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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

恐怖の本棚

爪研ぎしたいな

作者: 徳田タクト

※微グロ描写有。


「…爪研ぎしたいな」

 学校。昼休み。校舎裏で友人と昼食を食べてると、その友人がぼーっと目の前の木を見ながらぽそりと言った。

「は?爪研ぎ?何言ってんのあんた…」

 私がそう言った時だった。友人は食べかけのおにぎりを置いて、その木の方に四足歩行でパタパタと駆けていき、そして。


 バリバリバリバリ…


「ま…麻知?!」

 友人はその木で、バリバリと爪を研ぎ始めた。友人が爪を研いでいると、たまたま通りかかった男子生徒2人が友人のことを見て、にやにやしながら友人に近づいた。

「何やってんの?ストレスでも溜まってるん?」

「ストレス溜まってるんだったらさ、今日の放課後にでも俺らと遊ぶ?そこのお友達も一緒にさ?」

 と、チャラそうな男子は私の方に向いて言った。いや、私はそれどころじゃないんですけど…と思いながら断ろうとした時。

「なあさ、そんなことしてたら頭おかしいやつにしか見えないぜ?無視してないでちょっとは返事してくんね?」

 チャラそうな男子はそう言いながら、木で爪研ぎする友人の肩にぽんっと手を置いた。すると。

「シャアアアアッ!!!」

 と、友人はまるで猫のように威嚇し、そのチャラそうな男子に飛びかかった。

「うわああああああああ!!!!」

「キャアアアアアア!!!」

 友人はそのチャラそうな男子の首に噛みつくと、首の肉をグショッと食いちぎった。その瞬間、チャラそうな男子はぐるんっと白目を向け、首からは大量の血がまるで噴水のように吹き出てきた。

「うわあああ!!バ、化け物だ!!た、助けてくれええええ!!!」

 もう一人の男子は失禁し股を濡らしながら、その場に腰を抜かした。そして。

「許し…ギャアアアアアア!!!!」

 友人はチャラそうな男子から、今度はもう一人の男子に飛びかかり、その男子の首をぐしゃっと食いちぎった。その男子もチャラそうな男子同様、ぐるんっと白目を向け、食いちぎられた首から噴水のように大量の血を吹き上げていた。

「麻知…?なんで…どうしたの?」

 化け物と化した友人は、全身を血塗れにしながら男子の肉を美味しそうにクチャクチャと食べていた。

「麻知!!もうやめてっ!!」

 私が大声で友人に言うと。ぎろりと、友人は私の方を睨んだ。

「ひっ!」

 今度は私の番だ。そう思った瞬間、全身に寒気が走り、その場に腰を抜かした。

 友人は口元の血をペロリと舐めとり、立ち上がった。私は恐怖のあまり、じわりと尿を漏らしてしまった。

 カタカタと体を震わせながら、血塗れの友人を見ていた。すると。

「キャアアアア!!─…え?」


 友人は私の方に飛びかかった─と思いきや、私の隣の草影に飛び込み、ガサガサとどこかに行ってしまった。



 それ以来、友人は行方不明になった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 猫……男?
[一言] ねこ…? 純文学みたいですね。。
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