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これは何ですか? - 07

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「……これは何ですか?」

「領地の小学です」


 最初の説明通り、領地には公共の学校があるのだ……。本当に、信じられない光景だった。


 見学に来ているギルバートとクリストフの前で、子供達が挨拶をしながら手を振ってくれた……。どう見ても、全員、平民出の子供達である。



「……これは何ですか?」

「木炭を作る場として設置された山の工場です。工場とは言っても、木炭を作る為の蒸し焼きの小屋なのですが」

「……はあ」


 そして、「木炭」 を使用して焼いた「串焼き料理」 が出された。


 細い串にお肉が刺さっていて、見慣れない料理ではあるが、お肉を焼いた料理は食べ慣れている。


 じーっと、串刺しのお肉を凝視しているギルバートとクリストフを見て、案内役の騎士が、親切にも、串刺しのお肉の食べ方を教えてくれた。


 串を突きさす形ではなくて、お肉を横にスライドしていく方法だと食べやすいですよ、と。

 それで、説明された通り串を横にしてみて、横へとお肉を引っ張ってみた。


 一口、食べてみたお肉は――意外なことに、ものすごく柔らかかったのだ。おまけに、ほんのり何かの味が染み込んでいて、食べている間も、後味も、随分とおいしいものだったのだ。


 その感触と感想は予想していなかったらしく、ギルバートとクリストフは手を止めず、モグモグと一気にお肉を完食してしまったほどだ。



「……これは、何ですか……?」



 もう、ここずっと三日間の視察の間、行く場所全部で繰り返してきた質問だ。


 そして、説明されている場所でも、更なる質問が出てきて、更に同じ単語で、同じ質問を繰り返す羽目になるギルバートとクリストフである。

 その質問の内容は、全て違うことを指しているのだから、それもまた信じられない話だ。


 未だに質問が尽きない。

 未だに視察場所も尽きない。

 未だに視察する物も、器具も、装置も尽きない。


 摩訶不思議な単語に、意味不明な状況。自分達の常識や見知った経験が全く通じなくて理解不能に陥り、入って来る情報を全くプロセスしきれていなかった二人だ。



「一体、この領地は、どうなっているんだ……?!」



 強行軍で終えた三日の視察後、あてがわれたゲストルームに戻った二人は、ゲッソリ――という表現がぴったりなほど、疲労困憊をみせていたのだ。


 自分の理解できない状況に出くわすと、これほどまでに精神の疲労をきたすとは、一体、誰が知り得ようか。


 その経験だって、生まれて初めての経験だった。



「信じられない領地だ……!?」



 二人の一致した感想だった。



読んでいただきありがとうございました。

Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)


Эпизод һеҙгә лә оҡшар тип ышанам.

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