第1話 ゲームスタート
ログインしたらキャラ作成に入ります。
《お名前をどうぞ》
『ハル』
最速ログインで勝ち取ったぜ!被らなかった!このゲーム、名前を被らせることができない。早い者勝ちです!口で発しなくても考えるだけで良いので、楽。
《ステータス作成に入ります。説明は必要でしょうか?》
『いいえ』
予め考えていたスキル構成にした。
名前:ハル
種族:エルフ
職業:治癒士
基礎Lv.1
HP:100/100
MP:200/200
基礎ステータス
STR 10
VIT 10
DEF 10
INT 31
DEX 10
AGI 20
LUK 30
SP 0
《称号》
無し
《基礎スキル》
【鑑定Lv.1】【地図】【アイテムボックス】
【MP上昇Lv.1】【INT上昇Lv.1】
《職業スキル》
【治癒術Lv.1】
《戦闘スキル》
【光魔法Lv.1】【水魔法Lv.1】【風魔法Lv.1】
基礎ステータスを上げるSPは100pt用意されている。20多い理由はスキルの数だな。スキルは10個取れるのに対し、俺は8個しか取っていない。取らなかった分はSPになるのでLUKを上げておいた。運が高すぎて困ることは無い。SPは基礎Lv上昇毎にプラス3。
【INT上昇】などはLv.1毎にプラス1。【MP上昇】はプラス50で、初期職が魔法職なら初期ステータスにプラス50。
《こちらのステータスで宜しいでしょうか》
『はい』
《それでは、チュートリアルを開始致します。まずは冒険者ギルドにて、冒険者登録をして頂きます。その後街の外へ行き、"どんな魔物でも構わないので"1体倒してください。1体倒すまでは『無敵』が付与されます》
ほほう……?エリアボスを倒すか。目の前が真っ暗になった。
気づいたら教会で寝ていた。
まずは【地図】を頼りに、冒険者ギルドへ……行こうと思ったが、重そうな荷物を持つおばあちゃんを発見した。
「大丈夫ですか?お持ちしますよ?」
「あら、いいのかい?それなら、この道を真っ直ぐ行った薬屋へお願いね」
「分かりました」
【地図】に薬屋が表示された。そこまで歩いていくが、結構重いな……。おばあちゃんが心配そうにしているが、俺は愛玩動物ではなく1人の男である。最後までやり抜きます。
「着いた……」
《【STR上昇】を取得しました》
俺が先駆者ではない。ベータテスター達がいるからな。この世界では、『行動経験値』というものが存在しており、そのスキルに合う行動を取るとスキルを取得できる"ことがある"。
「小さな体でありがとうね。"調合に興味は無いかい?"」
「あります。治癒士ですので」
「なら、これを報酬にしてあげるね」
《『調合士』を取得しました》
《【調合】を取得しました》
《『初級調合セット』を取得しました》
《【植物鑑定】を取得しました》
《【採取】を取得しました》
《チュートリアル特別クエスト『善意を持つ者』をクリアしました。プレイヤーの中で1人目のクリア者ですので、報酬が豪華となっております》
《お知らせします。特別クエストをクリアしたプレイヤーが現れました。特別クエストとは、一部のイベントの中に出現している、特殊なクエストを指します。初クリアプレイヤーは報酬が豪華になるボーナスも》
《【特別クエストの先駆者】を取得しました》
おうおう長いね〜。さてと、エリアボスとか倒してたらゲーム廃人ベータテスター共に怒られるのでね、近場の魔物を倒しましょう。
冒険者登録は割愛。面白味はなかった。めっちゃ興奮したけどね!!
森に入ったら【鑑定】【植物鑑定】【採取】のLv上げですよね。当然のように時間を消費します。
《【DEF上昇】を取得しました》
無敵状態であっても、モンスターには絡まれる。ダメージを受けないのをいいことに、大量に引き連れている。後で崖から自分事落とす予定だ。
別に作業厨ではないが、"2時間"程採取を……。怒られるな……。レアアイテムもいくつか手に入れたので、献上しよう。NPCの死体のゾンビやスケルトンの装備を、無敵状態を利用して強奪した。
《【強奪】を取得しました》
《【隠蔽】を取得しました》
聖剣士装備などもあったので強奪した。条件を満たしていないので装備できないが、これを献上したら多少は……。
「さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!ヘイトが溜まりに溜まったモンスター達と自殺しますよ!!」
地面の土を掴んでモンスター達へ投げた。ブチ切れよる。
《【挑発】を取得しました》
走って逃げて、俺に意識を集中させ、崖から飛び降りた。
《【自由落下】を取得しました》
《【九死に一生】を取得しました》
《【落下耐性】を取得しました》
俺は生き残り、モンスターは全滅した。
「ハッハッハ!どうだ!」
《【殲滅者】を取得しました》
《【道連れ】を取得しました》
《【狂気】を取得しました》
プレイヤーの中で1番スキルや称号が多いのは俺ジャマイカ?さーて、イカれた幼馴染達と感動の再会に行きますか〜。ここから帰る方法?死に戻りに決まっておろう!!
「おっにさん、こちら!おら!死ね!」
地面から拾った石を強そうなオーガへぶん投げた。
「お?顔が赤いぞ〜?照れてんのk」
ハッ!教会に居た。チュートリアル中は死に戻りしてもアイテムが消えない!なんて素敵なの!?このままチュートリアルをしていたいわ!!
《チュートリアルをクリアしました》
「あらま」
強制的にランクも上がっています。クソ〜、もう少し遊びたかった〜。まあ、Lvも上がったからいいか。
「さーて、イカれた幼馴染達はどこかな〜?」
教会を出て、歩いていると。
「「「イカれてるのはお前だ」」」
「お!!イケメンと、チビと、運動神経!やあやあ、待たせたな!」
「「ぶっ飛ばすよ?」」
「初期装備の時点でチュートリアルしてたはずだが……。なぜそのLvなんだ?なぜ死に戻った?なぜこんなに時間が」
「人に聞かれたくない話が」
3人とフレンド登録をして、個室のカフェ(?)に入った。
大聖が『テセウス』。カッコよ。大聖だろうな。夏芽が『ミカン』。好きな食べ物だろう。雅弥が『アキナ』。分からん。
「「「で、何があった?」」」
「【隠蔽】のLvを上げたいので、ずっと鑑定して」
「分かったから、早く話しなさい」
「まずは冒険者ギルドへ行こうとしたんだが、重そうな荷物を持つおばあちゃんが居て……」
事の発端から話始めて、何故死に戻ったかまでを全て話した。爆笑するテセウスとミカン、「ほんとに馬鹿」と言いながら笑うアキナ。いい幼馴染達です。俺がやられたらキレる自信しかない。
「装備できないアイテムと、貴重なやつと、そもそも職に合ってないアイテムを献上しようと」
「『幸運の指輪』と『聖剣士の鎧(一式)』と『聖剣士の大剣』は私が貰うとして」
「聖剣士系は3人で決めたらいいけど、指輪はハルが持つべきじゃない?」
「PKされたらどうする?【強奪】とかもあるぞ?」
「私達に使ってみて」
【強奪】を使うと、【強奪防止】というスキルを取得したそうだ。俺は適当なアイテムを持ち、アキナに奪われると取得。アキナも【強奪】を取得。
話を聞くと、PKの際にアイテムを奪われるのは、【強奪】の効果らしい。それを持ってないPKの場合はお金だけ。
「無敵状態でアンデッドからアイテムを奪うか〜、その発想はなかったな」
「怖いもの知らずだね」
「いつもミカンとアキナを怒らせております故」
「「誰が怖いって?」」
「「そういうとこやぞ」」
「テセウス、現実でその名前を呼ぶ?」
「ごめんなさい!」
「ハルは明日も真冬姉と寝てもらうとして」
「確定事項!?確認しないの!?」
やれやれだぜ。3人とパーティを組んで、護身用の鉄剣を装備。レアドロップのウルフ装備一式を着て、いざ!!
「基礎Lvはともかく、スキルLvが壊滅的だね。魔法のLv上げをしようか」
「テセウス以外ソロ向けじゃないけど、大丈夫なん?」
「1人欠けた時にソロに行くのはお前だけだろうな」
「普通は時間が合うメンバーで組むよね」
「『ギルド』が解放されれば楽なんだけど……」
「ソロってダメなの?」
「ダメじゃないけど、危ないでしょ?ハルは(見た目)弱そうなんだから」
低身長、周りの者曰く可愛い。可愛いは一生否定し続ける所存であります。テセウスが金髪、ミカンがオレンジ色、アキナが赤色。
「『ライト』『ヒール』『ライト』『ヒール』」
《【詠唱省略】を取得しました》
「誰が最初から詠唱有りきでやるのよって話よね」
「俺達は初期知識があるからな!」
「アキナが誘ってくれなかった〜とか嘆いてたテセウス氏、俺を騙すための嘘だったんだな!?ベータテスター!!」
「その方が面白ぇと思って」
「ゲームに関しては、あの2人も甘やかさないから……。自力で勝ち取るしかなかったのよ」
最近、妙に時間が合わないと思ったんですよ!!だから1人で別の県に行って散策してたんだ!!護衛?が付いてきていたらしいけど。真冬さんが付けたのか、姉さんが付けたのかは知らない。
「あの2人もゲームしてる?」
「運営側ね」
「良かった」
「運営側ってことはよ、その「良かった」も聞かれてるんじゃねぇか?」
「あ」
「「「馬鹿」」」
現実逃避のLv上げ、MPが尽きたらMPポーション。MP1消費で、【MP上昇】の経験値が1。Lv上げは楽そうですな〜。
魔法だけだと魔法使いに見えて、ソロのときに狙われやすくなる。鉄剣を振ってスライムと兎を狩ります。
《【剣術】を取得しました》
魔法を使う要領でMPを"自身"に注ぎ、『一閃』。
《【無魔法】を取得しました》
《【身体強化】を取得しました》
《【付与術】を取得しました》
《【付与の先駆者】を取得しました》
「お〜」
「「「へ〜」」」
「おい!真似が早い!」
「「「使えるものは使わないと」」」
【付与術】は自身や装備にスキルを付与できるスキル。ただしLv.1だと1分間限定なので、生産職の『永久付与』とは違う。Lv.10で2分、20で3分、Lv.100からは他のスキルのLvにプラス1されていく。なかなかお強いが、Lv.100っていつになるの?
「高Lvのプラス1はデカイな!」
「いつ100になるのさ」
MPがガンガン消費されていく。3人も少し離れたところで魔物を狩っていらっしゃる。早く追いつくためにはソロで進めるしかあるまいて。
『ハル、徹夜はダメよ?』
見透かされてる。フレンド通話ですな。【光魔法】はLv.20になったので、水と風も上げていき、合間に剣と付与を。
『初期職が物理だとMP少ねぇ!』
『辛い!!』
『『ふっ』』
『ハル〜、薬草渡すからMPポーション作って〜』
『俺の分も〜』
『私の分もね』
『おー、任せろ〜』
魔法の合間に、片手で【調合】を使う。【水魔法】の水とヒトポ草で『初級HPポーションLv.1』、マナ草で『初級MPポーションLv.1』。失敗すると『毒ポーションLv.1』になる。
『初級HPポーションLv.1』はHPを50回復し、Lvが上がるごとに20プラスされていく。【調合】のLvが5上がるごとにポーションLvが上昇する。
『初級MPポーションLv.1』はHPポーションのMPバージョン。中級になると、【調合】のLvが10上がるごとにポーションLv上昇。
『初級HPポーションLv.1と2が合計85本、MPポーションLv.2と3が96本。交互に作ればLvが同じになったのにな〜』
『前衛2人がHP多め、私とハルがMP多めね』
『薬草採取でソロが増えるのは仕方ねぇよなぁ!?』
『ギルドが出来たら畑買う〜?』
『その方が楽だし、後々の金の消費を抑えられるか』
『管理はNPCを雇いましょ』
生産職は戦闘職でも取れることは、俺が例となる。初期職以外に生産2つ、戦闘1つを取ることができる。3人はまだ初期職だけなので、誰かが農業系を取るかどうか。
狩りをして、薬草採取して、ポーション作って、Lvを上げて。そろそろログアウトの時間となったので切り上げた。
「転職できるな」
「転職したらログアウトだな!」
「ゲームの中だと男女同室が……設定で変えられるのね」
「4人部屋にするか?」
「そうだね〜、その方が安く済むし」
教会で転職をしたら、『治癒剣士』になった。【剣術】のLvを先に上げておくとこうなるらしい。『聖法剣士』にしてから『魔法士』になると火力低下が怖いよな。次が『魔法士』なら、その後『賢者』にできるか?
テセウスが『盾士』、ミカンが『大剣士』、アキナが『治癒士』となった。アキナさんは魔法特化の賢者かな?俺は聖法剣士タイプだが。
「ログアウトするか!」
「したくない」
「どうせ強制ログアウトされるだろ」
「諦めなよ」
「早く起きて先にログインしてるな」
「朝ご飯にはログアウトしなさいよ?」
「うむ」
ログアウトしました。
名前:ハル
種族:エルフ
職業:治癒剣士
調合士
基礎Lv.32
HP:730/730
MP:1,920/1,920
基礎ステータス
STR 39
VIT 10
DEF 38
INT 64
DEX 10
AGI 20
LUK 30
SP 93
《称号》
【特別クエストの先駆者】【殲滅者】【狂気】
【付与の先駆者】
《基礎スキル》
【鑑定Lv.64】【植物鑑定Lv.57】
【地図】【アイテムボックス】【採取Lv.57】
【強奪Lv.71】【強奪防止Lv.50】
【隠蔽Lv.75】【挑発Lv.35】
【自由落下Lv.1】
【MP上昇Lv.23】【INT上昇Lv.34】
【STR上昇Lv.29】【DEF上昇Lv.28】
《職業スキル》
【治癒術Lv.30】【剣術Lv.29】【調合Lv.17】
【付与術Lv.15】
《戦闘スキル》
【光魔法Lv.20】【水魔法Lv.20】【風魔法Lv.20】
【無魔法Lv.20】【身体強化Lv.20】【道連れ】
【詠唱省略Lv:70】
《耐性スキル》
【落下耐性Lv.1】【九死に一生】
「なあ、雅弥」
「なに?真冬姉からは逃げられないわよ」
「SP振ってなかった」
「93?」
「そう」
「パーティとして戦ってたわけじゃないし、今回は許すわ」
今日も今日とて2人の帰宅を待ち、夜ご飯。サービス開始は13時だったから、今は21時とやや遅めの夜ご飯。
「ハルちゃんの狂プレイ見てたよ〜」
「!?」
「ハルがチュートリアルを長引かせてた辺りから、私達は笑いながら見てたのよ」
「我が身ながら、お恥ずかしい限りでございます」
「「ほんとにね」」
特に冒険のヒントなどは貰えず、風呂に入って寝る準備をした。油断させようとしているのか、風呂に突入しようとはしてこない。中学時代に使っていた部屋へ行こうとしたら、姉さんと真冬さんに連行された。
「姉さんは恥ずかしくないの?」
「可愛い弟と寝ることの何が恥ずかしいの?真冬と2人きりにさせる方が問題なのよ」
「1人で寝たい」
「「それはダメ」」
「なんでよ!雅弥は1人じゃん!」
「あの子は一緒に寝たいけど、恥ずかしいから来てないだけよ」
「雅弥と私に挟まれたら、久遠くんが寝れなくなっちゃうよ」
普段は姉さんと2人だが、雅弥を怒らせると真冬さんも追加される。姉さんは2X歳、あれ?言えないな。その歳にもなって弟と一緒に寝るの?姉さんも真冬さんも、まだ女子高生を騙れる若さではあるけども!!
「真冬、まだそこに触るのは早いよ」
「バレたか〜」
「なに!?」
「「秘密」」
最初こそ緊張で寝れなかったが、今は何故か安心して眠れてしまう。慣れって怖いな。
ゲームでの冒険と、4人の恋愛事情が多めとなっております。
【九死に一生】の効果は、即死ダメージを10%の確率で"回避"します。