大笑いした。

 そして、後頭部の髪をぐっと上にあげた。ポニーテールのような髪型にする。

「バーカ、わたしは女だ。モニカという名の王女だよ」

 え?

 お姫さま?

 ぼくは狐につままれたような顔をした。

「あら、意外と女の子のつてがたくさんあるのね」

 ソニアが後ろで愚痴っていた。


この後のつづきは、まったく何も考えてません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ