表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

【8冊目】 『トリエステの坂道』 須賀敦子

 


 『和』の雰囲気も好きです。

 特に心を惹かれるのは平安時代。十二単を着てみたい。和歌を詠んで暮らしてみたい。ですが、これは貴族の家に生まれることができたら、ですよね。


 冬野はもし転生することができても、確実に庶民の家に生まれる謎の自信があります。一般庶民に生を受けたのなら、きっと生きてゆくだけで精一杯だったはず。『羅生門』にもそんな様子がうかがえますよね。


 そんな大変な思いはしたくはない(キッパリ)。

 ですのでやっぱり平安時代に生まれるのではなく、できることなら俯瞰する立場で時代を眺めてみたいなぁ。


 そしてそれとは別に、異文化圏にも相当の憧れがあります。


 ヨーロッパが大好きです。もしかすると、幼いときに遊んだジグソーパズルの影響もあるかもしれません。 


 そのパズルの出来上がりの写真は、石畳の路地に暖かそうなランプが灯っているクリスマスの冬の光景でした。

 ヒーターの前に座り込み、温風を受けながらパズルを嵌めて遊んでいた当時、まだ知らぬ遠い異国の冬の光景に心を奪われて、夢中で眺めていたことを思い出します。


 はい。また前ふりが長くなってしまいました……。


 今回はそんな異国の香り満載のエッセイ作品です。


 ご存知の方もいらっしゃるかと思います。




 ★『トリエステの坂道』 須賀敦子(すがあつこ)


 簡単に作品紹介です。

 

 イタリアの都市トリエステに、詩人サバが愛した面影たちを求めて、著者の須賀敦子さんがひとり旅をするエッセイです。



 以前からエッセイ作品は読んでいました。主にイギリスを舞台としたものや旅行記です。

 今でこそエッセイまがいのものを書いていますが、当時は特にエッセイに興味があったわけではないのです。イギリスや旅行が好きだから、という理由で読んでいました。


 なぜこの本を書店で手に取ったのかは、はっきりとは憶えていません。おそらく好みのシンプルなタイトルに惹かれたのだと思います。

 ページをめくれば旅行記でした。

 

 一行、二行を読むと、文章が自然にすっと馴染んできました。とても冬野に「合う」文章だったのです。描写というよりも「文章」に惹かれました。

 そして日本語が美しい。今まで読んできた作家さんの中でも、そう思った方のおひとりです。


 トリエステの町をひとり歩き、サバ(ゆかり)の書店や町並みや人や匂いに彼の愛した面影を探してゆくのですが、なんというか、一緒に町を歩いた気分になれるのです。


 景色はもちろんのこと、カフェの雰囲気、町の音、人々の生活、そういったことが目の前に広がり、須賀さんのお話を隣で聴いているよう。



 詩人サバのことも町の歴史と一緒に触れられているのですが、正直、そこは……理解はできてはいません。

 サバの詩も読んだことがありません。不勉強でスミマセン。いつか読んでみたいとは思っているのですが……。


 この作品は旅行記として楽しみました。

 

 『トリエステの坂道』という文庫には、イタリアで暮らしたエッセイや、サバと同じトリエステ生まれの詩人ジョッティにかんするエッセイが収録されています。


 旅行やイタリアや詩に興味のある方。いかがですか?


 イタリアを身近に感じて、日本にいながらもこの夏に旅をしたようなお得な気分になれるかも?

 







 恒例です。


 冬野の趣味嗜好に沿ったおすすめです。肌に合わなくても、苦情は一切お断りいたします。笑



 以前に予告したものは児童書だったのですが、まだ再読ができてないのです。児童書とはいっても、けっこうな頁数がありまして……(*`艸´)


 なので今回はこちらの短編作品を先に紹介させていただきました♪


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  イタリアの街並み。  ピザ屋さんとパスタ屋さんが、軒を連ねて。  って、どこの中華街だよ!  十二単衣を着てみるのも、和歌を毎日読むのも、現代に生まれたほうがやりやすいですよ(笑) …
[良い点] 前回と前々回は、オカルトの話の紹介でしたが、今回は、『トリエステの坂道』と言う事で、イタリアの旅行記の話ですね。 私は、ヨーロッパには行った事もなくて、まして、かような本がある事も知りませ…
[良い点] イタリア、いいですね。様々な絵画や、美しい街並みをはじめ、素敵です。トリエステには行ったことがないので、今回の本にもとても惹かれます。 著者の須賀さんは、サバの詩の翻訳をされていた方なの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ