表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただの悪役令嬢"声優"は静かに暮らしたい ― 超有能な勘違い弟子令嬢から溺愛されて逃げられません ―  作者: 荒瀬 維人
第4章:弟子たちの試練と覚醒

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/39

第3節:マンディの試練

(マンディ視点)


師匠を――迎えに行く。


僕は――そう決めた。


あの卒業式から――五日が経った。


師匠は――王家の静養地という名前で――遠くに、追いやられた。


(セラの言う通りだ……)(あれは、陰謀だ……)


僕は――悔しかった。


師匠は――誰よりも、優しくて。誰よりも、強くて。誰よりも、素晴らしい人だった。


なのに――都から、追い出された。


(そんなの――)(おかしい)


僕は――拳を握る。


(師匠を――)(守りたい)


そのためには――力が必要だ。


王家や、貴族たちに――負けない力。


(だから――)(僕は、強くなる)


僕は――南へ、向かった。


*  *  *


ダークフォレスト・ダンジョンに到着したのは――その日の午後だった。


鬱蒼とした森の奥。巨大な洞窟の入口が――口を開けていた。


「ここが……」


僕は、息を呑んだ。


(すごい魔力だ……)


入口から――濃密な魔力が、溢れ出している。


「助けてくれえええっ!」


突然、悲鳴が聞こえた。


「!」


僕は、声のする方へ走る。


森の中――小柄な男が、魔獣に襲われていた。いや――ドワーフだ。


身長は僕の胸くらい。しかし――その筋肉は、岩のように硬そうだった。立派な髭を蓄え――背中には、巨大なハンマーを背負っている。


「グルルル……」


三体の狼型魔獣が――ドワーフを、囲んでいた。


(危ない!)


僕は、飛び出した。


「はあっ!」


拳を放つ。右ストレート。一体目の狼の顎に――直撃。


ガキィン。


狼が――吹き飛ぶ。


「なっ!?」


ドワーフが、驚く。


「大丈夫ですか!」


僕は、ドワーフの前に立つ。


残り二体の狼が――襲いかかってくる。


「くっ!」


左フック。回し蹴り。師匠から学んだ――基礎の動きで、応戦する。


そして――最後の一体に――渾身の一撃を、叩き込んだ。


「おおおおっ!」


アッパーカット。狼が――天井まで、吹き飛ぶ。


「ふう……」


僕は、息を整える。


「だ、大丈夫ですか?」


ドワーフに、声をかける。


「あ、ああ……」


ドワーフが、頷く。


「助かった……」


「ありがとう、少年」


「いえ」


僕は、首を振る。


「当然のことです」


「……」


ドワーフが、僕を見る。


「お前――武器は?」


「武器……?」


僕は、困惑する。


「持ってません」


「持ってない……?」


ドワーフが、眉を上げる。


「なら、どうやって戦うんだ?」


「これで」


僕は、拳を握った。


「……拳か」


ドワーフが、興味深そうに頷く。


「珍しいな」


「最近の若造は――みんな、剣や魔法に頼る」


「でも、お前は――己の体を、武器にするのか」


「はい」


僕は、頷く。


「師匠が――教えてくれたんです」


「どんな武器よりも――信じられるのは、自分の体だって」


「ほう……」


ドワーフが、ニヤリと笑う。


「いい師匠を、持ってるな」


「それで――」


ドワーフが、立ち上がる。


「お前は、ここに何しに来た?」


「あの――」


僕は、答える。


「ギムリ様を、探してます」


「修行を――お願いしたくて」


「ギムリ?」


ドワーフが、笑う。


「そいつは、俺だ」


「え!?」


僕は、驚く。


「あなたが、ギムリ様!?」


「ああ」


ギムリが、頷く。


「ドワーフの鍛冶師――ギムリ・アイアンハンマーだ」


「そして――」


ギムリが、僕の手を握る。


「お前は、俺の命の恩人だ」


「よろしく頼む」


「よろしく、お願いします!」


僕は、深く頭を下げた。


*  *  *


ギムリの工房は――ダンジョンの入口近くにあった。


石造りの小さな建物。中には――巨大な炉と、金床、そして無数の道具があった。


「さて――」


ギムリが、僕を見る。


「お前、武器がないんだろ?」


「はい……」


「なら――」


ギムリが、工房の奥へ歩く。


「これを、やろう」


そう言って――ギムリが持ってきたのは――鋼鉄のナイフだった。


黒く輝く、美しい刃。


「これは……」


「俺が、作ったナイフだ」


ギムリが、差し出す。


「よく切れるぞ」


「お前への、礼だ」


「ありがとうございます……」


僕は、ナイフを受け取った。


重い。でも――手に、馴染む。


「でも――」


ギムリが、続ける。


「武器だけじゃ、足りないだろ?」


「お前、修行に来たんだろ?」


「はい」


「なら――」


ギムリが、微笑む。


「俺が、教えてやろう」


「鍛冶を」


「鍛冶……?」


「ああ」


ギムリが、頷く。


「鍛冶を学べば――武器の心が、わかる」


「自分の体も――鍛えられる」


「一石二鳥だ」


「……わかりました」


僕は、頷いた。


(師匠――)(僕――)(頑張ります)


*  *  *


それから――僕は、鍛冶の修行を始めた。


毎日――朝から晩まで、炉の前。鉄を、打つ。炎を、操る。呼吸を、整える。


「違う!」


ギムリが、叱る。


「もっと、力を込めろ!」


「鉄は――叩けば叩くほど――強くなる!」


「はい!」


僕は、力いっぱい叩く。


ガン、ガン、ガン。火花が、散る。汗が、溢れる。


でも――不思議と、楽しかった。


(これは――)(師匠が、教えてくれたことと――)(同じだ)(心を込めること)(想いを込めること)(それが――)(強さになる)


そして――一ヶ月が、過ぎた。


僕は――簡単なナイフを、作れるようになった。


「いいぞ、マンディ」


ギムリが、言う。


「お前――センスあるな」


「ありがとうございます」


僕は、嬉しかった。


「さて――」


ギムリが、立ち上がる。


「そろそろ――ダンジョンに、行くぞ」


「ダンジョン……?」


「ああ」


ギムリが、頷く。


「このダンジョンには――アダマンタイトが、眠ってる」


「アダマンタイト……!」


僕は、驚く。


(聞いたことがある……)(鋼鉄の千倍硬い――)(伝説の金属……!)


「それを、採取しに行く」


ギムリが、言う。


「ついてこい」


「はい!」


僕は、頷いた。


*  *  *


ダンジョンの中は――暗かった。


松明の光だけが――頼りだった。壁には――不気味な模様が、刻まれている。床は、石畳。足音が、反響する。


「気をつけろ」


ギムリが、言う。


「このダンジョンは――危険だ」


「魔獣が、うじゃうじゃいる」


「はい」


僕は、拳を構える。


そして――予感は、当たった。


「グルルル……」


唸り声。暗闇から――狼型の魔獣が、現れた。五体。


「来るぞ!」


ギムリが、ハンマーを構える。


「任せてください!」


僕は、前に出る。


(ギムリさんを――)(守らないと)


狼が――襲いかかってくる。


「はあっ!」


僕は、拳を放つ。右ストレート、左フック、回し蹴り。師匠から学んだ――基礎の動きを、繰り返す。


そして――五体すべてを、倒した。


「やるな、マンディ」


ギムリが、感心する。


「お前――強いな」


「ありがとうございます」


僕は、微笑む。


(師匠――)(見てますか?)(僕――)(ギムリさんを、守れましたよ)


そうして――僕たちは、ダンジョンを進んだ。途中――何度も魔獣と戦った。でも――僕がギムリを守りながら――進んでいった。


そして――ある場所で――ギムリが、立ち止まった。


「ここだ」


ギムリが、壁を指す。


「アダマンタイトが、眠ってる」


「!」


壁には――黒い鉱石が、埋め込まれていた。まるで――闇そのもののような、美しい輝き。


「これが……」


僕は、息を呑んだ。


「ああ」


ギムリが、ハンマーで掘り始める。


「手伝え」


「はい!」


僕も、素手で掘る。拳で、岩を砕く。


そして――一時間後。僕たちは――拳大のアダマンタイトを、手に入れた。


「よし」


ギムリが、満足そうに頷く。


「これで――いいものが、作れる」


「いいもの……?」


「ああ」


ギムリが、ニヤリと笑う。


「真のドワーフの製鉄を――見せてやろう」


*  *  *


工房に戻ると――ギムリが、炉に火を入れた。


炎が――轟々と、燃える。


「見ろ」


ギムリが、アダマンタイトを炉に入れる。黒い鉱石が――炎の中で、輝き始める。


「アダマンタイトは――」


ギムリが、説明する。


「鋼鉄の千倍硬い」


「どんなハンマーでも――傷一つ、つけられない」


「でも――」


ギムリが、真剣になる。


「これを、加工する方法がある」


「加工……?」


「ああ」


ギムリが、深く息を吸った。


「鉄を弱らせ――」


ギムリの拳が――炎を、纏い始めた。


「従えるのだ!」


ギムリが――炎をまとう拳で――アダマンタイトを――軽く、殴りつけた。


ドン。


その瞬間――信じられないことが、起きた。どれほど叩いても傷一つつかないアダマンタイトが――ぐにゃりと、曲がった。


「――!?」


僕は、目を見開いた。


(あんなに硬い金属が……)(拳で……!?)


「これが――」


ギムリが、言う。


「ドワーフの秘奥義」


「炎拳製鉄だ」


そして――ギムリは、アダマンタイトを成型し始めた。拳で、叩く。拳で、伸ばす。拳で、整える。


炎が――金属を、包み込む。まるで――金属が、生きているかのように――ギムリの意志に、従っていく。


そして――三時間後。アダマンタイトのナイフが、完成した。


黒く輝く、美しい刃。先ほど僕がもらったナイフとは――比べ物にならないほど、美しい。


「すごい……」


僕は、感嘆した。


「ギムリさん」


僕は、訊ねた。


「あの――その拳技を――教えてもらえませんか?」


「拳技……?」


「はい」


僕は、真剣に言う。


「炎をまとう拳――鉄を従える技――それを――教えてください!」


「……」


ギムリが、黙り込む。


そして――小さく、笑った。


「本当に――変わった奴だな」


「普通は――武器を欲しがるのに」


「お前は、技を求めるのか」


「はい」


僕は、頷く。


「僕の武器は――この拳です」


「だから――拳を、もっと強くしたいんです」


「……わかった」


ギムリが、頷く。


「教えてやろう」


「だが――簡単じゃないぞ」


「炎拳製鉄は――ドワーフの秘奥義」


「修得には――何年もかかる」


「大丈夫です」


僕は、微笑む。


「僕には――時間があります」


「それに――」


僕は、拳を見る。


「師匠が――教えてくれたから」


「必ず――修得してみせます」


「……いい目だ」


ギムリが、微笑む。


「なら――明日から、始めるぞ」


「はい!」


僕は、力強く頷いた。


*  *  *


それから――僕は、炎拳製鉄の修行を始めた。


毎日――朝から晩まで、炉の前。鉄を、打つ。炎を、纏う。呼吸を、整える。


「違う!」


ギムリが、叱る。


「鉄を、敵だと思うな!」


「鉄は――仲間だ!」


「仲間……?」


「ああ」


ギムリが、頷く。


「鉄を、理解しろ」


「鉄の、声を聞け」


「そうすれば――鉄は、お前に従う」


「……はい」


僕は、頷いた。


(鉄の、声……)


それから――僕は、鉄と向き合った。打つ、打つ、打つ。炎を、纏う。呼吸を、合わせる。


しかし――なかなか、うまくいかない。拳に、炎が纏えない。鉄が、従わない。


「くそっ……」


僕は、悔しかった。


(まだ、足りない……)(もっと、強くならないと……)


そんな日々が――二ヶ月、続いた。


*  *  *


ある日。ギムリが、提案した。


「マンディ」


「もう一度――ダンジョンに、行くぞ」


「今度は――最深部だ」


「最深部……?」


「ああ」


ギムリが、頷く。


「そこには――良質なアダマンタイトが、ある」


「それを、採取しに行く」


「……わかりました」


僕は、決意した。


*  *  *


ダンジョンの最深部近く。そこは――今までとは、違っていた。


空気が、重い。魔力が、濃密だ。


「気をつけろ」


ギムリが、言う。


「この先は――危険だ」


「はい」


僕は、拳を構える。


そして――僕たちは、進んだ。途中――何度も魔獣と戦った。僕がギムリを守りながら――進んでいく。


そして――最深部に近い、広い空間に――辿り着いた。


「ここだ」


ギムリが、壁を指す。


「アダマンタイトが――たくさん、眠ってる」


「!」


壁には――無数の黒い鉱石が、埋め込まれていた。


「すごい……」


僕は、息を呑んだ。


「よし」


ギムリが、ハンマーで掘り始める。


「手伝え」


「はい!」


僕も、素手で掘る。


そして――その時。部屋の奥から――地響きがした。


ドドドドド。


「な、何だ……!?」


僕は、振り向く。


そして――目を見開いた。


部屋の奥から――巨大な魔獣が、現れた。


**アダマンタイトでできた、ゴーレム。**高さは、十メートル以上。その体は――黒く輝き――圧倒的な存在感を放っていた。


「アダマンゴーレム……!」


ギムリが、叫ぶ。


「まずい!」


「こいつは――暴走してる!」


「暴走……!?」


「ああ!」


ギムリが、ハンマーを構える。


「普通のゴーレムは――敵意がなければ、襲ってこない」


「でも――暴走したゴーレムは――見境なく、襲う!」


「ガアアアアアッ!」


ゴーレムが、咆哮する。


そして――襲いかかってきた。巨大な拳が――振り下ろされる。


「逃げろ、マンディ!」


ギムリが、叫ぶ。


「はあっ!」


僕は、横に跳ぶ。


拳が――床に、叩きつけられる。


ドゴォォン。床が、砕ける。


(速い……!)(そして、重い……!)


「くそっ!」


ギムリが、ゴーレムの足に――ハンマーを叩き込む。


ガキィィン。しかし――傷一つ、つかない。


「硬すぎる……!」


ギムリが、悔しそうに言う。


「アダマンタイト製だから――どんな攻撃も、通じない!」


「ギムリさん!」


僕は、叫ぶ。


「どうすれば……!」


「わからん!」


ギムリも、焦っている。


「こんな奴――初めて見た!」


そして――その時。ゴーレムが――急に、動きを変えた。ギムリに――向かっていく。


「――!」


ギムリが、気づく。しかし――遅かった。


ゴーレムの拳が――不意打ちで――ギムリを、直撃した。


ドガァァァン。


「ギムリさんっ!!」


僕は、叫ぶ。


ギムリが――吹き飛ばされ――壁に、叩きつけられる。


「ぐあっ……」


ギムリが、血を吐く。


「ギムリさん!」


僕は、駆け寄る。


「大丈夫ですか!?」


「う……」


ギムリが、うめく。


「くそ……」


「やられた……」


「動かないでください!」


僕は、ギムリを支える。


(どうする……)(このままじゃ――)(ギムリさんが……!)


ゴーレムが――再び、近づいてくる。その拳が――ギムリに、振り下ろされようとする。


「やめろおおおっ!!」


僕は――考えるより先に、動いていた。ギムリの前に――飛び出す。


そして――拳を、握った。


(師匠――)(ギムリさん――)(みんな――)(力を、貸してください!)


僕は――渾身の一撃を、放った。


「はああああああっ!!」


拳が――ゴーレムの腹部に――叩き込まれる。


その瞬間――光が――


降り注いだ。


「――!?」


僕の体が――光に、包まれる。


温かい。優しい。でも――圧倒的な力を、感じる。


『よくやった、子よ』


声が――聞こえた。女性の、優しい声。


『あなたは――』


『大切な者を守るために――』


『立ち向かった』


『それは――』


『勇気ある行い』


『だから――』


『私の加護を、授けよう』


「あなたは……?」


僕は、訊ねた。


『私は――』


『女神ルミナス』


「ルミナス……!」


僕は、驚く。


『そう』


光が、さらに強くなる。


『あなたに――』


『炎の加護を』


『不屈の力を』


『授ける』


「ありがとうございます……」


僕は、涙を流した。


(僕……)(力を、いただいたんだ……)


光が――僕を、包み込む。


そして――僕の拳が――**炎を纏った。**いや――白い炎を、纏った。


「これが……」


僕は、拳を見る。拳が――白く輝く炎を、纏っている。


「ルミナスの、加護……」


「マンディ……お前……」


ギムリが、驚いている。


「白い炎……」


「それは――聖炎だ……!」


「聖炎……」


僕は、頷く。


(この力なら――)(守れる)(ギムリさんを)(みんなを)


僕は、ゴーレムを見た。


「もう一度……!」


僕は、拳を構える。


ゴーレムが――再び、襲いかかってくる。


「はああああっ!!」


僕は、拳を放つ。白い炎が――拳を、包み込む。


(鉄を弱らせ――)(従えるのだ!)


ギムリの言葉が――頭に浮かぶ。


そして――僕は、わかった。


(これが――)(炎拳製鉄……!)


「烈火拳・爆炎!」


拳が――ゴーレムの腹部に――叩き込まれた。


ドゴォォォン。白い炎が――爆発する。


そして――アダマンゴーレムの腹部に――大穴が、開いた。


「――!?」


ギムリが、目を見開く。


「あんな硬いアダマンタイトを……」


「拳で……!?」


ゴゴゴゴゴ。


ゴーレムが――崩れ始める。腹部の穴から――光が、溢れる。


そして――ゴーレムは――光に包まれ――消滅した。


ドサァァァ。


後には――アダマンタイトの欠片だけが――散らばっていた。


「やった……」


僕は、呟く。


(倒せた……)(ギムリさんを――)(守れた……)


拳を――見る。白い炎が――静かに、燃えている。


「マンディ……」


ギムリが、言う。


「お前――やったな……」


「ルミナス様の加護を――受けたんだ……」


「はい」


僕は、頷いた。


(師匠――)(僕――)(やりました)(新しい力を――)(手に入れました)


*  *  *


それから――僕は、さらに修行を続けた。


ルミナスの加護を受けた僕は――日に日に、強くなった。炎拳製鉄も――自在に、使えるようになった。


ギムリも、驚いていた。


「お前――もう、俺を超えた」


「いえ」


僕は、首を振る。


「まだまだ、学びたいです」


「ギムリさん――あなたは、僕の技の師匠です」


「でも――」


僕は、微笑む。


「心の師匠は――別にいます」


「……そうか」


ギムリが、頷く。


「その師匠は――幸せ者だな」


「お前のような弟子を、持てて」


「いいえ」


僕は、首を振る。


「僕が――幸せ者です」


「師匠に、出会えて」


*  *  *


そして――半年が、経った。


別れの日。


「ギムリさん」


僕は、深く頭を下げる。


「ありがとうございました」


「礼には及ばん」


ギムリが、言う。


「お前は――立派な拳闘士になった」


「いや――」


ギムリが、ニヤリと笑う。


「拳闘王だな」


「拳闘王……」


僕は、その言葉を噛み締める。


(拳闘王……)(僕が……?)


「ああ」


ギムリが、頷く。


「お前の拳は――誰にも、負けない」


「胸を張って――師匠の元へ、戻れ」


「はい!」


僕は、涙を流した。


(師匠――)(僕――)(強くなりました)(拳闘王に――)(なれました)(必ず――)(会いに行きます)


白い炎の拳を、握りしめ――僕は、歩き出した。


師匠の元へ。仲間の元へ。新しい力を携えて。

最後までありがとうございました!


楽しんでいただけたら、

評価やブックマークを入れてもらえるととても嬉しいです。


反応があると更新速度が上がります(重要)

コメント頂ける方はマナーとして好きな声優さんかVtuberを必ず記入してください(超重要)


それでは次回の更新をお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ