【5冊目】 『蟹工船』 小林多喜二
蟹って、美味しいですよね♪
最後に食べたのはいつだったか?
憶えていないくらいの昔ですが、カニカマはよく食べます♪
以前に、蟹漁をする船のドキュメンタリー番組を観ました。
荒れた海に湧く小山のような波、その波しぶきをかぶり、激しく左右に揺れる漁船。
そこで獲れた蟹は市場に出荷され、レストランや料亭、鮮魚店、スーパーなどに卸されて、消費者の口にのぼるのです。
はい。
今回はなぜ冒頭が蟹の話なのか?
それは紹介する作品が、プロレタリア文学の代名詞だからです。
(プロレタリア文学とはなんぞや? → めっちゃ簡単に説明すると、労働者階級の厳しい現状を描いた文学です。詳細を知りたい方は検索してみてくださいね)
読んだことがある方もいらっしゃると思います。
★『蟹工船』 小林多喜二
簡単に作品の紹介です。
博光丸は北海道を発ち、カムチャッカの北の海で蟹漁を行う『蟹工船』。
その船の中での、雇用者側と労働者側(被雇用者側)の姿が描かれています。
なぜ『蟹工船』を読もうと思ったのか。
その理由は、蟹が美味しいかr……ごほっ、ごほっ。いや、それもあるのですが……(←あるのか?)。
『蟹工船』は、プロレタリア文学の代名詞として、タイトルと作者は教科書に出てきます(今はどうなのでしょうね? 冬野は教科書で見ましたよ)。
だけどですね。
プロレタリア文学とはいっても。労働者階級の厳しい現状を描いた文学とはいっても。
それはなにか? どんなことが描かれているのか? そこは、解らなかったのです。
じゃあ、解らないなら読んでみよう、と。
単純に、好奇心からでした。
プロレタリア文学 = きっと、つまらない。
この図式、どう思いますか?
ん?
だいたい、そんなもんだろうって?
だって、労働者の厳しい現実を描いた作品が楽しいわけがない。
冬野もイメージから、そう思っていたのです。
つまらなかったら、雰囲気だけを感じて、読むのをやめればいいや。
そんな軽い気持ちでページをめくりました。
数ページほど読み進めると……。
あら? ん? ……。
……誰?
つまんないとか思ってたのは! (注:冬野です)
プロレタリア文学(『蟹工船』) ≠ きっと、つまらない。
これが正解です。 ≠ (ノットイコール)ですよ!
ここ大事です。テストに出ます。笑
(『蟹工船』)と表記したのは、プロレタリア文学は『蟹工船』のほかは、読んでいないからです。
ほかの作品を知らないのに、さすがに無責任なことは書けません。
『蟹工船』は1929年に発表された作品です。
今から94年前。……計算してびっくりしました。え? そんな昔なの?
独特な雰囲気はありますが、今、読んでも文章的な違和感は、ほぼありません。感じるとしたら、作者の文章の個性でしょうか。
とても94年前の作品とは思えません。
まず、この作品は「面白い」。
94年前、ナメてたかも……。
ただですね、この「面白い」というのは、「楽しい」ではないのです。
当時の時代背景で描かれています。当然、倫理観やら衛生環境、さまざまなことが現代とは異なります。
描写や、表現などに抵抗を感じることがあるかもしれません。
『蟹工船』を舞台としています。
だけど。
描き出されていることは『蟹工船』がどういったものか、とは違います。
読んでいると解ってくるのですが、いわゆる『主人公』の立ち位置はいません。
いうなれば全体(漁夫、雑夫、船員など)が主人公のようです。
最後までページをめくる手は止まりませんでした。
よかったら……どうぞ?
恒例です。
毎回書きます。
冬野の趣味嗜好に沿ったおすすめです。肌に合わなくても苦情は一切お断りいたします。笑
* ここでは、文学的? なことだけを語っています。
思想的なことは一切、語っておりません。
先日から、突然『蟹工船』が読みたくなりました。
なので昨日、今日で再読。
ページ数は約100頁。短編です。
なんで急に読みたくなったんだろう?
あ! 朝の情報番組で、蟹を食べている水卜ちゃんを見たからかも。笑