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サリシャの光 〜商会の娘が紡ぐ夢〜  作者: ねるね
満ちる
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廊下の二人

本日3話更新です。よろしくお願いします。

 室内が辞令を受けて大騒ぎになっていた頃、廊下で待つローラに声をかけるカイの姿があった。


「……なあ、補佐殿。使者の部屋付き侍女なんてものは、みな貴族なんじゃないのか?」


「ライナス様は元は平民でいらしたけど、国賓ですもの。貴族家の上級侍女が二人配されてるわね」


「……そんなとこにあいつが行って大丈夫なのか? 陰湿な嫌がらせを受けたり、相手にされなかったりしないのか?」


「いやあね、みんなちゃんと分別のある大人よ。それに人格も勘案したうえでの選定です。そんな程度の低い人間はいないと断言するわ」


「……そうか。良い環境なんだな」



 会話が途切れると、室内の喧騒がことさらに大きく響いた。


「カイ君こそ大丈夫なの? サーシャちゃんがいなくなったら困るんじゃない? 別の人、見つけてくるわよ?」


「いや、いい。縫製室の連中がいたら仕事は何とでもなるから」


「そう。困ったらすぐに言ってね」



 室内から聞こえる音は、もう止んでいる。途切れ途切れの声を聞くともなくローラは佇む。


「……なあ、補佐殿。……あいつのこと、よろしくお願いします」


「ふふっ、言われなくとも」




 サーシャの足音が聞こえる。


 ローラはカイから少し距離をとって、『準備』が終わるのを待った。

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