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エクストラムマン2  作者: モッズコート
怪の二 渦の中
21/58

第二十一話

 翌日、隼人と勝平はその話をした。


「同業者助けるのはいいけどよ、つまるところ何を成せば『助けた!』って判定になるんだよ」


 勝平の疑問は意味がわからなかった。

 隼人の頭はパンクした。

 隼人は自分の決断の終着点を考えないで行動する癖があった。その癖に付き合わされるのはどうせ俺なんだろ、と勝平は決め込んでいたし、実際その通りだが、隼人は混乱した!


「えー! どうしよ!」

「オイ」

「でもまぁいいじゃない! 俺は俺のお友達が心の底から笑ってくれるところを見たいんだぜ! 見たいんだよ! 見たいんだよね。でもお前はそうじゃないかもしれない。どういうことかというと、円周率ってあるじゃないですか。円周率知ってる? π=3.

 1415926535 8979323846 2643383279 5028841971 6939937510 5820974944 5923078164 0628620899 8628034825 3421170679 8214808651 3282306647 0938446095 5058223172 5359408128 4811174502 8410270193 8521105559 6446229489 5493038196 4428810975 6659334461 2847564823 3786783165 2712019091 4564856692 3460348610 4543266482 1339360726 0249141273 7245870066 0631558817 4881520920 9628292540 9171536436 7892590360 0113305305 4882046652 1384146951 9415116094 3305727036 5759591953 0921861173 8193261179 3105118548 0744623799 6274956735 1885752724 8912279381 8301194912 9833673362 4406566430 8602139494 6395224737 1907021798 6094370277 0539217176 2931767523 8467481846 7669405132 0005681271 4526356082 7785771342 7577896091 7363717872 1468440901 2249534301 4654958537 1050792279 6892589235 4201995611 2129021960 8640344181 5981362977 4771309960 5187072113 4999999837 2978049951 0597317328 1609631859 5024459455 3469083026 4252230825 3344685035 2619311881 7101000313 7838752886 5875332083 8142061717 7669147303 5982534904 2875546873 1159562863 8823537875 9375195778 1857780532 1712268066 1300192787 6611195909 2164201989 3809525720 1065485863 2788659361 5338182796 8230301952 0353018529 6899577362 2599413891 2497217752 8347913151 5574857242 4541506959 5082953311 6861727855 8890750983 8175463746 4939319255 0604009277 0167113900 9848824012 8583616035 6370766010 4710181942 9555961989 4676783744 9448255379 7747268471 0404753464 6208046684 2590694912 9331367702 8989152104 7521620569 6602405803 8150193511 2533824300 3558764024 7496473263 9141992726 0426992279 6782354781 6360093417 2164121992 4586315030 2861829745 5570674983 8505494588 5869269956 9092721079 7509302955 3211653449 8720275596 0236480665 4991198818 3479775356 6369807426 5425278625 5181841757 4672890977 7727938000 8164706001 6145249192 1732172147 7235014144 1973568548 1613611573 5255213347 5741849468 4385233239 0739414333 4547762416 8625189835 6948556209 9219222184 2725502542 5688767179 0494601653 4668049886 2723279178 6085784383 8279679766 8145410095 3883786360 9506800642 2512520511 7392984896 0841284886 2694560424 1965285022 2106611863 0674427862 2039194945 0471237137 8696095636 4371917287 4677646575 7396241389 0865832645 9958133904 7802759009 9465764078 9512694683 9835259570 9825822620 5224894077 2671947826 8482601476 9909026401 3639443745 5305068203 4962524517 4939965143 1429809190 6592509372 2169646151 5709858387 4105978859 5977297549 8930161753 9284681382 6868386894 2774155991 8559252459 5395943104 9972524680 8459872736 4469584865 3836736222 6260991246 0805124388 4390451244 1365497627 8079771569 1435997700 1296160894 4169486855 5848406353 4220722258 2848864815 8456028506 0168427394 5226746767~…………のやつ。ああいうふうに、割りきれないみたいな感じじゃないですか。面白い映画でも、ちょっと気になるところがあると、評価が星三つになる感じ」

「お前なんで急に円周率言ってスルーされると思ってんだよ。なんで急に円周率言ってんだよ。つーかその円周率ほんまか?」

「本質は!」


 隼人は強調して言う。


「そもそも、こういうのってあんまり正解はないんだよ、勝平。俺が死んだ後でも俺としてたみたいなことするつもりなら、これだけは覚えておいてね。誰かを救うって行動に正解はないし、正解を探し出したらそれは正義とは言わねぇぞ」

「俺お前が死んだ後の世界に興味ねぇよ」


 勝平は言う。

 熱烈なラブコールのようだったので、二人はちょっと照れた。


 ブロマンス的な? というフウに。


(えん)tooたけなわ」

「帰ろうとすんなや。俺だけがちょっと恥ずかしいじゃねぇかよ」

「いつものことじゃん」

「死ね」

「え?」

「死ね」

「円周率言うか?」

「ガチでキモいから辞めてくれ」


 隼人は円周率を勝平の耳元で囁きはじめた。


「ガチやめろや」

「最後まで聞いて……」

「いつ終わるんだよ」

「もう一生このままでいい」

「もう俺に標的を替えたのかな?」

「いや別に……」


 隼人は頭の後ろを掻きながら、恥ずかしそうに言った。


「なんでお前が恥ずかしそうにしてるんだよ」

「なんか変なプロポーズみたいな事言っちゃったから」

「お前そんなん男相手に照れてたらお前……お前良くないぞ」

「もう掘り返すんやめて~」


 隼人は顔を真っ赤にした。


 ちょっとした男友達同士の告白ジョークにすらこうして顔を赤くしてしまうのが隼人のウブなところ。


「早く行動に移そうぜ」

「いや、だから、何すりゃいいんだよって」

「いや、だから、何ってそりゃお前……」


 何をすればいいんだろう。


 そういえば隼人は自分が何をすればいいのかを理解していなかった。とりあえずなんとかしてあげたいな、と思ってしまってから、「なんとかしよう!」と思ってしまった。


「お前の為に拳を振るっていいかい、だなんて今思えば恥ずかしい台詞をどうして俺は言ってしまったのでしょう」

「めちゃくちゃ恥ずかしい奴だからじゃねぇの。お前女より男の方にモテてるの知ってる?」

「えっ!?」


 隼人は意外!というフウに驚いた。


「お前男相手だと距離縮まって変にエロいコミュニケーション取るんだよな」

「エロいコミュニケーションってなんだよ」

「なんかやけにこっちを女みたいに扱ってくるんだよな。時々。お前そっち系なの?」

「あー否定しきれない事を言わないで欲しい……いま惚れている人が人だから……いま絢ってどっちなの」

「お前に会うときは、らしい」

「なんでぇ、そりゃ! 勘違いしてしまう」


 してしまえ、と勝平は思う。もう、さっさとしてしまえ、と。いつまでそこでウダウダやってるんだ、と。


「そうやって婚期を逃す男がこの世界で損するんだよな」

「お前もしかして勘違いさせようとしてる」

「うるせぇなほんとうに」

「何故怒るのさ~」


 人の心がわからない精神異常者。

 正直に言えば、その具合。


ドキュメンタルめちゃくちゃおもしろい

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