告白
どんなに望んだ状況だろう。
とても嬉しい。
でも、同じ位に、いやそれ以上に怖い。
目の前の友人は静かに私を見つめている。
少し薄暗い建物の裏。
人気の少ないこの場所で一つの想いを伝える。
たった一つの想いを伝えたいのに、余計な事を伝えてしまう。
きっともう、何分も待たせている。
でもこれを伝えて仕舞えばもう戻れない。
友人を失うのは、この想いを伝えられないことより怖い。
やっぱり辞めてしまおう。
これは冗談ということにしてしまおう。
でも、こんな機会は二度とない、ここで諦めたら一生後悔する。
伝えよう。
ただ一言に、全ての想いを乗せる。
余計な言葉も何もいらない。
しかし同時に、後悔の念にも苛まれる。
たった一分一秒が長い。
一体どれ程の静寂が私たちを包んだのだろう。
友人が静寂を切り裂く。
私は涙を流してしまった。
私達の関係は壊れた。
目の前の恋人の一言で私達の関係は変わった。
『ありがとう。これからもよろしく。』