第四十八話
幹部怪異タグルーク、幹部怪異レグポーン、幹部怪異ケルナイト、幹部怪異ビリビショップ。
すべて滝隼人に殺されてしまった。
残った巣窟はあと一つ。つまり、首領のもの。
宮城の守護者、滝隼人。
首領ザキングは巣窟全滅の危機を察した。
本当に、此処でどうにかしておかないと、我々は滝隼人に殺されてしまう。
しかし、だからといって、どうすればいいのか?
どう対処しても滝隼人はこちら側を逸脱して来る。
ザキングは焦り、憤った。
どうしてこんな理不尽な戦いを強いられているのか。
まるで理不尽では無いのか。
滝隼人がそもそもおかしいのではないか!
旧宮城守護者・林田疾風の息子!
母親は別の世界線ではエクストラム!
何故、そんな頭のおかしな存在がエクストラムの遣いとして宮城なんてちっぽけな所を護っているのか!?
なにか宮城におかしな因縁でもあるのではないか!?
ザキングは思わずそんな事を考えてしまう。
小心卑屈な性格をしているから、何かのせいにしなくては堪えられない。そもそも堪えられた事なんて一度もなかった訳だが。
ともかく、ザキングは周りのせいにしたかった。
実際の所、絶対に周りのせいだ、という自信があった。
自分はこんなに頑張っているのだから、絶対に周りのせいだ。
なぜなら、自分のせいである訳がないからである。