表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただの悪役令嬢"声優"は静かに暮らしたい ― 超有能な勘違い弟子令嬢から溺愛されて逃げられません ―  作者: 荒瀬 維人
第3章:過去編・声優から師匠へ(学園時代)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/39

第2節:人生最高の高笑い

収録ブース。


マイクの前に、私は立っていた。


深呼吸。


腹式呼吸を、意識する。


人生最高の高笑い。


ディレクターの言葉が、胸に響く。


(やってみせる)


私は、決意した。


これまで積み重ねてきた、すべてを込めて――


最高の高笑いを、披露する。


「それでは、本番いきます」


ディレクターの声。


「スタンバイ……スタート!」


カウントが、始まる。


3、2、1――


私は――


限界まで、息を吸い込んだ。


腹式呼吸。


横隔膜を下げ、肺いっぱいに空気を取り込む。


そして――


「おーっほほほほほほほほほっ!」


高笑いが、ブースに響いた。


優雅に。


気高く。


そして――


圧倒的に。


声は、波のように広がる。


抑揚は、完璧。


間は、絶妙。


私は、さらに息を吸い込んだ。


(まだ、足りない)


もっと。


もっと高く。


もっと美しく。


「おーっほほほほほほほほほほほほほっ!」


二度目の高笑い。


ブース全体が、震えるような響き。


だが――


その瞬間。


私の視界が、揺らいだ。


(……え?)


めまい。


頭が、ぼんやりする。


息が――


苦しい。


(貧血……?)


腹式呼吸を、限界まで使いすぎた。


酸素が、足りない。


だが――


まだ、終われない。


これが、最後の高笑い。


これで――


物語を、締めくくるんだ。


私は、最後の力を振り絞った。


「おーっほほほほほほほほほほほほほほほほほっ!」


三度目の高笑い。


完璧だった。


今までで、最高の――


そして――


私の意識は、途切れた。


*  *  *


「しのぶさん!」


「救急車! 早く!」


「しのぶさん、しっかりして!」


遠くから、声が聞こえる。


だが――


私の体は、動かなかった。


(ああ……やっちゃった)


私は、ぼんやりと思った。


(限界まで、やりすぎた)


腹式呼吸。


声優の基本だが――


限界を超えれば、体に負担がかかる。


(でも……いい高笑いだった)


私は、満足していた。


人生最高の高笑い。


それを、やり遂げた。


そして――


私の意識は、完全に途切れた。


*  *  *


暗闇。


私は、何も見えない空間にいた。


(……ここは?)


声を出そうとするが、出ない。


体を動かそうとするが、動かない。


(私……死んだの?)


ふと、そんな考えが浮かぶ。


貧血で倒れて――


そのまま、死んでしまったのかもしれない。


(……そっか)


不思議と、恐怖はなかった。


むしろ――


安らぎすら、感じていた。


(人生最高の高笑いで、終われたなら――)


それは、声優として――


悪くない最期かもしれない。


だが――


その時。


暗闇の中に、光が差し込んだ。


「……え?」


光は、どんどん大きくなる。


そして――


私を、包み込んだ。


(これは……)


転生?


転移?


そんな言葉が、頭をよぎる。


(まさか……)


だが――


光は、私を飲み込んだ。


そして――


私の意識は、再び途切れた。

最後までありがとうございました!


楽しんでいただけたら、

評価やブックマークを入れてもらえるととても嬉しいです。


反応があると更新速度が上がります(重要)

コメント頂ける方はマナーとして好きな声優さんかVtuberを必ず記入してください(超重要)


それでは次回の更新をお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ