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エクストラムマン2  作者: モッズコート
怪の一 牡丹ちゃんの電話
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第六話

 翌日になって、隼人と勝平は噂の源流を辿った。「牡丹ちゃんの電話の噂を誰かから聞いたことがある人は滝隼人か石田勝平まで」と言って広めると女子生徒が多く集まった。嘘か本当かわからないけれど、とりあえず「一次」は集まった。

「音楽部のハンサムボーイ滝隼人」とお近付きになりたいと思う輩ばかりで、そういう不純な嘘つきは勝平が吠えて帰らせた。すると、驚くべきことに、三人ほどしか残らなかった。


「私は、三年生の梅田(うめだ)先輩から聞きました!」

「私も!」

「俺は、バスケ部の横浜(よこはま)宗介(そうすけ)って奴から聞きました。横浜はたしかに『梅田先輩から聞いた』って言ってた気がします」

「梅田先輩か」


 梅田(うめだ)(しん)。三年五組に所属している。身長は百七十五センチメートル。隼人より十二センチメートル程小さく、勝平より二十センチメートル程小さい。

 サッカー部の元主将で、隼人の通う中学校のサッカー部の元主戦力。現在は引退済み。隼人が来る前は「学校一の美形」を自称していたが、どうしてか最近はなりを潜めているらしい。


「会ってみるか」

「勝平が話してくれない? 俺あの人に嫌われてるから」

「お前のこと嫌いになる奴人を見る目ありすぎ」

「それはまぁそうなんだけど、あの人他人の事情とか知らなくて自分の気分次第ってところがあるんだよね。美点ではあるけど、この場合あの人の唯我独尊って短所なんだよな。俺が行ったら多分永遠に終わらないだろうからさ」

「なんで俺なんだよ。女子使えばいいだろ」

「だって好意を利用しているみたいで気が引けるぜ」

「俺の好意は無下にしていいってのか」

「え? だってお前、俺のことあんま好きじゃないでしょ」

「うーーーーん……死ねっ!」

「いたいっ! なんで蹴るのさ!」


 ぷんぷんと怒りながら勝平は三年教室のある階に向かって行った。すねを撫でながら、ノートに書いてある名前を読んでみる。

 あまり意味のある羅列には思えない。

 おそらくは本当に「ただ聞いただけ」なのだろう。

従姉妹の「霊感ある」系の中二病が私の親にまだ弄られててめちゃくちゃ可哀相すぎ。

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