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Д.в 災害救済 - 02

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 着替えを終え会議室にやってきたギルバート達の前には、すでに、セシルがやって来ていた。


「こちらに、軽食を持ってきてもらいました。会議を終えましたら、きちんとした夕食をお出ししますので」


「いえ、その必要はありませんよ。そちらの食事で、十分です」


 見るからに、たくさんのサンドイッチが、大きな皿に並べられている。それに、豊穣祭の露店で見かけた、四角い小さなアップルパイも出されている。


 デザートまでついて、ギルバート達には十分だった。


 部屋の隅にあるソファーに座り、一人用のカウチなども持ってきて、全員が食事を始める。


 ただ、トムソーヤ一人だけは、すでに円卓のテーブルに陣取り、自分用のサンドイッチ片手に、忙しく手を動かしながら、何かの書類を作っているようだった。


 すぐに、セシルに召集された面々が、会議室に集まって来る。


「ああ、戻って来たんだな」

「はい。今夜は、報告を済ませる必要がありますから」


 レイフにリドウィナ、ヘルバート伯爵とシリルも会議室にやって来て、そちらは奥にあるソファーに腰を下ろすようだった。


「レイナが、オスミン様を寝かしつけているよ。それが終わったら、会議に参加するそうだ」

「わかりました」


 セシルは簡単にサンドイッチを食べ終え、早速、円卓に向かう。


「皆さん、急な召集に集まってくれて、ありがとうございます」

「いいえ。緊急事態だと聞いていましたので」


 セシルは頷いて、グルリと、全員を見渡していく。


「今日、昼過ぎ、ボイマレで土砂崩れがありました。ボイマレに入る手前にいた領民が、その現場を目撃し、近隣ということで、コトレアに急使を運んできたのです。その後、災害と被害状況の確認に、私が赴きました」


 まず、簡単な前置きが説明された。


「被害状況は、土砂崩れにより、家屋が、多々、埋まっているようです。未確認の領民や、死亡者もまだ確認中です。大怪我をしている負傷者はあまりいないようです。それだけは、幸いでしたね」


 説明を聞いている領民達も、災害などに巻き込まれた領民に同情をみせ、浮かない表情をみせている。


「今日、親の確認が取れなかった子供を、明日、二十人ほど、領地で引き受けることにします。現段階では、孤児であるのか最終判断はされていませんが、今の所、両親や身内と別れ、孤立している子供達を、まず、領地に連れてきます。この際、子供達の移動に、馬車に付き添う手伝いを何人か」


「手伝いは問題ないと思いますが……、先程、出払った馬車や、荷馬車を入れても、領地内での馬車が減ってしまいますね……」


「では、幌馬車を出してください。明日の天候も悪くないようですから、午前中の移動なら、問題はないでしょう。その際、領地への出入りを、一度、封鎖します。子供達の移動が終わるまで、しばらく不備を敷いてしまいますが、今は仕方がありません」


「そうですか。わかりました」


「一応、六時半には出立する予定を考えています。朝早くからですが、できるだけ、準備を済ませておいてくださいね」

「わかりました。そう、全員に伝えておきます」


「子供達がこの地に到着次第、まず、宿場町の裏で、全員、入浴を済ませてくださいね。災害地での汚れや泥などを、領地内に持ち込まないように、気を付けてください」

「それなら、桶やお湯の準備が、外で必要になりますね」


「ええ、そうですね」

「うーん……、婦人会からの助っ人だけじゃ、時間が足りないわね。――ウェイさん、そっちからも、助っ人、どうにかできないかしら?」


「ああ、問題ないぞ。湯あみ場は男手に任せて、子供たちの衣類やら、そっちの用意をすればいい」

「ああ、そうね。そうしてくれると、助かるんだけど」

「ああ、問題ない」


「良かった。話はまとまったようですね。次に、子供達の受け入れですけれど――院長?」


 セシルに促された女性は、少し首を倒しながら、考えてみる。


「うーん……20人近くの子供たちは、部屋を用意するのに、少し時間がかかってしまいますね……」


「そうですね。今はまだ、孤児を引き受けるかどうかは本決まりではないので、最悪の場合、全員を、簡易宿泊所のテントで、世話することになるかもしれませんが」


「簡易宿泊所……。それだと、子供たちも落ち着かないかもしれませんね……。――ああ、それなら、ホールを片づけて、お泊り会にするのはどうでしょうか? それなら、他の子供たちとも一緒にいられますし、肉親や家族と離れ離れになり、知らない土地に来ている不安も、少しは和らぐのでは?」


「ああ、それはとてもいい考えですね」

「では、子供たちにも手伝ってもらい、お泊り会の準備をしますね」


「ええ、よろしくお願いしますわ。たぶん、到着は早くても昼頃になると思うので、軽食も用意してもらうことになるでしょう。そうなると、緊急の手伝いが必要ですね。婦人会で、調整できますか?」


「ええ、任せてください」


「災害を受けた子供達は、特に、精神的、心理的のショックが大きいことでしょう。明日は、小さな子供達を第一陣として連れてきますから、子供2~3人に対し大人一人の割合で、手伝いを増やしてくれませんか?」


「はい、わかりました。それなら……えーと、そうですねえ……。4時間交代として、夜は、独身の女の子たちに寝泊まりをしてもらいましょうか」

「では、よろしくお願いします」



読んでいただきありがとうございました。

Twitter: @pratvurst (aka Anastasia)


Murakoze gusoma iki gitabo

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