【1冊目】 『自虐の詩』 業田良家
4コマ漫画を読んで泣いたことって、ありますか?
冬野のイメージだと、4コマ漫画って「コメディ」「ギャグ」枠だったのです(←さっそくの勝手なイメージ)。
なので、この作品を読んだときには衝撃をうけました。
★『自虐の詩』 業田良家
名作です(断言)。
映画化もされているので、御存知の方もいらっしゃるかもしれません。
主演は阿部寛さんと、中谷美紀さんです。
簡単に作品紹介です。
幸江と幸江の亭主の日常譚です。
この夫婦(?)、一見普通だけど、たぶん、かなり普通じゃない。
イサオ、無職。
なにかというとちゃぶ台をひっくり返す属性持ち。
幸江、パート従業員、内職もする。
「あの人にはわたしがいなくちゃ」という、ダメンズを養う属性持ち。
綴られる生活をみても、社会の底辺で生きているであろう二人です。
そんな二人の間には、(他者からは理解されにくいですが)愛が確かにあるのです。
そして徐々に明かされる、幸江とイサオの過去。
自分ではどうにもできない苦しみを抱えて、社会からドロップアウトした(させられた)二人。
幸江とイサオ、そんな二人がなんとか幸せになるために、生きていく物語です。
この『自虐の詩』。
冬野はドンピシャにハマりました。
目が腫れるまで泣きました。
嗚咽が止まらない。まさに、そんな感じです。
漫画を読んで、泣きすぎて目が腫れるという作品は数少ないのですが、この作品はその中の一つです。
ギャグなのです。というか、根底にはギャグがある。
でも、物語が進むにつれて泣けてくるのです。
悲しく、哀しく、残酷なエピソードも綴られます。
読んでいて心が痛くなります。
残念なことですが、だけどそれは、現実に確かにどこかで起きていることかもしれないのです。
それでも、絶望だけを描いたのではない、希望を描いた物語です。
人間は弱い。でも強い。
なんというか、ヘドロの中に光輝く眩いものを見つけたような、そんな気持ちになるのです。
最後に流れるのは悲しい涙ではありません。
正直、幸江とイサオの二人には憧れたりもしないし、全然羨ましくもないのです。笑
ただ「愛」って温かいなあ、と。
そんなことを考えさせられました。
よかったら読んでみてください。
ただし、冬野の趣味趣向に沿ったおすすめなので、肌に合わなくても苦情はお断りいたします。笑