表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただの悪役令嬢"声優"は静かに暮らしたい ― 超有能な勘違い弟子令嬢から溺愛されて逃げられません ―  作者: 荒瀬 維人
第7章:皇子の正体バレと"聖女認定"の加速

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/39

第1節:セラ、正体がバレる(偶然の事故)

(ルーク視点)



その日は――



王都の大通りで――



慈善市が開かれていた。



「すごい人だ……」



僕は、人混みを見渡す。



貴族も、平民も――



みんな、市を楽しんでいる。



「師匠も、来てくださって――」



リザが、嬉しそうに言う。



「ありがとうございますわ」



「いいのよ」



師匠が、優雅に微笑む。



だが――



僕には、分かる。



その笑顔は――



演技。



「……」





僕たちは――



市の中を、歩いていた。



師匠の周りには――



護衛が、10名。



メイドが、5名。



「……」



(目立ちすぎだろ……)



僕は、心の中で呟いた。



案の定――



周囲の人々が――



一斉に、振り向く。



「あれ……シルヴィア様!?」



「本物だ……!」



「聖女様だ!」





人々が、集まってくる。



「シルヴィア様!」



「握手してください!」



「サインを!」



護衛たちが――



人々を、制止する。



「申し訳ありません」



「シルヴィア様は、公務中です」



「お控えください」





だが――



人々は、引かない。



「お願いします!」



「一目だけでも!」



「……」



師匠が、小さく息をつく。



そして――



優雅に、微笑んだ。



「みなさん」



師匠の声が――



人々を、静める。



「ありがとうございます」



「私は――」



「みなさんのおかげで、ここにいます」



その言葉に――



人々が、感動する。



「なんと、謙虚な……」



「まさに、聖女様……」





師匠が、人々に――



手を振る。



優雅に、一礼する。



そして――



護衛に囲まれて――



その場を、離れた。



「……」



僕は、師匠の背中を見ていた。



(師匠……疲れてる)



あの笑顔は――



完璧だった。



でも――



きっと、心の中では――



悲鳴を上げている。





    





市を抜けて――



少し、静かな場所に出た。



「ふぅ……」



師匠が、小さくため息をつく。



「お疲れ様です、師匠」



マンディが、水を差し出す。



「ありがとう」



師匠が、水を受け取る。





その時――



「わっ!」



セラの声が、聞こえた。



「セラ?」



僕が、振り向く。



セラが――



石につまずいて――



転んでいた。



「大丈夫か!?」



僕は、駆け寄る。



「あ、ああ……」



セラが、立ち上がる。



だが――



その拍子に――



帽子が、脱げた。



「……!」



セラが、慌てる。



だが――



遅かった。





金色の髪。



青い瞳。



そして――



額に刻まれた――



王家の紋章。



「……」



周囲の人々が――



固まった。



「あれ……」



「まさか……」



「第二皇子……!?」





どよめきが、広がる。



「セラフィン殿下……!?」



「皇子様が、こんな所に……!?」



「……」



セラが、完全に――



青ざめた。





    





「し、しまった……」



セラが、小声で呟く。



「帽子……」



僕は、慌てて――



帽子を拾う。



「ほら、セラ……」



だが――



もう、遅かった。



人々が――



一斉に、跪いた。



「「「セラフィン殿下!」」」



「……」



セラが、固まる。



そして――



小さく、呟いた。



「……バレた」





「セラフィン殿下!」



誰かが、叫ぶ。



「なぜ、こんな所に!?」



「護衛は!?」



「王宮に、連絡を!」



人々が、騒ぎ始める。



「ちょ、ちょっと……」



セラが、慌てる。



「待って、落ち着いて……」



だが――



人々は、聞かない。



「殿下が、民衆に紛れている!?」



「これは、大変なことだ!」



「王宮に、報告しないと!」





その時――



「みなさん」



師匠の声が――



響いた。



人々が――



一斉に、静まる。



「シルヴィア様……」



「落ち着いてください」



師匠が、優雅に言う。



「セラフィン殿下は――」



「私の、弟子です」



「……」



会場が――



さらに、静まり返った。





「弟子……?」



誰かが、呟く。



「皇子が……弟子……?」



「はい」



師匠が、頷く。



「殿下は、冒険者として――」



「修行中です」



「……」



人々が、顔を見合わせる。



そして――



「「「おおおおお!!!」」」



歓声が、上がった。



「皇子が、シルヴィア様の弟子に!?」



「これは、すごいことだ!」



「王国の誇りだ!」





セラが――



完全に、固まった。



「……終わった」



小さく、呟いた。





    





その後――



僕たちは、急いで――



クラン拠点に、戻った。



「……」



セラは、ソファに――



ぐったりと、座り込んでいる。



「やってしまった……」



「完全に、バレた……」



「セラ……」



僕が、声をかける。



「大丈夫か?」



「大丈夫なわけ、ないだろ……」



セラが、虚ろな目で答える。



「これで、僕は――」



「もう、普通の冒険者には――」



「戻れない……」





「まあまあ」



マンディが、お茶を差し出す。



「元気出してください、セラ」



「元気、出ないよ……」



セラが、力なく答える。



「父上に、怒られる……」



「それに――」



セラが、顔を上げる。



「これで、師匠にも――」



「迷惑が……」



「……」



師匠が、黙って――



窓の外を見ていた。





その時――



扉が、ノックされた。



「失礼します」



侍従が、入ってくる。



「シルヴィア様」



「はい……」



師匠が、力なく答える。



「王宮から、緊急の伝令です」



侍従が、書類を差し出す。



「……」



師匠が、書類を開く。



そして――



固まった。



「師匠……?」



リザが、心配そうに訊ねる。



「どうしました?」



「……」



師匠が、小さく――



呟いた。



「明日――」



「王宮で、緊急会議だって」



「緊急会議……?」



「うん」



師匠が、書類を見せる。



そこには――





『セラフィン皇子の冒険者活動について』



『シルヴィア・ド・ノワールの教育方針について』



『緊急王宮会議 明日午前10時』





と、記されていた。



「……」



セラが、完全に――



青ざめた。



「終わった……」



「完全に、終わった……」





    





その日の夜。



王都の新聞には――



『速報:第二皇子、聖女の弟子だった』



という見出しで――



僕たちの写真が、一面に掲載された。





記事には――



「皇子が民衆に紛れて修行」



「聖女シルヴィア、皇族すら導く」



「王国史上、前例のない事態」



と、書かれていた。





「……」



僕は、新聞を見て――



ため息をついた。



(これ……大変なことになった)





隣では――



セラが、ベッドに――



突っ伏していた。



「もう、人生終わった……」



「父上に、何て言おう……」



「セラ……」



「ルーク」



セラが、僕を見る。



「僕、もう――」



「王宮に、戻らないといけないかも」



「え……」



「皇子なんだから――」



セラが、自嘲的に笑う。



「当然だよね」



「……」



僕は、何も言えなかった。





「でも――」



セラが、小さく呟く。



「僕、まだ――」



「冒険者、続けたかったな……」



その声は――



悲しそうだった。



「……」



僕は、胸が痛くなった。



(セラ……)





    





翌朝。



僕たちは――



王宮に、向かった。



謁見の間。



国王が――



玉座に、座っている。



周りには――



大臣たちが、並んでいる。



「……」



僕は、緊張した。



(これ……どうなるんだろう)





「セラフィン」



国王が、セラを見る。



「……はい、父上」



セラが、跪く。



「お前――」



国王が、重々しく言う。



「なぜ、身分を隠して――」



「冒険者活動を、していた」



「それは……」



セラが、答えに詰まる。



「僕は――」



「普通の冒険者として――」



「修行したかったんです」



「……」



国王が、黙り込む。



そして――



「シルヴィア・ド・ノワール」



師匠を、見た。



「はい」



師匠が、優雅に一礼する。



「お前は――」



国王が、訊ねる。



「セラフィンが、皇子だと――」



「知っていたのか?」



「……」



師匠が、少し――



迷った。



そして――



「いいえ」



「最近、知りました」



と、答えた。



「そうか……」



国王が、頷く。





その時――



大臣の一人が――



口を開いた。



「陛下」



「何だ」



「これは――」



大臣が、真剣な表情で言う。



「前例のない、事態です」



「皇子が、民間の冒険者として――」



「活動していた」



「しかも――」



大臣が、師匠を見る。



「その師匠が――」



「王国公式クランのマスター」



「これは――」



大臣が、続ける。



「ある意味――」



「絶好の機会です」



「機会……?」



国王が、訊ねる。



「はい」



大臣が、頷く。



「皇子が、聖女の弟子」



「これは――」



大臣が、目を輝かせた。



「王国の威信を、大いに高めます」



「……」



僕は、嫌な予感がした。





「つまり――」



別の大臣が、続ける。



「シルヴィア様は――」



「皇族すら、導く存在」



「まさに――」



大臣が、真剣に言う。



「聖女そのものです」



「……」



師匠の顔が――



青ざめた。



「ですから――」



大臣が、提案する。



「この機会に――」



「シルヴィア様を――」



「王国の国家象徴として――」



「正式に、認定すべきです」



「!」



師匠が、固まった。





「国家象徴……」



国王が、呟く。



「それは――」



「はい」



大臣が、頷く。



「王国の顔として――」



「内外に、宣伝します」



「シルヴィア様の存在が――」



「王国の力を、示すのです」



「……」



国王が、考え込む。



そして――



「分かった」



頷いた。



「シルヴィア・ド・ノワールを――」



「王国の国家象徴として――」



「認定する」



「!」



師匠が、完全に――



固まった。





「ちょ、ちょっと待ってください……」



師匠が、必死に言う。



「私は――」



「ただの冒険者で――」



「いや」



国王が、首を横に振る。



「お前は、もう――」



「ただの冒険者ではない」



「皇子を導き――」



「王国を守る――」



「聖女だ」



「……」



師匠の魂が――



抜けた。





    





会議が終わった後。



僕たちは――



控室に、戻った。



「……」



師匠は、ソファに――



ぐったりと、座り込んでいる。



「国家象徴って……」



「何、それ……」



虚ろな声で――



呟いた。



「師匠……」



リザが、心配そうに声をかける。



「大丈夫ですか?」



「大丈夫じゃない……」



師匠が、力なく答える。



「もう、何もかも……」



「おかしい……」





その時――



セラが、深々と――



頭を下げた。



「すみません、師匠……」



「僕のせいで……」



「……」



師匠が、セラを見る。



そして――



小さく、笑った。



「いいのよ、セラ」



「あなたのせいじゃない」



「でも……」



「どうせ――」



師匠が、自嘲的に笑う。



「いつか、こうなってたわ」



「……」





師匠が、窓の外を見る。



「もう――」



「逃げられない」



小さく――



呟いた。





――第7章第1節、完。



セラが、転んだ。



帽子が、脱げた。



皇子の正体が、バレた。



人々は、驚いた。



そして――



「皇子が、聖女の弟子!」と、騒いだ。



王宮は――



これを、絶好の機会と見た。



「皇族すら導く聖女」



「王国の国家象徴として認定」



師匠は――



もう、ただの冒険者ではない。



国家の象徴になった。



セラは、謝った。



だが――



師匠は、笑った。



「どうせ、いつか――」



「こうなってたわ」



もう――



逃げられない。


最後までありがとうございました!


楽しんでいただけたら、

評価やブックマークを入れてもらえるととても嬉しいです。


反応があると更新速度が上がります(重要)

コメント頂ける方はマナーとして好きな声優さんかVtuberを必ず記入してください(超重要)


それでは次回の更新をお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ